激動の時代を描く三浦綾子の最新長編小説
昭和16年、思いもよらぬ治安維持法違反の容疑で竜太は、7か月の独房生活を送る。絶望の淵から立ち直った竜太に、芳子との結婚の直前、召集の赤紙が届く。入隊、そして20年8月15日、満州から朝鮮への敗走中、民兵から銃口をつきつけられる。思わぬ人物に助けられやっとの思いで祖国の土を踏む。再会した竜太と芳子の幸せな戦後に、あの黒い影が消えるのはいつ……過酷な運命に翻弄されながらも人間らしく生き抜く竜太のドラマ。
「ドラえもん」を美味しく読むスペシャルメニュー
"国民的コミック『ドラえもん』を、より美味しく味わって読むための""なるほどメニュー""の数々。ドラえもん通に、腕によりをかけておおくりしよう。連載開始のうら話、タイムマシンの変遷、のび太としずかの愛の成長記録、ジャイアンとジャイ子の兄妹愛…など。30年におよぶ連載史から、知っているようでいて案外知らない事実を通して、藤子・F・不二雄の心優しい、果てしない夢の世界へご案内しよう。"
人間の本質に迫る三浦文学の最高傑作
昭和元年、北森竜太は、北海道旭川の小学4年生。父親が病気のため納豆売りをする転校生中原芳子に対する担任坂部先生の温かい言葉に心打たれ、竜太は、教師になることを決意する。竜太の家は祖父の代からの質屋。日中戦争が始まった昭和12年、竜太は望んで炭鉱の町の小学校へ赴任する。生徒をいつくしみ、芳子との幸せな愛をはぐくみながら理想に燃える二人の背後に、無気味な足音……それは過酷な運命の序曲だった。
音楽活動の伴走者が身近に見た等身大尾崎豊
26歳で急逝した尾崎豊。1992年にロック・ミュージシャン尾崎が逝ってからかなりの時がたつが、若者が抱く苦悩や痛みをストレートに表現した名曲の数々はいまなお熱烈な支持を集め、また多くのアーティスト達からもリスペクトされ続けている。音楽プロデューサー須藤晃は、『反逆する十代の旗手』として、カリスマ的存在となった尾崎の才能を見いだし、育てた人物。アーティスト尾崎豊に、もっとも影響を与えた須藤晃が、尾崎との出会い、レコーディング秘話、知られざる素顔など、貴重な10年の歳月を克明に綴る。
日本人の「わ」の精神のルーツはここにあった
「卑弥呼は天照大神だった!」日本史の常識を覆す大胆な推理で知的興奮を喚起したあのベストセラー初の文庫化。本書では、日本史の総点検をめざす著者の問題意識を読者に投げかけることから始まる。従来の歴史アカデミズムには大きな欠陥があると著者は説く。史料、記録だけが歴史ではない。人間が人間として生きていた時代を今に甦らせるために今必要なことは人々の自由な発想、想像力であると。解説・藤岡信勝。