今月のPick UP

辻村深月さん『闇祓』
ホラーの文脈の中で謎と真相を用意しようと考えました 「なんか不快だけれどもその理由をうまく説明できない」という経験をした人は多いだろう。辻村深月さんが新作『闇祓』で描くのは、そんな闇に取り込まれる恐怖。著者初の本格ホラーミステリ長編だ。
町田そのこさん『星を掬う』
人生に意義や意味を見出して希望を持ってほしかった 『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞した町田そのこさんが、待望の受賞後第一作を上梓。『星を掬う』は、幼い頃に出奔した母親と大人になって再会し、一緒に暮らすことになった女性の物語。この二人はもちろん、周囲の女性たちの事情をも交え、さまざまな痛みと苦しみ、やがて見つけ
岡崎琢磨さん『Butterfly World 最後の六日間』
キャラクターは血の通った人であってほしいと思っています のちに大ヒットシリーズとなる『珈琲店タレーランの事件簿』でデビュー、以来さまざまなテイストのミステリ作品を発表している岡崎琢磨さん。新作『Butterfly World 最後の六日間』は、彼の新たな代表作といえる特殊設定の本格ミステリ。そこにこめた思い、創作の苦労
川越宗一さん
架空のキャラクターであっても〝自分の人生を生きてほしい〟 江戸時代、東シナ海では各国から集まった海賊たちが幅を利かせていた。そこから登場したのは、あの英雄─。川越宗一さんの新作『海神の子』は、台湾鄭氏の祖である鄭成功の生涯を、架空の人物も交えてダイナミックに描く長篇小説。実は最初に興味を引かれたのは、彼ではなく、彼の母
白石一文さん『ファウンテンブルーの魔人たち』
女と男は一度、本気で戦う必要があるのかもしれない。 単行本で600ページ超の大作『ファウンテンブルーの魔人たち』について、まったく展開を決めずに自由に書いたという白石一文さん。だが、書き進めるうちに、自身の中にあった問題意識が鮮明になっていったという。それは男と女、そしてセックスに対する違和感で──。
米澤穂信さん
英雄と英雄が戦う話よりも、当時の世界で必死に生き抜いた人の姿が好きでした なんと、米澤穂信さんが歴史小説を上梓。これまでにも中世ヨーロッパを舞台にした『折れた竜骨』などを発表してきたとはいえ、新作『黒牢城』は荒木村重と黒田官兵衛という、戦国時代に実在した人物が登場する。しかし読めば、これは実に米澤さんらしい本格ミステリ
朝倉かすみさん『にぎやかな落日』
書きながら、母と同じ体験をしたような気持ちになりました 北海道で一人暮らす83歳のおもちさん。そのにぎやかな日常と生活の大きな変化を描く朝倉かすみさんの新作『にぎやかな落日』。おもちさんのモデルは、朝倉さんの母親だという。親の心の中を丁寧に描き出したのは、背景にどのような心境があったのだろう。
蛭田亜紗子さん『共謀小説家』
一般的な夫婦の絆とは違うところで繫がっている二人が書きたかった 毎回、テーマもテイストもまったく異なる作品を発表し続けている蛭田亜紗子さん。最新作『共謀小説家』は、明治期に小説執筆に心を砕いた一組の夫婦が築いた、独自の絆の話だ。フィクションではあるが、執筆のきっかけはある実在の作家を知ったことだったという。
佐藤 究さん『テスカトリポカ』
世の中は分身だらけだから、争いは止まらない。 2004年に群像新人文学賞優秀作に入選してデビュー。その後16年に『QJKJQ』で江戸川乱歩賞、18年に『Ank: a mirroring ape』で大藪春彦賞と吉川英治文学新人賞を受賞。読者を圧倒する作品世界で注目される佐藤究さんが3年半ぶりに新作を上梓。『テスカトリポカ』もまた話題必至の衝撃作だ。
桜庭一樹さん『小説 火の鳥 大地編』
手塚先生の〝それでも生きていく〟という芯の部分に忠実でなくてはと意識しました 巨匠・手塚治虫の代表作のひとつとして今なお愛されている『火の鳥』。「黎明編」「未来編」などさまざまなバージョンがあるが、「大地編」は構想だけが残された幻の作品。それがこのたび、桜庭一樹さんの手によって小説化され、『小説 火の鳥 大地編』として刊行された。そこに至る経緯はどのようなものだったのか。
新川帆立さん『元彼の遺言状』
女性が憧れる女性を書きたかったんです  昨年、第19回『このミステリーがすごい!』大賞で大賞を受賞した新川帆立さんの『元彼の遺言状』がいよいよ刊行に。金の亡者、でも憎めない女性弁護士が
星野智幸さん『だまされ屋さん』
〝家族自己責任論〟を少しでもゆるく、楽にすることができたらと考えました  今の日本社会の問題点を、小説のなかで炙り出す星野智幸さん。新作『だまされ屋さん』で扱ったテーマは家族。しかし母
伊与原 新さん
研究の世界に生きている人がすごく好きなんです  2010年に『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞して作家デビュー、昨年はノンミステリの短篇集『月まで三キロ』で新田次
村山由佳さん『風よ あらしよ』
彼女を突き動かしているのは、義憤なんだと思います  村山由佳さんの新作長篇『風よ あらしよ』は、著者にとって初の評伝小説だ。描かれるのは明治から大正にかけて短い生涯を駆け抜けた伊藤野枝
山本文緒
〝この人がいなくても生きていける〟から始まることもあると思うんです  山本文緒さんの七年ぶりの新作長篇がいよいよ刊行になる。『自転しながら公転する』は、茨城県の牛久を舞台に、一人の女性
宮内悠介さん『黄色い夜』
きっかけは二十代の頃の旅  アフリカのエチオピアに隣接する架空のE国。そこは資源が乏しく、産業はカジノに頼り、砂漠には螺旋状の巨大なカジノ・タワーが建っている。ここにやってきた日本人青年の龍一、通称ル
森見登美彦さん『四畳半タイムマシンブルース』
『四畳半神話大系』ふたたび  あの腐れ大学生たちにまた会えるなんて! 二〇〇五年発表の『四畳半神話大系』の大学生たちが再び登場する新作『四畳半タイムマシンブルース』。物語の原案は、劇団ヨーロッパ企画を
松田青子さん
女の子たちの楽園、そしてアイドル 「〝持続可能〟という言葉は環境問題などでよく使われる言葉ですが、人間も持続可能であることが大事。毎日生活するだけでも大変ななか、ちゃんとご飯を食べて、しっかり寝て、理