◇長編小説◇里見 蘭「漂白」目次

▶︎ 連載第1回
「正義」とは!?若き女性弁護士が困難な刑事裁判に臨む、本格法廷サスペンス連載スタート!
▶︎ 連載第2回
法廷内の視線を一身に浴びて弁護人・川村志鶴の最終弁論がはじまる!
▶︎ 連載第3回
「異議あり!」検察官から激しく声が飛ぶなか、志鶴は事件の核心に迫る──。
▶︎ 連載第4回
裁判員と裁判官に一度形成された有罪の心証を覆すのは困難だが──。
▶︎ 連載第5回
裁判員や裁判官の心証は、シロへと傾いている。志鶴が確信したそのとき──。

▶︎ 連載第6回
判決から三日後、同期の三浦が口にしたのは刑事弁護士の苛酷な現実だった。
▶︎ 連載第7回
いつもと変わらぬ家族との朝食。テレビではある未解決事件が特集されている。
▶︎ 連載第8回
「こんなひどい犯人、殺されてもいいと思う」妹の杏の言葉に志鶴は……。
▶︎ 連載第9回
「容疑者」逮捕を伝えるニュース速報、そのとき志鶴にまさかの連絡が──!
▶︎ 連載第10回
一刻も早く被疑者と接見しなければ。志鶴は勇んで警察署に乗り込むが……。
▶︎ 連載第11回
なかなか思い通りに事が運ばない警察署内。留置官は意外な事実を志鶴に告げる。
▶︎ 連載第12回
「助けてくれ!」死体遺棄の疑いで逮捕された増山淳彦は接見室で叫んだ。
▶︎ 連載第13回
弁護士だけは判断してはいけない──志鶴は慎重に被疑者と言葉をかわす。
▶︎ 連載第14回
警察での取調べで、増山淳彦が「自白」に至った経緯とは──?
▶︎ 連載第15回
被疑者の言葉をどこまで信じてよいものか──志鶴は注意深く接見をつづける。
▶︎ 連載第16回
警察や検察と戦う方法を被疑者に伝える志鶴。ついに引き返せない一線を越えた。
▶︎ 連載第17回
足立南署から綾瀬にある増山淳彦の自宅へ。志鶴はインターホンを押すが……。
▶︎ 連載第18回
増山淳彦の母親と対面する志鶴。しかし永江と名乗ったこの弁護士はいったい?
▶︎ 連載第19回
「淳彦はどうしていましたか?」依頼人の母親はすがるような目で志鶴に問う。
▶︎ 連載第20回
「言ってませんでしたか……あの子は?」増山淳彦が志鶴に隠していた過去とは?
▶︎ 連載第21回
確たる物証を警察がつかんでいないなら──そう考えていた志鶴に衝撃のニュースが!
▶︎ 連載第22回
「一人では難しそうね」事務所所長の野呂加津子が志鶴の協力者に挙げたのは──。
▶︎ 連載第23回
ニュース番組の録画をチェックする志鶴。問題のビデオ映像が映し出され……。
▶︎ 連載第24回
来たぞ──志鶴は、日本の犯罪報道の現実に「ある慣性」を感じていた。

