俺達の日常にはバッセンが足りない

今月のイチオシ本【エンタメ小説】
 あれは、どういう流れだったのか。いい感じでお酒が回った仲間たちと、バッティングセンターに行ったことがある。総勢何人で行ったのか、誰がいたのか、全員の顔まではもう思い出せないのだけど、空振りしては笑い、球がかすっては笑い、ととにかく楽しかった記憶しかない。夜が深い、猥雑な歌舞伎町のなか、あのバッティングセンターだけは、