読みきり小説

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『コロナ』第1話読み切り
一、 青空 まっすぐな農道を疾走していた救急車が、ふいに速度を落とし始めた。 後部座席に座っていた敷島寛治は、わずかに前のめりになりかけて、慌てて壁の手すりに手を伸ばした。ほとんど同時に、運転席から、歯切れの良い声が飛び込んでくる。
拾う人
  「カラーッ」 「カラーーッ」 「カラーーーッ」  甲高い声と床の振動で目を覚ますと、ぼやけた視界に赤茶けた天井が染みこむように広がった。ナミブ砂漠の灼熱を思わせる赤茶。その下を、同じ顔をした三人の