▶︎ 連載第25回
一夜明けても広がる容疑者逮捕の衝撃──テレビには弁護士のコメンテーターが……。
▶︎ 連載第26回
増山の弁護を引き受けた事実を、志鶴は家族に話しておこうと考えていた。
▶︎ 連載第27回
増山の案件で、田口と打ち合わせに入る志鶴。互いの弁護方針がぶつかり合う。
▶︎ 連載第28回
多くの案件に奔走する志鶴。増山との接見にこぎ着けたのは午後七時過ぎで……。
▶︎ 連載第29回
自分が置かれている状況を理解していない増山。彼と信頼関係を築くのだ!
▶︎ 連載第30回
「私は、増山さんの味方です」弁護士として志鶴は、彼とある約束をかわす。
▶︎ 連載第31回
これまでの取調べについて、被疑者・増山淳彦の「自由報告」が始まる。
▶︎ 連載第32回
被疑者の頭のなかにある情報を、できるだけ早く正確に聞き出すために──。
▶︎ 連載第33回
「私から質問させてもらっていいですか?」公判を想定して志鶴は慎重に訊く。
▶︎ 連載第34回
増山を乗せた"列車"には、「実刑」以外に三つの終点がある──。
▶︎ 連載第35回
「……無視してたら、怒られない?」志鶴に黙秘するように言われた増山は……。
▶︎ 連載第36回
増山の母親に、日本の刑事司法の厳しい実態を伝えた志鶴だが……。
▶︎ 連載第37回
「増山さんも、マスコミ報道の犠牲者です」志鶴の発言が思わぬ波紋を呼ぶ。
▶︎ 連載第38回
東京地検の執務室。担当検事の放つ威圧感を志鶴は一身にあびることに。
▶︎ 連載第39回
相手は東京地検刑事部のエース"鬼岩"。志鶴の体はすくみあがり……。
▶︎ 連載第40回
「楽な商売だな人権派のセンセイも」捜査検事の挑発に志鶴は──?
▶︎ 連載第41回
弁護方針をめぐり田口と衝突する志鶴。地検で接見した増山の口からは──?
▶︎ 連載第42回
検事調べのようすを嬉々として語る増山。志鶴の目の前は一気に暗くなる。
▶︎ 連載第43回
接見後に鳴った志鶴のスマホに朗報!? 妹の杏からは予期せぬメッセージが。
▶︎ 連載第44回
東京地裁刑事部を朝一番に訪れた志鶴。増山の担当判事と面接するが……。
▶︎ 連載第45回
冤罪の防波堤となってください!──志鶴の直訴は担当判事に届くのか?

▶︎ 連載第46回
土曜日も出勤する志鶴。同期の三浦は大手事務所への移籍を控えていた。
▶︎ 連載第47回
「意外と簡単じゃん、黙秘」増山の言葉に、志鶴はかえって不安を覚える。
▶︎ 連載第48回
都築と田口の弁護方針が対立するなか、志鶴には信じがたい〈速報〉が──。
▶︎ 連載第49回
「あなたが検事に語ったことは事実なのか」田口に詰問された増山は……?
▶︎ 連載第50回
準抗告のため東京地裁に乗り込んだ志鶴は、判事の言葉で頭のなかが真っ白に。
▶︎ 連載第51回
接見室で増山に訥々と語りかけたあと、都築は彼とある約束をかわす。
▶︎ 連載第52回
憔悴した増山の母親。志鶴は居間のローテーブルを見てぎょっとする。
▶︎ 連載第53回
検察側が持ち出した強力な物証──志鶴は都築と対策を講じるが……。

▶︎ 連載第54回
いつもとは反対方向の列車に乗る志鶴。人知れず訪れるその場所は──。
▶︎ 連載第55回
志鶴には、弁護士を目指すきっかけとなるある事件があった。
▶︎ 連載第56回
事件の詳細を語る志鶴。──警察の作成した調書には決定的な疑問点が……。
▶︎ 連載第57回
遺族が提起した国家賠償請求訴訟。すなわちその相手は国家権力だった。
▶︎ 連載第58回
X県地裁の大法廷──。被告の白バイ隊員がいよいよ証人席に着く。
▶︎ 連載第59回
小池弁護士による反対尋問はつづく。県警の隠蔽工作を暴けるのか──?
▶︎ 連載第60回
数々の証拠を提示していく小池弁護士。対して白バイ隊員は……。
▶︎ 連載第61回
混乱を極め、紛糾する法廷──。静寂のなかに聞こえてきたものは?
▶︎ 連載第62回
初めての裁判体験を語った志鶴。判決とは別に「一矢は報いた」と言う。

