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『パパイヤ・ ママイヤ』刊行記念SPECIALレビュー
評者=町田 康(作家) 息が詰まるような美しさと悲しみ 生きているといろんなことを見聞きし、その都度、いろんなことを感じ、また思うものであるが、そしてそれは嬉しかったり悲しかったりするが、人間というのは因果なもので、その際、これを自分の胸の内、腹の内に留めて自分だけのものとすることができず、これを他に露呈して、他と分か
『人面島』刊行記念対談 ◆ 谷原章介 × 中山七里
ミステリーが炙りだす善と悪 傷が人の顔のようになり、意思を持って喋りだす―それが人面瘡である。妖怪や怪異の一種だが、本作では「ジンさん」と名付けられ宿主・三津木六兵と共に金田一耕助よろしく殺人事件の謎に挑む。数ある中山作品の中でも異色のシリーズだ。文庫化で話題の『人面瘡探偵』に続く『人面島』発売を記念して、中山七里フ
『六人の噓つきな大学生』浅倉秋成/著▷「2022年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR
「私の固定観念をぶんなぐるような物語、読ませてほしいです」これは『六人の嘘つきな大学生』の企画を始める際に、著者の浅倉秋成さんに私がお願いしたことです。2019年に刊行された『教室が、ひとりになるまで』が、ミステリ界で話題となった浅倉さん。『教室~』は異能力が出てくる特殊設定ミステリであり、“伏線の狙撃手”という異名も
『夜が明ける』西 加奈子/著▷「2022年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR
 3年前、私は数ヶ月、会社を休ませてもらいました。家庭も仕事も子育てにも行き詰まり、自分自身を見失っていた私を見かねた周りの人々に休息をとることをすすめられ、私自身少しでも現状を変えられるならと休みましたが、いざ休んだら今度は自室からまるで出られなくなりました。『夜が明ける』で主人公の「俺」が陥った状況と同じで、恐ろし
『星を掬う』町田そのこ/著▷「2022年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR
 昨年、町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』が本屋大賞1位を獲得したと聞いた時は、言葉通り心と体が跳ねました。ですが、それは30分後にはプレッシャーへ変わっていました。実は、『星を掬う』の第一稿をいただいたのは、大賞受賞前。その原稿を読んでの感想は「悪くない」でした。『52ヘルツのクジラたち』と同じぐらい、面白か
『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬/著▷「2022年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR
 昨年8月。アガサ・クリスティー賞で史上初、全選考委員が満点をつけ大賞が決まった──。そのニュースが社内をかけめぐったあとに原稿を読んだ私は、すぐさま編集担当として手を挙げました。その日から、社内のチームで一丸となり、ゲラ作業、プルーフ作成を超特急で行い、雪下まゆさんに素晴らしいイラストをいただいて発売まで漕ぎつけた本
『正欲』朝井リョウ/著▷「2022年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR
 デビューから12年、直木賞から8年。朝井リョウは、着実に進化=深化しています!「ずっと考えていた書きたかったことを、いまようやく、書くことができました」と朝井さん。『正欲』は、そんな気迫に満ちた長篇小説、作家生活10周年の記念作品です。20歳の朝井リョウさんと出会ったのは「桐島、部活やめるってよ」での小説すばる新人賞
『スモールワールズ』一穂ミチ/著▷「2022年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR
「この物語はきっと誰かの宝物になる、そう感じたのは、全国の書店員さんから寄せられた沢山の感想を読んだ時でした。この本を手に取って下さった皆様の大切な一冊になりますように」これは『スモールワールズ』の初版の帯に書いたキャッチコピーです。刊行にむけたプロモーションとして、プルーフ(簡易に製本した見本)を作り、全国の書店員さ
『残月記』小田雅久仁/著▷「2022年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR
『残月記』の著者、小田雅久仁さんと初めてお目にかかったのは2013年9月のことでした。前年に刊行された『本にだって雄と雌があります』が、小田作品との初めての出合いです。奇想天外な世界と、言葉を尽くした独自のユーモアセンスにすっかり痺れました。『本にだって~』の刊行後、各小説誌に発表された短編も目を瞠る素晴らしさで、なら
『黒牢城』米澤穂信/著▷「2022年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR
 日本の歴史上最も有名な事件であろう〈本能寺の変〉が起きる四年前、明智光秀よりも先に、織田信長に反旗を翻した戦国武将がいました。中国地方の毛利征伐を進めんとしていた織田家中屈指の勇将でありながら、突如として謀叛を起こした男の名は、荒木村重。安土城や京の都から織田軍が中国方面へと攻め込む際、重要な中継点となる摂津国伊丹の
劇団四季対談vol.3
 劇団四季で上演中のオリジナル・ミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』の出演俳優6名(ベン役の田邊真也さんと山下啓太さん、エイミー役の鳥原ゆきみさんと岡村美南さん、タング役の長野千紘さんと安田楓汰さん)による座談会の第3弾。今回は長いコロナ禍に、それぞれの「救いとなった物語」について大いに語ってくださいました。
『硝子の塔の殺人』知念実希人/著▷「2022年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR
「クラシックな山荘もののクローズドサークルで、これまでにない大きな仕掛けをした作品に挑戦しようと思うのですが……」2020年9月。知念実希人さんからのメールに、そう記されていました。当初、打合せで聞いていた雰囲気とは異なりましたが、この文面を読んだとき、鳥肌がたちました。「プロット読みますか?」と聞いて頂いたと思います
劇団四季対談vol.2
 現在、再演中の劇団四季オリジナル・ミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』。ベン役の田邊真也さんと山下啓太さん、エイミー役の鳥原ゆきみさんと岡村美南さん、タング役の長野千紘さんと安田楓汰さんの特別座談会の第2回。今回は、原作小説を読んだ時の感想と、役作りで参考になった部分などについてお聞きしました。
『赤と青とエスキース』青山美智子/著▷「2022年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR
『赤と青とエスキース』のプロットを青山美智子さんからいただいたとき、私はそこが喫茶店だったにもかかわらず、思わず泣いてしまいました。なんの涙だったのか今となっては謎ですが、それは感動によるものだけではなかったと思います。「なんだ、この話は……」という衝撃を、最初に受けました。私も大好きな青山さんのデビュー作『木曜日には
劇団四季対談vol.1
 両親を喪ってから無気力な日々を送り、妻にも出ていかれた男ベンが、庭に現れた壊れかけのロボット・タングと世界中を旅しながら人生を再生する――イギリスの作家デボラ・インストールの小説『ロボット・イン・ザ・ガーデン』(松原葉子訳、小学館文庫)が、劇団四季のオリジナル・ミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』(台本・作詞:長田育恵、演出:小山ゆうな、作曲・編曲:河野伸)として舞台化されたのは2020年10月のこと。
『恋する検事はわきまえない』刊行記念対談 ◆ 直島 翔 × 村木厚子
 第三回警察小説大賞受賞作『転がる検事に苔むさず』でデビューをはたした直島翔氏による第二作が2月24日に刊行される。題名は『恋する検事はわきまえない』、前作で活躍した検事たちのうち、とりわけ女性検事に光をあてた連作短編集である。現役新聞記者でもある直島氏と、元厚生労働事務次官にして、無実の罪で誤認逮捕・勾留された経験を
伊藤さん×錦見さん対談
 太宰治賞出身で『きみはだれかのどうでもいい人』(小学館文庫)が異例のロングランヒットを続ける伊藤朱里さんと、同賞の「後輩」である錦見映理子さんがこの2月、ほぼ同時期に新刊を発表する。伊藤さんの『ピンク色なんかこわくない』(新潮社)は四姉妹ものの家族小説、錦見さんの『恋愛の発酵と腐敗について』(小学館)は不思議な三角関係を綴る恋愛小説……と思いきや、ページをめくるにつれて読み心地がそれぞれガラッと変わる。二作を軸に、互いの作品について語り合っていただいた。
『翡翠色の海へうたう』刊行記念対談 深沢 潮 × 内田 剛
「深沢潮の到達点であり、出発点の物語」。最新作『翡翠色の海へうたう』をそう絶賛するブックジャーナリストの内田剛さん。小説家を目指してもがく契約社員の葉奈と、戦時下の沖縄で名前を奪われ「穴」として扱われる女性。時代を越えて交差する2人の物語から見えてくる希望とは? 深沢さんと内田さんが語り合いました。