新刊『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』著者は書店店長。インタビュー&新オープン書店を訪問!

日比谷に新しく誕生した「HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE」。女性をメインターゲットとしたこの書店で、店長を務める花田菜々子さんが2018年4月18日に小説を発刊! その創作秘話と店舗運営に懸ける思いを聞きました。

女性のための本屋が日比谷に誕生。

映画や舞台など、文化の発信地、日比谷。

この春、さらに魅力的な街に変貌を遂げ、連日たくさんの人で賑わいを見せています。中でも注目なのは、3月23日にオープンした「HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE」
“女性のための”というコンセプトを宣言している、個性派の書店です。その品揃えや店舗づくりにおいて、細部に光るこだわりや工夫は、他に類を見ないユニークなもの。

キャッチコピーは、“私の本屋、みつけました。”

“すべての女性たちが、忙しい日々の中でふと立ち止まり、本・音楽・映像を通して、ふたたび軽やかに歩き出す力を得る、東京の真ん中のちいさな別荘。”

訪れてみると、そこには、コンセプトが明確に再現された、明るく、ワクワクするような空間が広がります。

女性との親和性が高い作品のセレクトや、陳列方法、手書きのポップなどが目を引き、「本との新しい出会いがあるかも」という期待に胸が膨らむ店舗作り。

たとえば、多数の劇場がある日比谷エリアならではの客層に合わせた、「宝塚」のコーナー。
ファンにはたまらない充実した品揃えで、訪れる人を楽しませてくれます。

DSC_8849_01

その他にも、「ジャニーズ」のコーナーや「料理」のコーナー、女性クリエイターによる展示が行われているギャラリーなど、彩り豊かです。

DSC_8890_01

女性としての自分を見つめ直すヒントが詰まっている書店

店舗を創る上で、具体的にはどんなところにこだわったのか、店長の、花田菜々子さんにお聞きしました。

「女性向けということで、華やかな空間にしたいと思いました。来ていただくとテンションが上がるお店になると嬉しいです。本は、自分の日常と照らし合わせて読むところがあると思うので、退屈している時や、何かを探し求めている時などにぜひ訪れて欲しい。新たな発見があるかもしれないですからね。」

このお店の“売り”とは、ズバリどんなところなのかをお聞きすると、

「女性としての自分、を考えるヒントが詰まっているお店であるところ。改めて自分を見つめ直したい時などにぜひ訪れていただきたいですね。ディスプレイやPOPにもこだわりをもって作っています。」とのこと。

新刊や、話題の本も、とても見やすく陳列されており、手に取りやすい工夫が随所に表れているところも注目です。

DSC_8883_01

女性によってキュレーションされたおすすめの本を、ぜひ手にとってみて下さい。

話題の著書が発表間近! 花田店長に聞く

オープンに当たって、「ターゲットは女性ですが、どんな人に来ていただいても、新しい驚きがあるお店にしたいです」と語る、店長の花田菜々子さん。

DSC_9164_01

花田さんは、2018年4月18日に、著書を発刊することが決定している、作家でもあるのです。

そのタイトルは『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』(河出書房新社)。

花田菜々子_書影
https://www.amazon.co.jp/dp/4309026729

インパクトのあるそのタイトルと、抱腹絶倒のエピソードは、読めば勇気が湧いてくること請け合いです。
本を信じ、本を愛する花田さんだからこそ書くことができた、心に染みる一冊。

「読みやすい、と言ってもらえることが多いので、ぜひ気軽に手に取っていただけたら嬉しいです。本を通じての人との出会いは、とても中身の濃いものでした。同世代の方からは、泣いた、と言われることもよくあって……、読んでいただいた皆さんの背中を押すことができたらいいなと思っています。」
そんな花田さんに、“今まさにおすすめの本”を聞きました。

「『早稲田文学 女性号』です。川上未映子さんが責任編集されていて、フェミニズムの現在の在り方や、女性とは、というテーマについて深く考えさせられる一冊です。

DSC_9175_01

花田さんのお話からは、本への愛情がひしひしと伝わってきます。
「書店員として、日々心掛けているのは、ぬくもりをもって伝えること。リアル書店の良いところは、人が介在しているところ。この本を届けたい、という思いを大切に、店づくりをしていきたい。」
そんな店長の思い溢れる書店を、ぜひ皆さんも訪れてみてください。

【店舗情報】
HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE
住所:東京都千代田区有楽町1-2-2 日比谷シャンテ3F
店舗面積:約625㎡(約189坪)
営業時間:11:00~20:00
定休日:不定休
TEL:03-5157-1900

初出:P+D MAGAZINE(2018/04/17)

今月のイチオシ本【歴史・時代小説】末國善己
人間の内面を繊細に描く、芥川賞受賞作『影裏』