▶︎ 連載第63回
増山淳彦の〝自供〟の裏には何があったのか──。衝撃の新章突入!
▶︎ 連載第64回
留置場の鉄格子の向こうで淳彦を待つのは、スーツ姿の男2人だった。
▶︎ 連載第65回
事情聴取の翌日、取調室で淳彦はいきなり大声で詰め寄られ……。
▶︎ 連載第66回
「お前の噓なんかお見通しなんだよ」繰り返される詰問に淳彦は……。
▶︎ 連載第67回
嫌疑を否定しづづける淳彦の目の前に、刑事はあるものを置いた。
▶︎ 連載第68回
すべては恐ろしい偶然の産物だ──淳彦の訴えは刑事たちに届くのか?
▶︎ 連載第69回
淳彦の気持ちとは裏腹に、取調室ではある書類の作成が進む──。
▶︎ 連載第70回
なんとか無実を主張する淳彦に向かって、刑事が提案したのは……?
▶︎ 連載第71回
川村という女性弁護士から助言された「黙秘」。刑事たちの反応は?
▶︎ 連載第72回
黙秘する淳彦に刑事は言う。「君と君の弁護士は決定的な間違いを犯した」
▶︎ 連載第73回
検察庁へ送られた淳彦。以前、親身に話を聞いてくれた岩切検事なら……。
▶︎ 連載第74回
「それが君の弁解か?」淳彦の言葉を聞いて検事の表情は暗くなり……。
▶︎ 連載第75回
取調室で刑事に地図を見せられた淳彦は、〝その日〟のルートをたどる。

▶︎ 連載第76回
増山の勾留理由開示を請求する志鶴。そこに秘められた本当の狙いは──。
▶︎ 連載第77回
公開の法廷で行われる勾留理由開示。志鶴は増山と準備を進めるが……。
▶︎ 連載第78回
請求から五日後の東京地裁。増山の意見陳述のほかにもある懸念があった。
▶︎ 連載第79回
弁護人席に座る志鶴ら三人の弁護団と文子。法廷に現れた裁判官は──。
▶︎ 連載第80回
どよめく傍聴席。志鶴も予期していなかった文子の意見陳述がはじまる。
▶︎ 連載第81回
「被疑者は前に出てください」裁判官に促された増山に志鶴は意見書を手渡す。
▶︎ 連載第82回
公判の翌日。志鶴は事務所のパソコンにある検索ワードを打ち込む。

▶︎ 連載第83回
遺体遺棄現場の周辺を歩き回る志鶴。被疑者に有利な証拠は見逃されがちだ。
▶︎ 連載第84回
犯人はここで中学生を強姦し、殺した。志鶴が遺棄現場を調べていると……。
▶︎ 連載第85回
「萌愛やったのも増山だろ?」半年前の被害者の親友に遭遇した志鶴は……。
▶︎ 連載第86回
増山が嘆くのも当然の起訴内容。それでも都築は接見室でにっこり笑った。
▶︎ 連載第87回
「最悪な状況にも、一ついい面がある」都築は文子に〝ある狙い〟を語る。
▶︎ 連載第88回
萌愛の母親の代理人だという弁護士から、示談金の話を持ち込まれ……。
▶︎ 連載第89回
おそるべき敵対手の出現──。テレビで増山を犯人扱いしたあの弁護士だ。
▶︎ 連載第90回
増山の無実に懐疑的な田口。対して志鶴は弁護側立証の準備を進めていた。
▶︎ 連載第91回
都築と田口を伴って志鶴は公判前整理手続へ。対峙した検察官たちは……。
▶︎ 連載第92回
「いい加減にしろよ!」裁判長の能城に対して、都築は声を荒らげる。
▶︎ 連載第93回
紛糾する公判前整理手続。秋葉原の事務所には志鶴に思わぬ来客が。
▶︎ 連載第94回
犯人は増山じゃないと思う──。少女は一体何を話そうとしているのか?
▶︎ 連載第95回
もたらされた有力な情報。ただ弁護士には警察のような捜査力が……。
▶︎ 連載第96回
志鶴は考える。弁護士の最大の目標──依頼人の無罪を勝ち取るために。
▶︎ 連載第97回
検察の証明予定事実を前に、志鶴がどうしても気になっていたのは?
▶︎ 連載第98回
映像を停めた志鶴。増山の後方に映るものを確かめて向かった先は──。

