インタビュー

著者の窓 第9回 ◈ くどうれいん『氷柱の声』
 エッセイ集『うたうおばけ』、歌集『水中で口笛』などが話題の作家・くどうれいんさんが、初の小説『氷柱の声』(講談社)を発表しました。東日本大震災発生時、盛岡の高校生だった主人公・伊智花の目を通して、人びとの経験や思いを紡いだ連作小説です。震災報道では触れられることのない、さまざまな葛藤や悩み、苦しみ。語れないと思ってい
川越宗一さん
架空のキャラクターであっても〝自分の人生を生きてほしい〟 江戸時代、東シナ海では各国から集まった海賊たちが幅を利かせていた。そこから登場したのは、あの英雄─。川越宗一さんの新作『海神の子』は、台湾鄭氏の祖である鄭成功の生涯を、架空の人物も交えてダイナミックに描く長篇小説。実は最初に興味を引かれたのは、彼ではなく、彼の母
源流の人 第15回 ◇ 平林 景 (一般社団法人日本障がい者ファッション協会 代表理事)
パラ・ファッションだからこそかっこよく。自らスカートの裾を翻し目指すパリコレで、ランウェイの先に見ている地平とは。 一枚の巻きスカートをまとい、揺るぎない眼差しで立つ。そんな男性の姿をとらえた写真が、ここ最近、メディアを駆けめぐっている。黒を基調としたロングの巻きスカートには、「無限の空間」を主題にしたという、ほの青く
織守きょうや『花束は毒』
「酷さ」というフロンティア 第二二回日本ホラー小説大賞読者賞受賞作から始まる『記憶屋』シリーズでブレイクした織守きょうやは、「泣けるホラー」の書き手として知られている。一方で、現役弁護士という職能を活かしたリーガルミステリーも書き継いできた。最新長編『花束は毒』は、探偵が活躍する本格ミステリーであり、そして……過去最大言葉と出合う、世界を広げる 直木賞をはじめ各種文学賞へのノミネートが続く芦沢央が、最新短編集『神の悪手』で初めて将棋を題材に採った。ミステリーとしての驚きに満ちた全五編は、登場する棋士たちの内面に、作家である自身の心情や実体験が重ね合わされている。自他共に認める特別な一冊だ。
ゲスト/田房永子さん◇書店員が気になった本!の著者と本のテーマについて語りまくって日々のモヤモヤを解きほぐしながらこれからの生き方と社会について考える対談◇第4回
 高度成長期にあったような「男は外で働き、女は家を守る」という考えは、もはや時代に合わなくなりつつある。女性の社会進出が進み、今では妻が夫よりも稼いでいる家庭も珍しくはない。けれども、洗脳のようにあり続ける「女が家事や育児をするべき」というマインドは一体なんなのだろうか。実母からの過干渉に苦しんだ自身の経験をつづり、『毒親』ブームの火付け役ともなった漫画家の田房永子さんに、親や配偶者からの「呪縛」を解くヒントをお聞きしました。
特別インタビュー ◇ 渡辺優さん『アヤとあや』
 2015年に『ラメルノエリキサ』で小説すばる新人賞を受賞して以来、意欲的に作品を発表している渡辺優さん。新作『アヤとあや』は、はじめて思春期以前の少女を主人公にした長編だ。誇り高く生きる11歳の少女に訪れた自我の揺らぎを描く本作は、これまででいちばん悩み、改稿を重ねた小説だったという。
白石一文さん『ファウンテンブルーの魔人たち』
女と男は一度、本気で戦う必要があるのかもしれない。 単行本で600ページ超の大作『ファウンテンブルーの魔人たち』について、まったく展開を決めずに自由に書いたという白石一文さん。だが、書き進めるうちに、自身の中にあった問題意識が鮮明になっていったという。それは男と女、そしてセックスに対する違和感で──。
『星の王子さま』の著者サン=テグジュペリの半生を描いた佐藤賢一さんの長編『最終飛行』(文藝春秋)が話題を呼んでいます。第二次世界大戦中、人気作家だったサン=テグジュペリは四十代になって自ら志願して危険な戦場に戻り、偵察飛行中に命を落とします。彼を大空に駆り立てたものは何だったのか。激動の時代に翻弄されながら、理想と愛に
源流の人 第14回 ◇ 長谷川耕造 (株式会社グローバルダイニング 代表取締役社長)
