インタビュー

深緑野分さん『スタッフロール』
一生懸命働いた人のクレジットがないという問題は気になっていました 読み進めるうちに、名作映画の数々を観返したくなってくる。深緑野分さんの新作長篇『スタッフロール』は、映画愛にあふれる一作だ。80年代のハリウッドで活躍した特殊造形師と、現代のロンドンで働くCGクリエイター。映像に夢を託した2人の女性の情熱と葛藤、不思議な
著者の窓 第15回 ◈ 東山彰良『怪物』
 東山彰良さんの新作『怪物』(新潮社)は、日本・台湾・中国を舞台にした圧倒的スケールのエンターテインメント。出版社の女性社員との不倫関係に陥った、台湾出身の作家・柏山康平。彼の叔父で、台湾から大躍進政策時代の中国に飛行した王康平。二〇一六年と一九六二年、ふたつの物語は柏山の書いた小説『怪物』において重なり合います。愛と
ゲスト/飯間浩明さん◇書店員が気になった本!の著者と本のテーマについて語りまくって日々のモヤモヤを解きほぐしながらこれからの生き方と社会について考える対談◇第12回
 ビジネスの場で、プライベートで、メールのやり取りで……〝正しい〟言葉遣いをしなければと悩むあまり、本来相手に伝えたかったことが正確に伝えられなかった経験はありませんか? 日本語に不安や怖さを感じている人も多いけれど、「言葉は○×ではない」と言うのは〝言葉ハンター〟として現代語の用例を採集し続けている飯間浩明さん。もっ
源流の人 第21回 ◇ 吉藤オリィ (株式会社オリィ研究所共同創設者代表取締役所長/ロボットコミュニケーター)
「孤独を解消すること」を命題に分身ロボット開発に没頭した日々 少年時代の苦い記憶を経て知った今を肯定しながら生きる尊さ 「生かされている」を「生きる」へ──テクノロジーで社会参加の可能性を広げる「黒い白衣」の開拓者は、空間を超えて人々を繫いでいく。東京・日本橋。昭和通りの交差点に面するカフェを訪ねた。「分身ロボットカフ
朝比奈あすか『ななみの海』
いい大人になりたい 『憂鬱なハスビーン』で第四九回群像新人文学賞を受賞しデビューした朝比奈あすかは、大人たちの「憂鬱」をなまなましく活写する作風で知られてきた。近年は現代社会をサバイブする子どもたちの「葛藤」を描く物語が増えている。最新作『ななみの海』も子どもが主人公の物語だが……まぎれもなく大人たちの物語だった。
葉真中 顕さん『ロング・アフタヌーン』
属性が違うから分からない、と片づけたくはないんです 一度も顔を合わせたことのない女性二人が、フィクションを通して共犯関係となっていく。葉真中顕さんの『ロング・アフタヌーン』は、現代女性への抑圧と、フィクションを書く/読むというテーマが浮かび上がる長篇。ミステリアスなシスターフッドの物語を書いた背景にはどういう思いがあっ
石田夏穂『我が友、スミス』
生きてるだけでユーモラス 第四五回すばる文学賞佳作を受賞し、第一六六回芥川賞候補にも選ばれた石田夏穂のデビュー作『我が友、スミス』は、ボディ・ビルにハマった会社員女性の物語だ。純文学は時に「シリアス・ノベル」と呼ばれることがある。が、本作は少し様相が異なる。シリアスさはもちろんあるのだが、そこにユーモアも見事に共存して
ゲスト/西 加奈子さん◇書店員が気になった本!の著者と本のテーマについて語りまくって日々のモヤモヤを解きほぐしながらこれからの生き方と社会について考える対談◇第11回
 生活保護の受給者がバッシングを受け、過重労働ややりがい搾取などの弊害が噴出している今、貧困や格差は深刻な社会問題だ。フェミニズムが盛り上がる中で、〝強くあらねばならない〟という呪縛にとらわれた男性たちの多くも生きづらさを抱えている。弱者が弱者のままで、当然の権利として助けを求めながら生きるにはどうしたらいいのか──。
森本萌乃さん「私の本」
本と人、人と人とのマッチングサービス「Chapters」を運営する森本萌乃さん。最終回は、個人的に人に薦めたい本、そして何度かの引っ越しを経ても、人生に寄り添い続けてくれた大事な本についてお話ししてくださいました。
森本萌乃さん「私の本」
