小川 哲

小川 哲さん
 文庫版が刊行されたばかりの『ゲームの王国』は、カンボジアが舞台だった。上巻はフランスから完全独立後の一九五六年より始まる、同国の血なまぐさい現代史をベースにしたリアリズム小説だが、下巻では一気に二
思い出の味 ◈ 小川 哲
 妹とよく、母が作っていたトーストの話をする。僕の家では毎日の朝食はトーストと決まっていて、八枚切りの食パンに、塗られるものが毎朝変わるシステムだった。バター、ママレード、イチゴジャム、ピーナッツバタ