食と酒 吉村昭の流儀

◇自著を語る◇ 谷口桂子 『食と酒 吉村昭の流儀』
奇跡のような夫婦の軌跡  思いがけないきっかけから、一冊の本が生まれることがある。私が吉村昭さんに関する本を書くことになったのは、吉村さんの恩師である丹羽文雄の名前を冠した文学賞を、郷里の三重県四日市市に提案したことに端を発する。渡辺淳一さんに賛同人になっていただいたにもかかわらず、それは泥沼の紛争と化し、嘘はつかない