編集者コラム

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◎編集者コラム◎ 『旅だから出逢えた言葉 Ⅲ』伊集院静
 どうやら、このシリーズを編集している時は、不測の事態が起こるようです。思い起こせば、1年半前、『旅だから出逢えた言葉Ⅱ』を編集していた時はまさにコロナ禍まっただなかで、タレントで作家の加藤シゲアキさんからいただいた解説文から、「(前略)コロナ禍で旅にいくこともままなりません。伊集院さんはどうお考えですか」しかし、よく
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 一流百貨店の外商部を舞台にした人気のお仕事小説シリーズ『上流階級』も、はや四巻目! ちょっと三巻分の主人公・鮫島静緒を振り返ってみますと! 一巻目で静緒は、パティスリーのバイトから一流百貨店外商部の正社員となって芦屋の個性的なセレブたちを相手に月に1500万円ノルマ達成に奮闘し、大嫌いな同僚の桝家修平(ゲイ)と同居す
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◎編集者コラム◎ 『教場X 刑事指導官・風間公親』長岡弘樹
「信長さま─―!!」沿道からの黄色い声援に、引き締まった表情で応える木村拓哉さん。木村さんが織田信長役を務め、騎馬武者行列が行われた「ぎふ信長まつり」には当日、過去最多の約46万人が訪れたとニュースやワイドショーで繰り返し紹介されていました。木村さんの揺るぎなく高い人気を目の当たりにし、私は気持ちを引き締めたのでした。
◎編集者コラム◎ 『姉川忠義 北近江合戦心得〈一〉』井原忠政
 戦国時代小説に新しい風が吹いている。言わずと知れた「三河雑兵心得」シリーズ(双葉文庫)だ。先ほど刊行された最新刊『馬廻役仁義』を合わせた発行部数は累計、なんと75万部。驚嘆すべきは部数だけではない。これまで、これほど生き生きと、かつリアルに、百姓から身を起こし、戦国時代を懸命に生き抜く人物像を描いた作品があっただろう
◎編集者コラム◎ 『ラインマーカーズ』穂村弘
 2003年に初版が刊行された、人気歌人・穂村弘のベスト版歌集『ラインマーカーズ』が遂に!というか、待望の!というか、満を持して!というか、文庫化されました。 穂村弘さんの文庫は、小学館文庫だけでも4冊の既刊があり、そのすべてに重版がかかっています。この『ラインマーカーズ』の文庫化を待っていたファンの方も多いのではない
◎編集者コラム◎ 『メイド・イン・オキュパイド・ジャパン』小坂一也
 かつて一世を風靡した歌手「小坂一也」と聞いても戦後すぐ生まれの高齢者以外には馴染みのない名前かもしれません。でも1950年代の終わりから90年代にかけては俳優としても活躍しましたから、その甘いマスクをご存じの若い読者も少なくないはず。まず、彼のプロフィールをご紹介しましょう。小坂一也(こさか・かずや) 1935(昭和
◎編集者コラム◎ 『書くインタビュー 5』佐藤正午
 佐藤正午さんの『書くインタビュー5』が発売されました。この一文、念のためひとつひとつ説明します。まず【佐藤正午さん】。念のためです、小説家の名前です。まもなく公開をむかえる映画『月の満ち欠け』の原作者で、2017年にはこの小説『月の満ち欠け』(岩波書店)で直木賞を受賞しています。次に【書くインタビュー5】。この本のタ
◎編集者コラム◎ 『バタフライ・エフェクト T県警警務部事件課』松嶋智左
 勤め人の引き際、ということを考えることがあります。いずれ来る退職の日までに、何を成せるのか、何を残せるのか。松嶋智左さんにお会いしたときに、お伺いしたのは、「警察官の引き際って、どんな感じなんですかね」ということでした。松嶋智左さんは、元警察官で、日本初の女性白バイ隊員でもあります。現在、警察小説を中心に作品を精力的に
◎編集者コラム◎ 『タスキメシ 箱根』額賀澪
 2019年~2020年、変わりゆく東京五輪マラソンの情報の中で、何度「ぎゃーーー!」と叫んだことでしょうか。この『タスキメシ 箱根』は、未曾有のコロナ禍に振り回された、まさに「TOKYO2020の悲劇」と名付けたい小説かと思います。単行本をお持ちの方はご存知かと思いますが、この本は、ベストセラー小説『タスキメシ』の続
