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「推してけ! 推してけ!」第14回 ◆『彼女が最後に見たものは』(まさきとしか・著)
評者・黒木 瞳(女優) 見えているものだけが真実ではない。 『あの日、君は何をした』の『君』の謎を、ひとつひとつ丁寧に解いていく刑事、三ツ矢が再登場の、『彼女が最後に見たものは』を読んだ。まさきとしかなる作家の底力は半端なく、未知なる可能性は果てしなく拡がっていることを改めて実感する。読書好きにはたまらない一冊、『彼女
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今月のイチオシ本【エンタメ小説】
「史上初、選考委員全員が5点満点」が話題の、第11回アガサ・クリスティー賞受賞作は、独ソ戦さなかの一九四二年、モスクワ近郊にあるイワノフスカヤ村から幕を開ける。母親のエカチェリーナとともに、狩りをして暮らしていたセラフィマの日常は、ある日突然断ち切られる。ドイツ兵によって、村人は皆殺しにされ、エカチェリーナはセラフィマ
 あなたに友達はいますか?「お前たち、クラス全員誰一人欠けることなく集まることはこの先一生ないぞ」と中学卒業式の日に先生がそう言った。それを聞いた私たちはそんなわけがない、クラス会で必ず集まるんだと騒ぎ、廊下まで響き渡るブーイングが起きたが、賭けてもいいと先生はやけに強気だった。別に誰かが死ぬと言っているわけじじゃない
 ミステリー新人賞には何年かおきにメモリアルな年が訪れるものらしい。老舗の江戸川乱歩賞では今年がそれに当たるようだ。一〇年ぶりの二作受賞で、そのうちの一作は九年ぶりの女性受賞者。桃野雑派『老虎残夢』が一二世紀の南宋時代の中国を舞台にした武侠小説仕立ての本格ミステリーであるのに対し、一方の伏尾美紀『北緯43度のコールドケ
山中さん小説丸_目利き書店員のブックガイド_バナー
小説は不思議な媒体だ。そこにある情景を一瞬で見ることはできない。読むという行為を通して文字が降り積もり、じぶんがそれを読むスピードで、光景やできごとが地面からにょきにょき生えてくる。3Dプリンタで使われる素材が「言葉」だったら、物語が脳内で組み立てられていく過程は、きっとそんなかんじだ。
◉話題作、読んで観る?◉ 第44回「ずっと独身でいるつもり?」
 写真集『Sincerely yours…』が60万部を超えるベストセラーとなった、元TBSアナウンサー田中みな実の初主演映画。原案・雨宮まみ、原作・おかざき真里の同名コミックを、作家としても活躍するふくだももこ監督が映画化した。まみ(田中みな実)は望んでいたライターという職業に就き、充実した生活を送っている。だが、
週末は書店へ行こう!
《スターリングラードにおけるソ連軍の勝利。この一語を得るために失った人命は、ソ連軍が一一〇万人、市民二〇万人。(中略)
枢軸軍は七二万人を失った。総勢二〇〇万人超の死。これは第一次世界大戦で最大の要塞攻防戦、ヴェルダンの戦いを遥かにしのぐものだった。》「第四章 ヴォルガの向こうに我らの土地なし」より
危機の読書
神戸公安調査局の公安調査官・梶壮太は、偽装能力や浸透工作も巧みになり、重要な鉱脈を掘り当てる。アメリカと中国の工作員が日本を舞台にコレクティヴ・インテリジェンス(協力諜報)を行っている事実だ。日本政府に知らせずに同盟国のアメリカがこのような工作を行っているのは大問題だ。しかし、この件は闇から闇に葬り去られることになった。
今月のイチオシ本【歴史・時代小説】
 冲方丁『月と日の后』は、藤原道長の娘で一条天皇の中宮になった彰子の一代記である。著者は、一条天皇の皇后・定子と清少納言を描いた『はなとゆめ』を発表しており、紫式部が仕えた彰子に着目したのは必然だったのかもしれない。道長の命で一二歳で入内した彰子だが、すぐに一条天皇が真に愛する定子が敦康を出産、道長が揃えた名家出身の女
◎編集者コラム◎ 『漫画ひりひり』風 カオル
 答えのない世界に生きる青年たちのたくましさに感動! 文芸編集の前、漫画の編集者をしていた。漫画のデジタル化も黎明期の時代、現在とは状況がかなり違っているかもしれない。それでも、漫画家になりたいとひたすら願っても、そう簡単になれる職業ではないということは、今も当時と変わらないと思う。
HKT48田島芽瑠の「読メル幸せ」
11月になりました🍂 今年は秋がとても短かったですね。暖かったと思いきや一気に寒くなって着る服にとても悩みました。寒暖差がある毎日ですが皆さん体調お変わりありませんか?
◎編集者コラム◎ 『アイスランド 絶景と幸福の国へ』椎名 誠
 椎名誠はこれまでにたくさんの国を旅して、その体験を書き記してきた〝旅する作家〟である。その椎名さんが最後の海外取材と位置づけたのが2014年のアイスランドの旅であり、その記録が本書である。この旅のテーマは「幸せ」。アイスランドは世界の中でも幸福度や女性の社会進出度のランキングにおいて上位常連国だ。
週末は書店へ行こう!
 里中道は、発達障害である。子どもの頃からみんなと同じ行動がとれず、先生には怒られ続け、クラスメイトには笑われ続けて大人になった。その妹、羽衣子は逆に、みんなと同じ自分に満足できない。《なにをやらされても平均的にこなせる。けれども突出したなにかをまだ持っていない》ことがコンプレックス。
◎編集者コラム◎ 『犬から聞いた素敵な話~涙あふれる14の物語』山口 花
 まずは写真を見てください。右にいるチワワはゴン太、左にいるフレブルはドラミンと言います。我が家のペットたちです。しかし、ゴン太は3年前、13歳でこの世を去り、ドラミンは緑内障で光を失いました。それまで元気に駆け回っていたドラミンはすっかり静かになってしまい、外で遊び回ることもできません。ひたすら私の足を舐めては寝ていることが多くなりました。
今月のイチオシ本【デビュー小説】
 第67回江戸川乱歩賞を受賞した2作の片方、桃野雑派『老虎残夢』が9月に刊行されて、早くも大きな話題になっている(もう1作の伏尾美紀『北緯43度のコールドケース』は10月刊)。帯にいわく、「最侠のヒロイン誕生! 湖上の楼閣で舞い、少女は大人になった。彼女が求めるのは、復讐か恋か?」
◎編集者コラム◎ 『かすがい食堂 あしたの色』伽古屋圭市
 2021年3月5日、発売当日に著者の伽古屋圭市さんの「王様のブランチ」出演が決定。大きな話題となり、たくさんの方に手に取っていただいた『かすがい食堂』。その第2弾『かすがい食堂 あしたの色』が満を持して登場します!
◎編集者コラム◎ 『吉祥寺デイズ うまうま食べもの・うしうしゴシップ』山田詠美
《イメージはクッキングメモです。ちょっとの時間で読めて、ぱぱっと簡単に自分の中に取り込める感じ。それこそシチューの鍋をかき混ぜながら読めるようなものというか。そういう、女性週刊誌が担っている役割を意識しながら書いていました》
◎編集者コラム◎ 『私はいったい、何と闘っているのか』つぶやきシロー
 頭のなかでいろいろと考えすぎて空回りしてしまう。そんな状態に大なり小なり陥ったことは、誰にでも経験のあるはず。この小説『私はいったい、何と闘っているのか』の主人公・井澤春男、45歳もそんな妄想スペシャリストといってもよい人物だ。