武田綾乃「おはようおかえり 京は猫日和」 第25回「めいちゅう30%」

武田綾乃「おはようおかえり 京は猫日和」 第4回「思い出の京の味」
結婚式の「前撮り」のため、
天気予報と睨めっこ!?

 先日、前撮りに行ってきた。前撮りというのは、結婚式より前の日にドレスや着物、衣装に身を包んで記念写真を撮影することだ。式で使うウェルカムボードやムービーなどに写真データを使用することも多いため、式の数か月前に撮る人が多いらしい。

 今回私は屋外での撮影を予定していたので、二週間前から天気予報と睨めっこする日々が続いていた。「天候が悪い場合は二日前に延期するか決行するかの判断をお願いします」とスタッフの方には言われており、複数の天気予報サイトを見てはああでもないこうでもないと頭を悩ませる羽目になった。だってiPhoneと気象庁とYahoo!では降水確率がちょっとずつ違うんだもの。さらに雨だったり曇りだったりと一日ごとに天気の表記も変化する。

 二日前に決行の判断をして当日に雨が降ったらどうしよう。だけど延期したとして、仕事の都合上次に撮影予定を入れられるのは来月六月になってしまう。六月なんて、梅雨の真っ最中だ。雨になる確率はさらに増えるのではないか……。さぁ、どうする!?

 

 こんなにも天気について考えたのは、学生の頃ぶりだ。よくよく考えると、学校生活というのは天候に左右されていた。最初に思い浮かぶのは体育。屋外の授業やプールの授業は雨によって体育館や座学に変更になった。それから遠足! 朝の天気予報を見て、中止かどうか判断しますというやり方だった。修学旅行や文化祭、体育祭といった特別なレアイベント系は軒並み天候の影響を受けた。

 しかし大人になると在宅ワーカーとなったため、天気予報をほとんど気にしなくなった。雨が降るかどうか気にするのはディズニーランドに行く時ぐらいだろうか。大人になると自分の都合で予定が決められるようになって楽だな~と感じていたが、もしかするとその要因は日々の生活から屋外のイベントが減ったことなのかもしれない。そもそも運動会や文化祭みたいな屋外のイベントが好きじゃなかったからこんな仕事をしている可能性すらある。というか十中八九そうだ。

 ただ、屋外を動き回るのは苦手な私も、綺麗な風景を見るのは好きだ。庭園を散歩するのがお気に入りで、東京に来てからは色々と散策したりしている。季節の移り変わりを楽しむのが好きで、同じ場所に何度も行ったりもする。前撮りの場所を庭園に決めたのもそれが理由だった。


「響け!ユーフォニアム」を語る

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「おはようおかえり 京は猫日和」アーカイヴ

武田綾乃(たけだ・あやの)

1992年、京都府生まれ。2013年、第8回日本ラブストーリー大賞隠し玉作品「今日、きみと息をする。」(宝島社文庫)でデビュー。2作目となる「響け!ユーフォニアム」シリーズが累計159万部の大ヒットとなる。2021年『愛されなくても別に』で第42回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に『石黒くんに春は来ない』『青い春を数えて』『その日、朱音は空を飛んだ』『君と漕ぐ ながとろ高校カヌー部』『どうぞ愛をお叫びください』『世界が青くなったら』などがある。

◇長編小説◇里見 蘭「漂白」連載第193回
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