◎編集者コラム◎

『付添い屋・六平太 姑獲鳥の巻 女医者』金子成人


『付添い屋・六平太 姑獲鳥の巻 女医者』金子成人
錚々たる俳優陣の推薦文に支えられ、好評シリーズに。最新作のオビには若村麻由美さんが登場。

 全国の「六平太」ファンのみなさま、お待たせしました! 

 前作、「天狗の巻 おりき」でいったん幕を引いた「付添い屋・六平太」でしたが、「あの二人のその後はどうなったの?」「続きが読みたい!」と、編集部へラブコールが続々。そこで、著者の金子成人さんには、新シリーズ『脱藩さむらい』と同時刊行というハードスケジュールで『付添い屋・六平太 姑獲鳥の巻 女医者』を書き下ろしていただきました。前作から1年半ぶり、ついについに、新章開幕です!

 付添い屋とは、現代で言うボディーガードのこと。裕福な家の娘さんなどが、芝居や花見に行くときに案内や警護をし、時には話し相手になる雇われ仕事です。持ち前の正義感とおせっかいから、雇い主のやっかいごとにも首を突っ込んでしまう六平太。でも唯一の肉親、妹の佐和は「浮草稼業は止めて、まっとうな仕事を」と心配するばかり。佐和の心配はもうひとつ。六平太と長く相惚れの仲である、髪結いのおりきがふいに江戸から姿を消したこと。煮え切らない六平太に苛立った佐和は、自らおりきの居場所を探し出したのですが……。

 これが前章までのお話。新章開幕となる本作の冒頭で六平太は、恩義ある師に乞われ、相良道場で剣術師範代を務めています。そう、佐和の進言通り、付添い屋を廃業してしまったのです! ところがそんな堅気の生活に馴染みきれない六平太は、ある事件に巻き込まれ、口入れ屋の不興を買ったがために予想外の事態に……。ことの顛末はぜひ本書をお読みいただくとして、付添い稼業を再開することになった六平太に舞い込んだ、最初の依頼にご注目。驚きの展開に、ニヤッとしてしまうこと間違いなし。

 著者の金子成人さんは、「鬼平犯科帳」「剣客商売」「御家人斬九郎」「水戸黄門」などなど、錚々たる作品の脚本を手掛けてきた方。その手腕は、本書に描かれるシーンの隅々にまで活かされています。留吉や熊八といった市井の人々、居酒屋を営む菊次、毘沙門の甚五郎やその子分たちなど、登場人物だれもがその声が聞こえてきそうな鮮やかさで描かれます。

 新章の注目は、六平太の落とし胤で遠く八王子に養子に出していた(そして自分の父が六平太だと知らない)穏蔵が、突然上京してきたこと。この親子の名乗りのできない二人の距離は、縮まるのか、離れるのか。さらに、六平太の周りに新たな敵の存在もちらついて……。

 帯には俳優の若村麻由美さんに「惚れ惚れする男っぷり!」とのコメントを頂戴し、賑々しく新章の幕開けを迎えた本書。時代劇の醍醐味が、ぎゅっと詰まった1冊になりました。

──『付添い屋・六平太 姑獲鳥の巻 女医者』担当者より
 
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