▶︎ 連載第99回
千葉県いすみ市の自宅。鴇田音嗣はその日テラスで客たちをもてなしていた。
▶︎ 連載第100回
グリルのデモンストレーションが盛況のなか、テラスに姿を現したのは──。
▶︎ 連載第101回
パーティの客たちが帰ったあと、鴇田は一人でガレージの地下室へ降りる。
▶︎ 連載第102回
増山が起訴されたことを伝えるニュース速報。そのときマダムと鴇田は……。
▶︎ 連載第103回
二階の自室に入った鴇田。動画に収められたあの時の記憶がよみがえる。
▶︎ 連載第104回
セックスは食事のようなもの──。鴇田は常に新しい出会いを求めていた。
▶︎ 連載第105回
年齢を重ね、鴇田は中学生とのセックスが貴重に思えるようになり……。
▶︎ 連載第106回
「ホテル、ですか?」と助手席で訊ねる萌愛。鴇田の車が向かったのは──。
▶︎ 連載第107回
車内のベッドの上で萌愛にキスをした鴇田は言う。「服、脱ごっか」
▶︎ 連載第108回
目に涙を浮かべて萌愛が語ったおぼろげな記憶。それを聞いた鴇田は……。
▶︎ 連載第109回
鴇田は笑い話のつもりだったが、萌愛の深刻な反応に戸惑いを覚える。
▶︎ 連載第110回
萌愛は一ミリも悪くない──。鴇田は言葉巧みに彼女の心の中へと入りこむ。
▶︎ 連載第111回
萌愛のあえぎ声を耳にしながら鴇田は精神的なエクスタシーに達していく。
▶︎ 連載第112回
「あの……お金は?」萌愛に問われた鴇田。執着しないつもりだったが……。
▶︎ 連載第113回
金が欲しいんだろ?──鴇田は、萌愛をなんとかして意のままに操ろうと……。
▶︎ 連載第114回
鴇田の狙いとは裏腹な萌愛の対応。それは彼にとってかつてない屈辱だった。
▶︎ 連載第115回
「もう会いません」という萌愛に、鴇田は「二万円を支払う」と返信し……。
▶︎ 連載第116回
萌愛の拒絶反応が信じられない──。そのとき鴇田の中で何かが砕けた。
▶︎ 連載第117回
クリアすべき問題は大きく三つ。鴇田の思考は殺人の後始末に満たされる。
▶︎ 連載第118回
死体の処理については即断しなくては──。鴇田が選んだ解決策は……?
▶︎ 連載第119回
萌愛の殺害には計画も準備も不十分だった。鴇田はそう考えていたが……。
▶︎ 連載第120回
警察の捜査が進展しないなか、鴇田は「新たな計画」へ駆り立てられていた。
▶︎ 連載第121回
絵里香を犯し殺害した鴇田は後処理にとりかかる。その「最後の仕上げ」は?

▶︎ 連載第122回
都築、田口とともに打合せを進める志鶴。検察側の隠し玉が明らかに──。
▶︎ 連載第123回
綿貫絵里香の事件についても、田口の態度は終始冷ややかなままで……。
▶︎ 連載第124回
警察は重要な物証を握っていない。志鶴の主張は田口と真っ向から対立する。
▶︎ 連載第125回
弁護士・志鶴の疑念は、警察と検察による無理筋の捜査と起訴だった。
▶︎ 連載第126回
真犯人は増山の他にいる。そこにつながる証拠を開示請求するために──。
▶︎ 連載第127回
証拠開示請求からひと月あまり。志鶴は雨宮ロラン翔子と対峙していた。
▶︎ 連載第128回
ソフトボールの試合を撮影した映像。トキオに迫る手がかりはそこに──?
▶︎ 連載第129回
物証は煙草の吸い殻のDNAのみ。三浦は検察の証拠構造を検証する。
▶︎ 連載第130回
捜査機関が作成した多くの書類。「検視調書」には被害者の遺体写真も……。
▶︎ 連載第131回
真犯人への手がかりは? 志鶴は「司法解剖に関する鑑定書」に目を通す。
▶︎ 連載第132回
公判前整理手続期日。起訴を取り下げるべきだ──都築の声が法廷に響く。
▶︎ 連載第133回
日本の刑事裁判は中世の魔女裁判と変わらない! 都築の怒りは収まらない。
▶︎ 連載第134回
白熱する法廷。検察寄りの裁判長・能城に対し、都築もまた一歩も退かない。
▶︎ 連載第135回
取調べ録画映像の証拠調べだけは阻止したい──都築は事前にそう語っていた。
▶︎ 連載第136回
緊迫の法廷で余裕の表情を浮かべる検察官たち。志鶴の両肩は怒りにこわばる。