若き日の欧州生活で得た国際感覚。数々のエンターテインメントレストランの創出者は、危機に瀕した日本の外食産業を救おうと闘っている。例年より遅く関東甲信地方の梅雨入りが発表された、その日の、宵のくち。東京・道玄坂上にある和食レストラン「権八 渋谷」を訪ねた。「大人の蕎麦屋」と銘打つこの店は、
ゲスト/山崎ナオコーラさん◇書店員が気になった本!の著者と本のテーマについて語りまくって日々のモヤモヤを解きほぐしながらこれからの生き方と社会について考える対談◇第3回
「時短」が時代のキーワードとなった今、私たちは家事を効率的に片付けることを目指せば本当に豊かな生活を送れるようになるのか。一家の経済を支えるために働きながら二児を育て、家事の大半を担っている山崎ナオコーラさんと、「家事」を通してこれからの人間らしい生き方を模索しました。
芦沢 央『神の悪手』
言葉と出合う、世界を広げる 直木賞をはじめ各種文学賞へのノミネートが続く芦沢央が、最新短編集『神の悪手』で初めて将棋を題材に採った。ミステリーとしての驚きに満ちた全五編は、登場する棋士たちの内面に、作家である自身の心情や実体験が重ね合わされている。自他共に認める特別な一冊だ。
著者の窓 第7回 ◈ 砂原浩太朗『高瀬庄左衛門御留書』
 二〇二一年一月の刊行以来、各紙誌で本読みのプロたちに絶賛されている砂原浩太朗さんの時代小説『高瀬庄左衛門御留書』(講談社)。デビュー二作目にして、早くも山本周五郎賞・直木賞にノミネートされた注目作です。五十歳を前に妻と息子を失い、亡き息子の嫁・志穂に絵を教えながらつましい生活を送る下級武士・高瀬庄左衛門。しかし藩を
米澤穂信さん
英雄と英雄が戦う話よりも、当時の世界で必死に生き抜いた人の姿が好きでした なんと、米澤穂信さんが歴史小説を上梓。これまでにも中世ヨーロッパを舞台にした『折れた竜骨』などを発表してきたとはいえ、新作『黒牢城』は荒木村重と黒田官兵衛という、戦国時代に実在した人物が登場する。しかし読めば、これは実に米澤さんらしい本格ミステリ
源流の人 第13回 ◇ 森岡督行 (「森岡書店」店主)
国内外を問わず注目を集めるオルタナティブ書店の先導者は、未曽有の事態の中、新たな仕事を紡ぎ出す。東京・銀座一丁目。華やかな彩りをまとう大通りから入った閑静な一角に、世界でも唯一無二の書店がある。店の名は「森岡書店」。一九二九(昭和四)年に建てられたクラシックなビルの一階の、白を基調とした、シンプルでモダンな空間だ。
ゲスト/メレ山メレ子◇書店員が気になった本!の著者と本のテーマについて語りまくって日々のモヤモヤを解きほぐしながらこれからの生き方と社会について考える対談◇第2回
 人生100年時代を迎え、中年でも恋をすることが当たり前になった。ひと昔前には、映画や漫画の中に存在していた〝恋愛のサンプル〟が消滅した今、惹かれ合う人間同士はどのように関係を築いていけばいいのか。結婚や出産を目指さないならば、何をゴールにすればいいのか──。文筆業を始めマルチに活動するメレ山メレ子さんをゲストに、これ
真藤順丈『われらの世紀 真藤順丈作品集』
小説の噓と真実 戦後の沖縄を舞台にした青春群像小説『宝島』で第一六〇回直木賞受賞の栄誉に輝いた真藤順丈が、同作刊行から丸三年のインターバルを経てついに受賞後第一作『われらの世紀』を世に送り出した。「真藤順丈作品集」という副題からも明らかだが、長編を主戦場としてきた作家にとってキャリア初となる独立短編集だ。
著者の窓 第6回 ◈ レ・ロマネスク TOBI 『七面鳥 山、父、子、山』
 派手なコスチュームとメイクがトレードマーク、フランスをはじめ世界各国で人気を誇る個性派音楽ユニット「レ・ロマネスク」。メインボーカルのTOBIさんは、テレビ番組『仮面ライダーセイバー』に出演するなど、近年ますます活動の幅を拡げています。三月に刊行された『七面鳥 山、父、子、山』(リトルモア)は、広島県の小さな町で生ま
朝倉かすみさん『にぎやかな落日』
書きながら、母と同じ体験をしたような気持ちになりました 北海道で一人暮らす83歳のおもちさん。そのにぎやかな日常と生活の大きな変化を描く朝倉かすみさんの新作『にぎやかな落日』。おもちさんのモデルは、朝倉さんの母親だという。親の心の中を丁寧に描き出したのは、背景にどのような心境があったのだろう。