今月のPick UP

佐藤 究さん『テスカトリポカ』
 2004年に群像新人文学賞優秀作に入選してデビュー。その後16年に『QJKJQ』で江戸川乱歩賞、18年に『Ank: a mirroring ape』で大藪春彦賞と吉川英治文学新人賞を受賞。読者を圧倒する作品世界で注目される佐藤究さんが3年半ぶりに新作を上梓。『テスカトリポカ』もまた話題必至の衝撃作だ。
桜庭一樹さん『小説 火の鳥 大地編』
 巨匠・手塚治虫の代表作のひとつとして今なお愛されている『火の鳥』。「黎明編」「未来編」などさまざまなバージョンがあるが、「大地編」は構想だけが残された幻の作品。それがこのたび、桜庭一樹さんの手によって小説化され、『小説 火の鳥 大地編』として刊行された。そこに至る経緯はどのようなものだったのか。
新川帆立さん『元彼の遺言状』
女性が憧れる女性を書きたかったんです  昨年、第19回『このミステリーがすごい!』大賞で大賞を受賞した新川帆立さんの『元彼の遺言状』がいよいよ刊行に。金の亡者、でも憎めない女性弁護士が
星野智幸さん『だまされ屋さん』
〝家族自己責任論〟を少しでもゆるく、楽にすることができたらと考えました  今の日本社会の問題点を、小説のなかで炙り出す星野智幸さん。新作『だまされ屋さん』で扱ったテーマは家族。しかし母
伊与原 新さん
研究の世界に生きている人がすごく好きなんです  2010年に『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞して作家デビュー、昨年はノンミステリの短篇集『月まで三キロ』で新田次
村山由佳さん『風よ あらしよ』
彼女を突き動かしているのは、義憤なんだと思います  村山由佳さんの新作長篇『風よ あらしよ』は、著者にとって初の評伝小説だ。描かれるのは明治から大正にかけて短い生涯を駆け抜けた伊藤野枝
山本文緒
〝この人がいなくても生きていける〟から始まることもあると思うんです  山本文緒さんの七年ぶりの新作長篇がいよいよ刊行になる。『自転しながら公転する』は、茨城県の牛久を舞台に、一人の女性
宮内悠介さん『黄色い夜』
きっかけは二十代の頃の旅  アフリカのエチオピアに隣接する架空のE国。そこは資源が乏しく、産業はカジノに頼り、砂漠には螺旋状の巨大なカジノ・タワーが建っている。ここにやってきた日本人青年の龍一、通称ル
森見登美彦さん『四畳半タイムマシンブルース』
『四畳半神話大系』ふたたび  あの腐れ大学生たちにまた会えるなんて! 二〇〇五年発表の『四畳半神話大系』の大学生たちが再び登場する新作『四畳半タイムマシンブルース』。物語の原案は、劇団ヨーロッパ企画を
松田青子さん
女の子たちの楽園、そしてアイドル 「〝持続可能〟という言葉は環境問題などでよく使われる言葉ですが、人間も持続可能であることが大事。毎日生活するだけでも大変ななか、ちゃんとご飯を食べて、しっかり寝て、理
椰月美智子さん『こんぱるいろ、彼方』
友達の友達がボートピープルだった  ある世代以上の人なら、「ボートピープル」と聞けば、人々があふれんばかりに乗った船が漂流しているニュース映像を思い浮かべるだろう。ベトナム戦争が終結した1975年以降
藤野可織さん
犯罪を誘発する名探偵とその助手  二〇一三年、文芸誌『群像』に〈8月の8つの短篇〉のうちの一篇として掲載された「ピエタとトランジ」。のちに短篇集『おはなしして子ちゃん』にも収録されたが、その後も続篇が
伊吹有喜さん
記憶に残っていたホームスパンという単語  手作業で羊毛から糸を紡ぎ、手織りで作り上げるホームスパン。もともとはイギリスの伝統織物だ。それが明治時代に日本に伝えられ、岩手の盛岡、花巻周辺で産業として根付
高山羽根子さん
戦後と紙幣と人と人との関係と  戦後まもない頃。〈わたし〉は美術系出版社の榎田から、水彩画家の平泉貫一について調べてほしいと頼まれる。大戦末期に出征した彼は、終戦後に復員した時、人相がすっかり変わって
森絵都さん
原稿用紙五枚の掌篇連載  普段特別気にしているわけではないけれど、言葉にされると「あるある」「わかるわかる」と思うことは多い。日常のなかで生じる、ささやかな反発心もそのひとつ。小さな、でも絶対に譲れな
井上荒野さん
数年前、目に留まった新聞記事 「今回の本は、私の小説にしてはちょっとメッセージ性があるかもしれません。私はいじめが本当に嫌いだし、少女少年に死んでほしくないという気持ちがあるから」  人間同士が関わる
須賀しのぶさん
断り続けていた執筆依頼  須賀しのぶさんが選ぶ小説の舞台は幅広い。ここ最近の作品を見ても、ベルリンの壁が崩壊する1989年の東ドイツを舞台にした『革命前夜』、大正末期の浅草を少女たちが駆け抜ける『くれ
乾 ルカさん
実在する離島をモデルに  叔父の雅彦に憧れ、医師を目指していた川嶋有人は中学二年生の時に学校で起きたある出来事から引きこもりとなり、夢も未来も見失ってしまう。が、叔父に勧められ、東京を離れ、彼が医師と