武田綾乃「おはようおかえり 京は猫日和」 第27回「おなかは急に痛くなるもの」

武田綾乃「おはようおかえり 京は猫日和」 第4回「思い出の京の味」
昔からお腹が丈夫。
でも、胃腸炎にはなるときはなる!
大抵心当たりがあるもので…。

 先日、胃腸炎になった。大の大人が腹を擦りながら四日間ほどベッドで寝込む状況というのは非常にテンションが下がるものだったので、こうなったらエッセイのネタにしてやる! と己を奮い立たせることにした。ちなみに大人になってから胃腸炎になったのは二年ぶり五回目だった。新鋭強豪校の甲子園出場くらいの頻度である。頼むからもうちょっと弱小になって欲しい。

 

 自慢じゃないが、私は昔からお腹が丈夫だ。賞味期限がちょっと切れていても問題ないし、朝からカツ丼やピザも食べられる。執筆時はお腹が空くのでとらやの羊羹を丸かじりしたり、大好物のトッポをドカ食いしたりもしている。31に行って、ポッピングシャワーとポッピングシャワーの二段アイスクリームを食べても全然平気だ。

 しかしながら、胃腸炎はなる時にはなる!

 ここ数年はコロナ禍ということもあって手洗いうがいはこまめにしているのだが、それでも寝込む時は寝込む。しかも大体心当たりがあるので、「あ~、SOSのサインを無視していて身体さんスミマセン」と毎回反省する羽目になる。

 過去を振り返ると、昔から疲労がたまると熱が出やすい体質だった。学校に週五で行くと「もう無理~」となって翌週には欠席していたし、大学でバイトと授業が連続する時期は微熱が続いて下がらなかった。子供の頃から口蓋垂(いわゆる喉ちんこである)が腫れやすい体質で、ちょっと弱るとすぐに息苦しくなる。呼吸がしにくいから結果的に横を向いて寝る癖がつき、ベッドでダラダラする才能ばかりが磨かれた。

 大学生の途中から腎臓の病気が見つかり、その治療の都合で扁桃腺の手術を受けたのだが、その時に初めて「普通の人ってこんなにのどちんこが邪魔じゃないのかー!」と本当にビックリした。もっと早くやっておけば良かった私的ランキングの堂々一位が扁桃腺の手術だ(ちなみに二位は親知らずの抜歯である)。

 

 一口に胃腸炎といっても色々なものがあり、それぞれ原因となるウイルスが違うらしい。

 就活の為に東京に行った時にはランチで食べた海鮮丼が原因で散々な目に遭った。疲れている時に食べたせいか、イワシのお刺身に当たったのだ。京都行きの新幹線の時間が迫る中、トイレにこもってマーライオンのように胃の中のものを外へ吐き出していたのだが、ある程度胃が空っぽになると嘘のように元気になった。ただそれ以来、疲れている時には光り物のお刺身は避けるようになった。

 今回の胃腸炎は疲労によるものだったらしく、分かりやすく高熱に襲われた。


「響け!ユーフォニアム」を語る

*武田綾乃の新刊情報*
 
\注目の新刊!/
世界が青くなったら
『世界が青くなったら』
(文藝春秋)

 
\第42回吉川英治文学新人賞受賞/
愛されなくても別に『愛されなくても別に』
(講談社)

 
どうぞ愛をお叫びください『どうぞ愛をお叫びください』
(新潮社)

刊行記念インタビューはこちら
 

「おはようおかえり 京は猫日和」アーカイヴ

武田綾乃(たけだ・あやの)

1992年、京都府生まれ。2013年、第8回日本ラブストーリー大賞隠し玉作品「今日、きみと息をする。」(宝島社文庫)でデビュー。2作目となる「響け!ユーフォニアム」シリーズが累計159万部の大ヒットとなる。2021年『愛されなくても別に』で第42回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に『石黒くんに春は来ない』『青い春を数えて』『その日、朱音は空を飛んだ』『君と漕ぐ ながとろ高校カヌー部』『どうぞ愛をお叫びください』『世界が青くなったら』などがある。

週末は書店へ行こう! 目利き書店員のブックガイド vol.53 吉見書店竜南店 柳下博幸さん
源流の人 第24回 ◇ オカズデザイン (料理とグラフィックデザインのチーム)