本を通じて、人と人との出会いを提供するオンラインサービス「Chapters」が注目を集めています。その運営者・森本萌乃さんの「本と私」第2弾。今回は、幼い頃から大学時代まで、本とどのように関わってきたかを語っていただきました。「難しい本、美しい日本語の本を読めたことが、大人への入り口になった」──。
森本萌乃さん「私の本」
1冊の本をきっかけとしてロマンチックな出会いを演出するマッチングサービス『Chapters(チャプターズ)』。そのサービスを運営する株式会社MISSION ROMANTICの設立者・森本萌乃さんに、今回は「私の本」について伺いました。起業する際に、本に託した思いとは。
ゲスト/東畑開人さん◇書店員が気になった本!の著者と本のテーマについて語りまくって日々のモヤモヤを解きほぐしながらこれからの生き方と社会について考える対談◇第10回
 誰もが〝生きづらさ〟を抱える今、心の問題をジャンル分けし、自分の取説を見つけるのがブームになっている。ひと昔前に比べると、「私ってなんだろう」と時間をかけて考える人も減っているようだ。傷つきやすく、実体をとらえることが難しい私たちの〝心〟は現在、「消滅の危機にさらされている」と東畑開人さんは言う。自分を大切にするため
東山彰良『怪物』
「愛と自由」の物語 台湾を舞台にした青春ミステリー『流』で二〇一五年に第一五三回直木賞を受賞した東山彰良が、まもなくデビュー二〇周年を迎える。最新長編『怪物』は、日本に暮らす小説家の現実が自作小説によってじわじわ侵食される様子を綴りながら、戦後アジアの歴史をも浮かび上がらせる。二〇年の蓄積があったからこそ飛び立つことが
著者の窓 第14回 ◈ 谷川俊太郎『モーツァルトを聴く人』
 一九九五年に刊行された谷川俊太郎さんの詩集『モーツァルトを聴く人』が、装いも新たに文庫化されました。文庫には『モーツァルトを聴く人』全篇が収録されているほか、音楽とモーツァルトにちなんだ詩二十三篇に書き下ろし一篇を加えた選詩集「音楽ふたたび」、堀内誠一さんとの共作で未刊行の絵本「ピアノのすきなおうさま」をオールカラー
藤谷 治さん『ニコデモ』
小説というのはある意味、歴史とは逆の表現形式だ 藤谷治さんの新作『ニコデモ』は、戦時中にフランスに留学していた青年と、北海道の開拓民となった家族の数奇な運命の物語。意外にも出発点は、「ファミリーヒストリーを書かないか」という依頼だったとか。さて、その経緯とは? 一人の男と、とある家族の不思議な縁 藤谷治さんの新作『ニコ
源流の人 第20回 ◇ 田口幹人 (合同会社 未来読書研究所 代表)
書店に生まれ、書店と共に生き続け絶望も乗り越えて「書店員の星」に まだ見ぬ一冊が拓く新たな人生の扉、次世代へ繋ぐために東奔西走は続く たった一冊から取次可能。流通の常識を覆す試みで、元書店員は本との出合いの場を広げてゆく。 一冊の本は、読む者を新たな世界へと繋ぐ扉だ──。その信念のもと、本と向き合い続ける人物と出会った言葉と真正面から向き合い磨き上げ、人物の活きる演劇空間を紡ぐ劇作家 物語は運命に翻弄され流転しながらそれでも光の射す方へと観衆を導く 芝居、ミュージカル、テレビドラマ。気鋭の脚本家は舞台の枠を超えて等身大の「人間」を描き出す。 この人の紡ぐ台詞は、一言たりとも聞き逃したくない──。劇場通いを日課とする筆者が敬愛する、気
南原 詠さん『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』
ふと、ここに好き勝手に物語を書いてみたいなと思ったんです 第20回を迎えた『このミステリーがすごい!』大賞。昨年大賞を受賞したのは、現役弁理士の南原詠さんだ。自身と同じ職業、しかしまったく異なるキャラクターを主人公とした『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』は、特許権侵害をめぐる難題に挑む女性の奮闘を描く一作である。
 安倍政権時代、菅官房長官への鋭い質問で注目を集めた東京新聞記者・望月衣塑子さん。昨年十月に刊行された著書『報道現場』(角川新書)は、コロナ禍以降さまざまな変化にさらされている報道の現場のリアルを、日本学術会議への人事介入や入管問題などのトピックを交えながら綴ったノンフィクションです。変わりゆく時代、報道はどうあるべき