警視庁レッドリスト

レッドリスト
◎編集者コラム◎  加藤実秋さんの小説『メゾン・ド・ポリス』のドラマが昨年1月にはじまった裏で、次の作品も映像化すべく密談を行っていた。  文房具探偵、科学系時代小説などの案もあったが、腹をくくって警
 2  天井のスピーカーから、午後五時を告げるチャイムが流れた。みひろは抱えていた段ボール箱を別の段ボール箱の上に載せた。息をついて手の埃(ほこり)を払い、室内を見回す。  今朝「今後のことは、また知
   1 「電話を切って部屋に戻って下さい。五分後に人が来ます」  機械的にゆっくりと、中森翼(なかもりつばさ)は告げた。阿久津慎(あくつしん)は訊(たず)ねた。 「どういう意味だ?」 「すみません。
    14 「どういうことですか!?」  声を上げ、みひろが席を立つと豆田は眉を寄せて背中を向けた。その前に回り込み、みひろはさらに訊ねた。 「室長に何があったんですか? 教えて下さい」 「僕にも、
 12  足を止め、みひろはアパートを見上げた。周囲は薄暗く、二階の左から二番目の窓には明かりが点っていた。   建物の脇の階段を上がり、等間隔でドアが並んだ通路を進んだ。目当てのドアの前で足を止め、
   9(承前)  頭を切り替え、慎はみひろに向き直って答えた。 「無論、よりよい職場環境づくりのための聞き取り調査です。三雲さんこそ、なぜここに?」 「戻って来たら車があるのに室長がいないから、心配
■連載小説■ 加藤実秋「警視庁レッドリスト」
 5(承前)  ママに案内され、本橋はカウンターのみひろの隣に座った。 「突然すみません。監察係の本橋です。独身寮に行ったら、隣の部屋の人が三雲さんは多分ここだって教えてくれたので」 「そうですか。