武田綾乃「おはようおかえり 京は猫日和」 第11回「なんちゃって高所恐怖症」

武田綾乃「おはようおかえり 京は猫日和」 第4回「思い出の京の味」
ジェットコースターは苦手だけど、
高いところは好き。
圧倒されるその魅力とは?

 昔からジェットコースターが苦手だった。高いところから急降下する時の、あのふわっとする感じが好きじゃない。でも、屋内のジェットコースターは好きだ。「武田の乗れるやつと乗れないやつの基準ってなんなん?」と友人に聞かれた時には、「落ちた時に死にそうなやつは乗れない」と答えた。屋外にあるジェットコースターはレールから弾き出されてうっかり死んじゃいそうな感じがする。「死を覚悟してまで乗りたくない」と真顔で言う私に、「そんな覚悟してる人なんておらんって」と友人は呆れていた。

 

 屋外のジェットコースターは嫌いだけど、高いものは好きだ。なんとかタワーとつくものは大体好き。京都にいた頃は京都タワーを見るのが好きだったし、大阪に行った時は通天閣に、博多旅行では博多ポートタワーに登った。東京に住み始めてからは東京タワーやスカイツリーによく行った。展望台から景色を見るのは好きだけど、ガラス張りの床は絶対に踏むのを避ける。怖いから。でも、綺麗な風景を見ながら歩くのは好き。高所恐怖症と呼ぶレベルにまでは達していない、なんちゃって高所恐怖症だ。

 今の家へ引っ越す前、Nちゃんと一緒に住んでいたマンションはスカイツリーの近くにあった。家探しを手伝ってくれた編集さんが「スカイツリーの近所に住むとテンション上がりますよ!」と言っていたからだった。借りる時には別にそんなもん気にせんやろと思っていたが、実際に生活し始めるとあながち嘘ではないことが分かった。


「響け!ユーフォニアム」を語る

*武田綾乃の新刊情報*
\第42回吉川英治文学新人賞受賞/
愛されなくても別に『愛されなくても別に』
(講談社)

 
どうぞ愛をお叫びください『どうぞ愛をお叫びください』
(新潮社)

刊行記念インタビューはこちら
 

「おはようおかえり 京は猫日和」アーカイヴ

武田綾乃(たけだ・あやの)

1992年、京都府生まれ。2013年、第8回日本ラブストーリー大賞隠し玉作品「今日、きみと息をする。」(宝島社文庫)でデビュー。2作目となる「響け!ユーフォニアム」シリーズが累計159万部の大ヒットとなる。2021年『愛されなくても別に』で第42回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に『石黒くんに春は来ない』『青い春を数えて』『その日、朱音は空を飛んだ』『君と漕ぐ ながとろ高校カヌー部』『どうぞ愛をお叫びください』などがある。

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