◎編集者コラム◎ 『僕は人を殺したかもしれないが、それでも君のために描く』桐衣朝子 挿絵/キリエ

◎編集者コラム◎

『僕は人を殺したかもしれないが、それでも君のために描く』桐衣朝子 挿絵/キリエ


僕は人を殺したかもしれないが

 新型コロナウィルスの影響で書店が一斉臨時休業。
編集者にとって絶望的な状況がつづくなか、一部書店で少しずつ営業が再開されるという朗報が!
「4マリの奇跡、再び。」と謳う今作は、5月8日、そんな奇跡のようなニュースとともに、発売日を迎えました。

 福士蒼汰さん、菜々緒さん、桐谷健太さん、横浜流星さんという華々しい4人の俳優が4姉弟を演じて大きな話題を呼んだTBSドラマ「4分間のマリーゴールド(略して「4マリ」)」の原作は、弊社の漫画雑誌「ビックコミックスピリッツ」で連載された漫画作品でした。この作品を描いた漫画家が、キリエさん。

 そして、ドラマ化を機に、原作をノベライズした、小説版『4分間のマリーゴールド』を書いたのは、キリエさんの実の母にして、62歳のときに第13回小学館文庫小説賞を受賞して小説家デビューを果たした桐衣朝子さん。

 母娘で起こす奇跡は、1度では終わりませんでした。

 今作は、桐衣朝子さんが書き下ろした最新刊であり、漫画家の主人公が作品中で描いたネームや原稿が、挿絵として見ることができる贅沢な1冊でもあります。もちろん、挿絵を描いたのは、娘のキリエさんです。

 今作の主人公は、潔癖症が身近な症状として知られる「強迫性障害」に悩む青年。
「僕が携帯電話で話していた時、たまたま近くにペースメーカーをつけた人がいたら…」
「僕がゴミ出し日に出した割り箸が折れて、ゴミ収集車の人の手に刺さったら…」
「自覚症状のない風邪を誰かにうつしてしまったら…」
そんなふうに、誰かの「死」の原因をつくってしまったのではないか、という恐怖と日々闘っています。

「障害」というほどまで悪くなっていなくても、誰かに迷惑をかけることが怖い、人に会うことが怖い、生きているのが辛い……そう感じながら頑張って生きている人、案外多いのではないでしょうか。(特にこの時期、敏感になってしまいますよね…)

 そんな主人公ですが、ある不思議な青年との出会いをきっかけに、人生を切り開いていきます。漫画家としてのキャリア、初めてする恋。生きづらさを抱えた人間が、どうやって壁を打ち壊していったのか。

 その過程の読み応えのある描写は、数々の苦難を乗り越え、夢を叶えられた著者の人生にも通ずるものがあります。

 Precious.jpでは、そんな桐衣さんのインタビューを掲載中。⬇️

Precious

 インタビュー中で語られる「利他」の精神は、タイトルの「それでも君のために」に通ずるものがあります。
まずはこのインタビューから、読んでみてください。

 小説版『4分間のマリーゴールド』とあわせて、いろいろな楽しみ方ができる感動の最新作も、担当編集激推し!
近所の書店がやっていない方は、ぜひネットでも。

 どうかこの感動と喜びが、あなたのもとにも届きますように。

──『僕は人を殺したかもしれないが、それでも君のために描く』担当者より

僕は人を殺したかもしれないが、それでも君のために描く

『僕は人を殺したかもしれないが、それでも君のために描く』
桐衣朝子


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