今日のメシ本 昼ごはん

第35回
静岡県
谷島屋 営業本部
野尻 真さん
おかずをまとめて作ってくれる妻の教えに従って、彩りよく詰める
meshi

 昼食と夜の風呂の時間が、私にとっての主要な読書時間。ただ、中年太りが気になりだし健康のためと、一年ほど前にロードバイクで往復20キロの自転車通勤を始めてから、昼食後の読書タイムはシエスタへ、夜の風呂読書では、ゲラやプルーフを風呂へ落としまくる、といった具合に健康と引き換えに貴重な読書時間を失いつつある今日このごろ。実はちょっと真剣に困っている。

○月×日

 昼食は大抵自分の席でお弁当。今日は唐揚げだ。『国会議員基礎テスト』(黒野伸一 著)の続き。これを読み始めてから、昼も夜も一度も寝落ちがない。というより、時間切れで泣く泣く本を閉じている。なんて面白いのだろう! 最高のエンタメ本。実際にこんなテストがあったらどれだけの政治家が合格できるかと疑問に思う。そもそもの発想が天才的。

○月×日

 今日は臨店の日。当社は県内に19店舗あり、その店舗を定期的に訪れあれやこれや言うことも私の仕事の一つ。今回はららぽーと磐田店へ。昼食は道中で浜松餃子を食べながら、小説すばる新人賞受賞作の『天龍院亜希子の日記』(安壇美緒 著)を読了。おおー、凄い新人作家が出てきた、と臨店先で話すも、ゲラ読みのため誰とも共有できず。希望に満ち溢れた素敵な小説。

○月×日

 "朝詰めるだけ弁当"のおかず、蓮根の胡麻マヨ和えがうまい。尊敬する編集者が担当した、『生きている会社、死んでいる会社』(遠藤功 著)を読み始める。最近自分の中で試行錯誤を重ねている、"熱"をどうやって社内に伝達するか、ということに対して初めて具体的に記してある本に出合った。すごく腑に落ちた。

○月×日

 休日。朝から次々と本を読む。朝イチは、丁寧で敬意に溢れた『小沢健二の帰還』(宇野維正 著)。お昼はホットサンドを摘みながら『未明01』(未明編集室)。在本彌生さんの写真に魅了され、辻山良雄さんの「ことばが生まれる景色」を繰り返し読む。同じ書店員でありながら素晴らしい文筆家だと思う。本日最後は『大人になったら、』(畑野智美 著)。大好きな作家の新作。いつも通りあっという間に物語の世界に溶け込む。

 

(「STORY BOX」2018年4月号掲載)