危機の読書

NEW
危機の読書
 米国では、人種差別が依然、深刻な問題だ。米中西部ミネソタ州ミネアポリスで2020年5月に黒人男性ジョージ・フロイド氏が白人警官の暴行によって死亡した。本件に関する裁判で白人元警官に対して21年4月20日、陪審団は第2級殺人罪など問われていた全ての罪で有罪評決を言い渡した。
危機の読書
 近代の特徴は能力主義(メリトクラシー)だ。アーネスト・ゲルナーはそれを去勢との比喩で解説した。日本でも能力主義が社会の基調となっている。中高校生は偏差値、大学生は就職活動でのコミュニケーション力、社会人になっても人間力というような「能力」でふるい分けられるという仕組みから逃れることができない。
危機の読書
 現代に生きるわれわれにとって、いずれかの民族に所属することは、当たり前のように思える。これが当たり前でないことに気付くことが重要とアーネスト・ゲルナーは指摘する。〈人は一つの鼻と二つの耳とを持つように、ナショナリティを持たねばならない。それらのうちの個々のものを欠くことは考えられないわけではなく、実際に時折起ることではあるが、それは何らかの災難の結果起るものであり、またそれ自体が一種の災難なのである...
危機の読書
 コロナ禍によってグローバリゼーションに歯止めがかかった。その結果、国家機能が強まった。近代の国家はナショナリズムと結びついている。ナショナリズムが暴発した結果が20世紀に起きた二度にわたる世界大戦だ。
危機の読書
今月の一冊「鉄の規律によって武装せよ!」『宮本顕治著作集 第一巻 一九二九年~三三年』(新日本出版社、2012年) 革命的闘争の犠牲は幾百万大衆の闘争の焔となる。 ―「
危機の読書
今月の一冊「鉄の規律によって武装せよ!」『宮本顕治著作集 第一巻 一九二九年~三三年』(新日本出版社、2012年) 私的生活についていえば、共産党員は全生活を革命の事業
危機の読書
今月の一冊『なぜ私は生きているか』 (ヨゼフ・ルクル・フロマートカ/著 佐藤優/訳) 現在われわれは二度目の世界の崩壊は、ヨーロッパ全体の政治路線の延長にあったという事実に直面
危機の読書
今月の一冊『なぜ私は生きているか』 (ヨゼフ・ルクル・フロマートカ/著 佐藤優/訳) なぜ社会革命の衝撃をほとんど理解しなかったのか。 ——『なぜ私は生きているか』より
危機の読書
今月の一冊『なぜ私は生きているか』(ヨゼフ・ルクル・ フロマートカ/著 佐藤優/訳)  英国の歴史学者エリック・ホブズボーム(1917〜2012年)は、意味の上での1
佐藤 優「危機の読書」〈第4回〉歴史はそのままの形では繰り返さない
『なぜ私は生きているか』(ヨゼフ・ルクル・ フロマートカ/著 佐藤優/訳) 後編  コロナ禍の危機を深い位相で理解するためにプロテスタント神学者のヨゼフ・ルクル・フロマートカ(1889~1969
佐藤 優「危機の読書」〈第3回〉私はいかに危機を乗り越えたか
『なぜ私は生きているか』(ヨゼフ・ルクル・ フロマートカ/著)  前編  新型コロナウイルス(COVID-19)による感染症の拡大で、危機という言葉を日常的に耳にするようになった。もっとも日本語
佐藤 優「危機の読書」〈第2回〉もし現代に日蓮がいたならば
『代表的日本人』  (内村鑑三/著)  後編  政府は、5月25日、北海道、東京、神奈川、埼玉、千葉の5都道県で継続されていた新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言を解除した
佐藤 優「危機の読書」〈第1回〉西郷隆盛が貫いた「自己愛」の否定
『代表的日本人』  (内村鑑三/著)  前編  現下の世界は新型コロナウイルスによる危機に直面している。ここで重要なのは、危機をリスク(risk)とクライシス(crisis)