武田綾乃「おはようおかえり 京は猫日和」 第31回「寂しがりたがり」

武田綾乃「おはようおかえり 京は猫日和」 第4回「思い出の京の味」
友人の結婚ラッシュに
怖気づいていた27歳の頃、
出会えた2冊の本とは。

 私が結婚したのは去年の十二月末。その時に、「もしかしたら結婚について悩んでいる人達におすすめの本を教えてくださいというエッセイの依頼が女性誌あたりからくるかもしれないぞ!」と思い、オススメの恋愛本リストを密かに持っていた。

 だがしかし、一向に依頼が来る気配がない。

 これはもしかすると大事に大事に温めすぎてネタが古くなってしまうパターンかもしれない! そう気付いたため、今ここでアラサー期の恋愛のあれこれについて書いておこうと思う。

 

 前々から色々なところで書いたり話したりしているが、私は恋愛経験がほとんどない。恋愛に興味がなかったというのも大きな理由ではあるが、恋愛の仕方がよくわからなかったという部分も大きい。恋愛小説を読んでいてもあまり共感できないし、そもそも恋愛しないと楽しく生きていけない時代でもないし。

 だがしかし、周囲が結婚すると妙に焦る。やっぱり結婚ってした方がいいのかな〜。いやいや、自分に向いていないことを焦ってする必要はないでしょ。やじろべえのように、思考があっちへこっちへ行ったり来たりしていたのが27歳くらいの私だった。

 

 噂によると、結婚ラッシュは人生に三回あるらしい。第一次ラッシュは25歳頃。大学生の時に付き合っていた組や、新卒でくっついた組が結婚をする。第二次ラッシュは30歳前後。結婚に拘らなくなった時代とはいえ、結婚は30歳までにと漠然と感じている人は多い。その子たちが一気に駆け込む。そして35歳頃に第三次ラッシュがやってくる。

 大学生の頃はほんまかいなと思っていたが、実際に社会人を経験すると確かにそんな流れはあった。さらに今の若い子たちはもっとスピーディーで、素敵な相手と結婚したいなら若いうちに動かないと! という空気をなんとなく感じる。多分、ネットの影響が大きいと思う。そこに結婚はしてもしなくても良いという風潮も合わさるから、自分がどのように生きるべきかの指標が見つけられなくて混乱する。自分で自分の生き方を決めるのは責任が重いしめんどくさい。でも、そこを避けては通れないのが人生ってやつだ。

 


「響け!ユーフォニアム」を語る

*武田綾乃の新刊情報*
 
\注目の新刊!/
世界が青くなったら
『世界が青くなったら』
(文藝春秋)

 
\第42回吉川英治文学新人賞受賞/
愛されなくても別に『愛されなくても別に』
(講談社)

 
どうぞ愛をお叫びください『どうぞ愛をお叫びください』
(新潮社)

刊行記念インタビューはこちら
 

「おはようおかえり 京は猫日和」アーカイヴ

武田綾乃(たけだ・あやの)

1992年、京都府生まれ。2013年、第8回日本ラブストーリー大賞隠し玉作品「今日、きみと息をする。」(宝島社文庫)でデビュー。2作目となる「響け!ユーフォニアム」シリーズが累計159万部の大ヒットとなる。2021年『愛されなくても別に』で第42回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に『石黒くんに春は来ない』『青い春を数えて』『その日、朱音は空を飛んだ』『君と漕ぐ ながとろ高校カヌー部』『どうぞ愛をお叫びください』『世界が青くなったら』などがある。

額賀 澪『タスキメシ 五輪』
著者の窓 第21回 ◈ 酒井順子『女人京都』