◎編集者コラム◎ 『WIN』ハーラン・コーベン 訳/田口俊樹
『偽りの銃弾』『ランナウェイ』『森から来た少年』と、近年の3作品を小学館文庫からご紹介してきたハーラン・コーベン。過去33作がNYタイムズのベストセラーリストの1位になり、世界中で45言語・7500万部以上が刊行され、近年はNetflixとのコラボレーションで自身の過去作品群の映像化制作も手がけている、アメリカきっての
◎編集者コラム◎ 『超短編! ラブストーリー大どんでん返し』森晶麿
「僕は死にましぇん!」ではないけれど、昨今は、いっそ派手なまでの恋愛表現というものをめっきり見かけなくなったように思います。そもそも恋愛しない若者も増えているというし、エンタメとしての恋愛ものは今どこに!? そんなエアポケットに生まれ落ちたのが本作、『超短編! ラブストーリー大どんでん返し』なのです。現在9万部のロング
◎編集者コラム◎ 『お龍のいない夜』風野真知雄
「龍さんを斬らはるつもりどすか?」そんなことしたら、あんたの頭にペストルで穴空けてやる。一つやない。指の二本も入るような穴を、三つも四つもな。うちはやると言ったらやる女やで。なんとも物騒な台詞ですが、日本を変えた風雲児・坂本龍馬の妻・お龍(りょう)が、龍馬が襲撃される寺田屋事件が起こる日に、新撰組の近藤勇に会ったときに
◎編集者コラム◎ 『1795』ニクラス・ナット・オ・ダーグ 訳/ヘレンハルメ美穂
心地よい疲労感と別れの寂しさ。歴史ミステリー三部作の完結篇『1795』の編集を終えたときの心境を表すのに、これほどぴったりの言葉はありません。シリーズ第1弾『1793』(単行本版)の編集を本格的にはじめたのが2019年の冬の終わり。その年の6月に刊行し、それから3年をおいて今年7月に『1793』を文庫化、続いて第2弾『
◎編集者コラム◎ 『銀座「四宝堂」文房具店』上田健次
『銀座「四宝堂」文房具店』の編集者コラムをご覧いただき、ありがとうございます。本作の編集業務を担当させていただきましたA田と申します。読んで字のごとく、本作は銀座のとある文房具店を舞台にした物語となっています。前作『テッパン』のご執筆後、「次はどんな作品を作りましょうか」と著者の上田健次先生と話していたところ、「読書が
◎編集者コラム◎ 『海が見える家 旅立ち』はらだみずき
『海が見える家』のコラムを書く機会も、ありがたいことに四度目となりました。思い返せば、はらだみずきさんに、日常に根ざしたサーフィン小説を書いてほしいと依頼したことから、このシリーズがはじまりました。詳細はこちらをご覧ください。そして、前作『海が見える家 逆風』では、主人公の文哉が最後に重大な決心をしました。その想いを伝
◎編集者コラム◎ 『湖上の空』今村翔吾
〝47都道府県まわりきるまで帰りません〟というキャッチフレーズを掲げ、全国の書店、学校、社会福祉施設などを訪問する「今村翔吾のまつり旅」が、先日フィナーレを迎えました。ゴール地点は今村さんの第二の故郷という山形県新庄市。当日行われたイベントには、地元の皆さんはもちろん、遠方から訪れるファンやマスコミ、我々担当編集者らが
◎編集者コラム◎ 『旅ドロップ』江國香織
2019年に刊行されて版を重ねた単行本が待望の文庫になりました。JR九州の旅の情報誌「Please」に連載された短いけれど珠玉のエッセイ36篇に加えて、若い女の子二人のフランスからアフリカへの〈鉄道での旅〉を描いた「トーマス・クックとドモドッソラ」という名篇、さらには単行本未収録だった〈旅をめぐる詩〉三篇を収録した宝物
◎編集者コラム◎ 『犬も食わねどチャーリーは笑う』市井点線
 香取慎吾さん主演で9月23日から公開される映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』を小説化したのがこの作品です。「夫婦って何だろう?」とさまざまな夫婦のカタチを映画のテーマに考えた市井昌秀監督が、約2年の歳月をかけて、脚本を完成させました。脚本を書き始める段階で香取さんの主演が決まり、市井監督は、「平凡な日常を生きる香取