直島 翔

直島 翔『恋する検事はわきまえない
龍之介を心の支えにしたのだが 芥川龍之介は「或る」に特別な思いを持っていたのではないか。わが家の本棚にある全集を開くたびに思う。物語をどう書き始めるかである。〈或日の事でございます〉「蜘蛛の糸」、〈或春の日暮です〉「杜子春」、〈或曇った冬の日暮である〉「蜜柑」……と、短編小説の歴史を築いた作家は「或る」を多用している。
『恋する検事はわきまえない』刊行記念対談 ◆ 直島 翔 × 村木厚子
 第三回警察小説大賞受賞作『転がる検事に苔むさず』でデビューをはたした直島翔氏による第二作が2月24日に刊行される。題名は『恋する検事はわきまえない』、前作で活躍した検事たちのうち、とりわけ女性検事に光をあてた連作短編集である。現役新聞記者でもある直島氏と、元厚生労働事務次官にして、無実の罪で誤認逮捕・勾留された経験を
 選考委員の満場一致で第三回警察小説大賞を受賞した直島翔の『転がる検事に苔むさず』は警察小説ならぬ「検察小説」である。当該ジャンルの先達といえば、柚月裕子の名が挙がる。大藪春彦賞受賞作『検事の本懐』を含む〈佐方貞人シリーズ〉において検事を主人公にしたミステリーを書き継いできた。検察は、警察や弁護士と比べ、圧倒的に秘され
直島 翔『転がる検事に苔むさず』
自己都合的な仮説「読めれば書ける」は本当か 本の話です。かれこれ三十数年前、東京で学問に身の入らない大学生をしていたころ、図書館で挫折を味わったことがあります。