▶︎ 連載第137回
会議室で志鶴は説く──増山が無罪であるストーリーを裁判員に示さなければ。
▶︎ 連載第138回
真犯人Xをあぶり出す有力な目撃証言。志鶴はその追跡を開始する。
▶︎ 連載第139回
タクシー運転手には、警察の事情聴取で話していないことがあった──。
▶︎ 連載第140回
志鶴は都築に「23条照会」を提案。さらなる証拠を求めて追跡はつづく。
▶︎ 連載第141回
ねばり強い追跡で収穫を得た志鶴。そして都築にも大きな収穫が……。
▶︎ 連載第142回
4回目の公判前整理手続期日。都築は裁判長の能代と火花を散らす。
▶︎ 連載第143回
裁判員裁判での「争点の整理」について、都築と志鶴は一歩も譲らない。
▶︎ 連載第144回
あのネオエースの所有者は──。真犯人の存在に志鶴の手は届くのか?
▶︎ 連載第145回
裁判で証言してもらえないかな──志鶴が後藤みくるに相談すると……。
▶︎ 連載第146回
第5回公判前整理手続期日。裁判長からの「証拠の採否決定」は?

▶︎ 連載第147回
増山とアクリル板越しに話す志鶴。その日は接見する相手がもう一人いた。
▶︎ 連載第148回
弁護人として初めて担当する控訴審。志鶴は逆転無罪を勝ち取れるのか?
▶︎ 連載第149回
志鶴は東京高裁の法廷に立つ。星野沙羅の控訴審がいよいよ始まる。
▶︎ 連載第150回
志鶴の証人尋問のあと、酒井夏希には検察官から執拗な反対尋問が……。
▶︎ 連載第151回
検察の反対尋問は想定の範囲内だった。志鶴は再び尋問をつづけるが……。
▶︎ 連載第152回
一月八日。東京高裁で星野沙羅への判決がついに言い渡される──。
▶︎ 連載第153回
閉廷後、騒然となる法廷。その日の夜、志鶴がパソコンで目にしたのは?
▶︎ 連載第154回
母親の実家にいる妹の杏から、志鶴に思いがけない相談が舞い込み──。

▶︎ 連載第155回
増山の公判が始まる四日前、志鶴は事務所であるテレビ番組を観ていた。
▶︎ 連載第156回
キャスターは被害者遺族に問う。もし増山被告が無罪を主張したら──?
▶︎ 連載第157回
弁護人として番組に抗議しなければ。志鶴は都築に連絡するが……。
▶︎ 連載第158回
公判が始まる前日、東京地裁には裁判員の候補者たちが集められた。
▶︎ 連載第159回
午前十時、東京地裁大法廷。増山淳彦の第一回公判がいよいよ始まる──。
▶︎ 連載第160回
被告人は証言台に──。能代の言葉で増山は法廷内の視線を一身に浴びる。
▶︎ 連載第161回
裁判の冒頭手続で無罪を主張した増山。検察側の冒頭陳述が始まった。
▶︎ 連載第162回
法壇の斜め前に立った志鶴は冒頭陳述を始める。無罪を勝ち獲るために──。
▶︎ 連載第163回
ストーリーを語れ。検察側の主張を凌駕し上書きする、力強いストーリーを!
▶︎ 連載第164回
裁判員の反応をうかがいスライドを駆使しながら、志鶴の陳述はつづく。
▶︎ 連載第165回
法廷で解決しなければならない問題が二つある──志鶴はそれを冷静に説く。
▶︎ 連載第166回
冒頭陳述を終えた志鶴。休廷をはさんで、公判は「証拠の取調べ」に入る。
▶︎ 連載第167回
翌日から行われる検察側の証人尋問を前に、田口から志鶴にある提案が……。
▶︎ 連載第168回
検察側の証人は、増山がパソコンで検索やアクセスした内容を詳細に語る。
▶︎ 連載第169回
二人目の証人が法廷に。防犯カメラの映像を証拠として調書にまとめた刑事だ。
▶︎ 連載第170回
最初の事件から五ヵ月の時点で増山をマークしていたか──志鶴は証人に切り込む。
▶︎ 連載第171回
被害者と増山の所在、映像に記録された時刻を地図に書かせる志鶴。その狙いは?
▶︎ 連載第172回
警察官ほど偽証が巧みな者はいない。再主尋問で証人は完全に息を吹き返す。
▶︎ 連載第173回
反対尋問では証人の答えを徹底的にコントロールする──志鶴は再び刑事と対峙。
▶︎ 連載第174回
防犯カメラの映像は証拠とはならない。裁判員にそれを示すことはできただろうか。
▶︎ 連載第175回
検察側の尋問に出廷した三人目の証人は、増山に最大の悪意を持っていた。
▶︎ 連載第176回
事件当夜「不審な男性」を見たという証人。志鶴は反対尋問にのぞむ。
▶︎ 連載第177回
この証人に容赦は無用だ──志鶴は検察側からの異議にも立ち向かう。
▶︎ 連載第178回
志鶴は、警察官調書の内容と証人の法廷での発言との食い違いを指摘し……。
▶︎ 連載第179回
矛盾した供述を示して証言の信用性を問う弁護側の狙いに対し、検察側は?
▶︎ 連載第180回
再反対尋問で志鶴の口から飛び出したのは、証人が暮らす住まいの隣人の名だった。
▶︎ 連載第181回
検察側の証人の信用性を問う材料を、弁護側はもうひとつ用意していた。
▶︎ 連載第182回
増山の母親への脅迫状めいた手紙が読み上げられ、法廷はざわめいている。
▶︎ 連載第183回
増山の第二回公判を終えたその日の夜、志鶴は事務所のパソコンで……。
▶︎ 連載第184回
第三回公判。法廷には検察側・弁護側それぞれの専門家証人の姿が──。
▶︎ 連載第185回
犯人は左利きと推測した法医学の専門家に、田口は反対尋問を始める。
▶︎ 連載第186回
田口は志鶴と反対尋問のリハーサルをしていた。本番でもうまくいくのか。
▶︎ 連載第187回
志鶴が弁護側の専門家証人から聞き出した内容に、傍聴席はざわめく──。
▶︎ 連載第188回
「検察官の片棒を担ぐ法医学者を許せない」南郷は志鶴にそう語っていた。
▶︎ 連載第189回
遺体に遺る爪痕と増山の爪痕は一致しない──その結論までのプロセスは?
▶︎ 連載第190回
日本の法科学、鑑定技術は諸外国に遅れている──志鶴は再々反対尋問へ。
▶︎ 連載第191回
「犯人、お前か?と冗談で言ったら……」検察側証人から生々しい証言が。
▶︎ 連載第192回
弁護側にとって、漂白剤の銘柄はDNA鑑定に次ぐ重要なポイントだった。
▶︎ 連載第193回
第三回公判も終盤。この日も『傍聴マエストロ』の記事は更新されていた。
▶︎ 連載第194回
増山が虚偽自白をした綿貫絵里香の事件で、証人尋問はさらに苛烈な攻防に──。
▶︎ 連載第195回
現場引き当たり捜査での増山の言動を、刑事は法廷で詳しく証言していく。
▶︎ 連載第196回
刑事が証言しなかった捜査の内実を、志鶴は反対尋問で引き出せるのか?
▶︎ 連載第197回
大詰めの第四回公判。捜査に当たった刑事に対し、志鶴は尋問の手を緩めない。
▶︎ 連載第198回
第五回公判が開廷した直後、志鶴は裁判長の能城にある要請をする。
▶︎ 連載第199回
尋問に先立ち、法廷ではDNA鑑定についての基礎知識が語られている。
▶︎ 連載第200回
遺伝子の特定部位に着目して調べるDNA鑑定。その根本的な原理とは──?
▶︎ 連載第201回
現場で採取された煙草の吸い殻と、増山のDNAを鑑定した担当者が証言台に。
▶︎ 連載第202回
煙草の吸い殻と増山の口腔内。二つのDNAの型鑑定を比較した結論は──?
▶︎ 連載第203回
検察側の結論を補強する「遺伝子の出現率」の存在。志鶴はどうする?
▶︎ 連載第204回
DNA型鑑定を行った遠藤に弁護側が尋問する。志鶴にはある狙いがあった。
▶︎ 連載第205回
相手の武器を逆に利用して決定的なダメージを与える──志鶴は再主尋問に立つ。
▶︎ 連載第206回
遠藤のプライドに揺さぶりをかける志鶴。弁護側は追撃の一手を用意していた。
▶︎ 連載第207回
弁護側にとって、この裁判の行方を一身に担う証人が証言台の席に着いた。
▶︎ 連載第208回
警視庁の科警研を退職した園山。DNA型鑑定には豊富な経験があった。
▶︎ 連載第209回
検察側の剱持と弁護側の園山、二人の専門家証人への「対質尋問」が始まる。
▶︎ 連載第210回
園山は指摘する──DNA型鑑定の最大の闇が剱持の言葉に露呈している、と。
▶︎ 連載第211回
逃さない──志鶴は園山から専門的な発言を引き出して剱持を追及する。
▶︎ 連載第212回
尋問を終えた検察側が、裁判長に対し二つの請求をしたそのとき──。
▶︎ 連載第213回
第六回公判。逮捕前の増山に任意の取調べを行った灰原巡査長が出廷した。
▶︎ 連載第214回
あなたは犯罪捜査規範を知っていますか──志鶴は灰原に尋問を開始する。
▶︎ 連載第215回
取調べの詳細を問われ、動揺を隠せない灰原。検察側の足並みが乱れ……。
▶︎ 連載第216回
誰が供述調書を作成し、誰が署名させたのか。志鶴は尋問の手を緩めない。
▶︎ 連載第217回
死体遺棄容疑で逮捕され取調べを受けた増山。その時の映像と音声が──。
▶︎ 連載第218回
法廷では、DNA型判定の結果を増山にぶつける取調べの映像が流される。
▶︎ 連載第219回
再生された二本の取調べ映像。志鶴は柳井係長を相手に反対尋問に立つ。
▶︎ 連載第220回
警察官の遵法意識が高ければ──。自白をめぐる志鶴と柳井係長の心理戦。
▶︎ 連載第221回
検察庁で岩切が増山に行なった検事調べ。その録画映像が法廷に流される。
▶︎ 連載第222回
検事調べは完全に岩切のペース。増山の心は言葉巧みに揺さぶられ……。
▶︎ 連載第223回
二回目の検事調べ──。増山はここで綿貫絵里香殺害を“自供”してしまう。
▶︎ 連載第224回
絵里香さんをどうやって殺した? 凶器は? 問われた増山は……。
▶︎ 連載第225回
公判もいよいよ大詰め──。志鶴は被告人質問を前に増山と接見する。
▶︎ 連載第226回
「増山さん。最初に一番大事なことをうかがいます」志鶴は主質問に立つ。
▶︎ 連載第227回
まさか逮捕されるとは思わなかった増山。逮捕後の経緯を志鶴は引き出す。
▶︎ 連載第228回
「性的な空想を抱いていたんじゃないですか?」反対質問に増山は……。
▶︎ 連載第229回
「これじゃ取調べと一緒じゃん」反対質問に増山は感情を抑えられない。
▶︎ 連載第230回
被害者参加制度による被告人への質問。証言席に姿を見せたのは──。
▶︎ 連載第231回
公判はついに最終日。法廷では検察官から「論告・求刑」が述べられる。
▶︎ 連載第232回
検察官は増山の極刑を求刑した。つづいて被害者参加人の意見陳述が……。
▶︎ 連載第233回
冤罪で突き落とされた人々の無念と悲しみ──弁護人は最終弁論に立つ。
▶︎ 連載第234回
検察官は増山の犯行を立証できたのか──志鶴は問題点を検証していく。
▶︎ 連載第235回
「では、正義とは何でしょう?」最終弁論で志鶴は裁判員に向けて問う。
▶︎ 連載第236回
増山の最終陳述のあとに意見陳述を希望した被害者参加人が、証言席に──。
▶︎ 連載第237回
「本当にあの立証で死刑を──」公判二日後、能城の発言が波紋を呼ぶ。
▶︎ 連載第238回
検察官と裁判官の「協議」に立ち会った弁護人の志鶴と田口は……。

▶︎ 連載最終回 NEW!
喪われた名誉を完全に回復することは不可能だ。それでも志鶴は──。
1969年東京都生まれ。早稲田大学卒業。2004年、『獣のごとくひそやかに』で小説家デビュー。08年『彼女の知らない彼女』で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。主な著書は、『さよなら、ベイビー』『ミリオンセラーガール』『ギャラリスト』『大神兄弟探偵社』『古書カフェすみれ屋と本のソムリエ』『天才詐欺師・夏目恭輔の善行日和』など。