今日のメシ本 昼ごはん


第38回
啓文社 ゆめタウン呉店
三島政幸さん
呉駅と大和ミュージアムに挟まれた「ゆめタウン呉」館内の書店です。平日は日常利用されるお客様、休日は遠方からの家族連れでごった返しています。 ○月×日 フードコート「OKONOMI ICHIBANCHI」の広島焼きで昼食。広島のお好み焼きはそば入りが基本。


第37回
幕張 蔦屋書店
後藤美由紀さん
当店は、書籍を中心に文具、CD、DVDのセル・レンタルの取り扱いの他、店内にスターバックスコーヒーを併設する大型店舗で、千葉市内にあるイオンモール幕張新都心の中にあります。モール自体もとても大きく、昼食を買いに出ると最低でも10分はかかるので、貴重な休み時間を減らさないためにもお弁当持参が基本。


第36回
明林堂書店 JR別府店
後藤良子さん
当店は別府駅のこぢんまりとしたショッピングセンター内にある書店です。店舗の位置がホームの下にあるため常に列車の音と振動を味わうことができるのが特徴です。こぢんまりとはしていますが一通りの飲食店は揃っていて昼食で外に食べに行くことがほぼありません。おにぎりだけを持参してスーパーでお惣菜を買ったり、別府リトルマーメイドで大好きな「豆と緑野菜のサンドイッチ」を買ったりしています。


第35回
谷島屋 営業本部
野尻 真さん
昼食と夜の風呂の時間が、私にとっての主要な読書時間。ただ、中年太りが気になりだし健康のためと、一年ほど前にロードバイクで往復20キロの自転車通勤を始めてから、昼食後の読書タイムはシエスタへ、夜の風呂読書では、ゲラやプルーフを風呂へ落としまくる、といった具合に健康と引き換えに貴重な読書時間を失いつつある今日このごろ。実はちょっと真剣に困っている。


第34回
文教堂北野店
若木ひとえさん
当店は、地下鉄東西線南郷18丁目駅又は東豊線福住駅からバスに乗り換えが必要な郊外型書店です。大きな駐車場の周囲にスーパー、ホームセンター、ファストフード店が並ぶ一角にあります。


第33回
七五書店
熊谷隆章

 お昼は貴重な読書タイムである。本を読む時間や買うお金を捻出するためにも、食べるものは手軽に安く済ませられるものがいい。そのうえ、おいしければ言うことはない。
以前はコンビニで弁当などを買うことが多かったが、いまは週1~2回スーパーに足を延ばして買い物をしている。
ただ、当店の事務所には、電子レンジとポットはあるがガスがない。そこで重宝しているのが、レンジで麺類をゆでることができる調理器。便利なものだ。

○月×日

今日はうどん。ゆでうどんはお値打ちなので出番が多い。スキマ時間をつないで、松崎有理『架空論文投稿計画』(光文社)を一気に読了する。研究と論文をめぐるユーモアとサスペンス。おもしろい本を読むと、その本を軸にしたフェアを作りたくなる。キーワードが連鎖して浮かび、あれこれ選んで発注すると、あっという間に棚1段分くらいにはなる。こういう本に出会うことは、読書の醍醐味のひとつだろう。

○月×日


第32回
大垣書店 高槻店
井上哲也

 当店は、JR高槻駅から歩道橋で直結のショッピングセンター・アクトアモーレの一階にあり、お隣は昭和レトロな雰囲気を醸す素敵な洋食屋さん「洋食のいろは」である。必然、昼食はここの日替わりランチを頂く事が大半だ。へれカツにエビフライ、唐揚げにハンバーグにコロッケ……。毎日、主役の交代するランチは絶品で、飽きが来ない。
そして、ランチタイムの読書はというと、新刊やゲラ、プルーフが中心となる。毎月、20冊ほどの読書数である。

○月×日

すごい新人がデビューした! 『さよなら、田中さん』(鈴木るりか著)。高校2年生が小説すばる新人賞でデビューした時も大概魂消たが、いやはや中学生ですとぉー! もう、次回作が待ち遠しくてたまらん。

○月×日


第31回
ジュンク堂書店鹿児島店
坂之上朝美さん

○月×日

今日のお昼は休憩室でコンビニのツナマヨおにぎり、ハムレタスサンド。最近この組み合わせにはまっている。私は気に入ったらひたすらそれだけを食べる。そして、飽きたら一切食べなくなるという変な食べ方をするので、友人から冷ややかな目で見られる。さて今日カバンに入っている本はカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』。ノーベル文学賞受賞もあり、本棚から探し出しての再読。やはりカセットテープの件は、何度読んでも切なくなる。

○月×日

昼からの出勤で時間があったので、お弁当持参。作り置きしてあるのを詰めてきただけなので、中身はご容赦を。お弁当を食べ終わった後、自宅本棚の一番左端にあった『きもの文化と日本』(伊藤元重、矢嶋孝敏 著)を読む。最近着物が気になりはじめ、ふと目に入った真っ白なレースの着物の表紙に惹かれて購入した本。着物のおしゃれの本かと思いきや、中身は着物文化の話が初心者にもわかりやすく書かれている。「堅苦しい」イメージから「着物を着てみたい」と思えるのはとても嬉しい。

○月×日


第30回
天狼院書店池袋駅前店
川代紗生さん

○月×日

本屋で働くことほど辛いことはないと、強く思うことがある。女性誌の大量発売日などはとくに辛い。お洒落をして銀座かどっかでデートをしたいと思う。あとはレシピ本。はらぺこグリズリー『世界一美味しい煮卵の作り方』も、読んでいると本当に辛くなってくる。怒りすら湧いてくる。どれも死ぬほどおいしそうなのだ。思わず唾を飲み込む。昼休み、即座に店を飛び出し「天下一品」へ。迷わず煮たまご入りラーメンを注文。無心でラーメンを食べ終えたところで、これだから永遠に銀座でデートなどできないのだと気がつく。

○月×日

今日こそは女子力を取り戻そうとおろしたての服で出勤。お店の入っている「WACCA池袋」には綺麗な女性が多い。そんな人たちの接客をするのに、お洒落をしないでどうすると活を入れ神崎恵『読むだけで思わず二度見される美人になれる』を読む。しかし今日は服選びに時間を取られすぎて朝ごはんを食ベ損ねた。今のうちにスタミナをつけてこようと「松屋」のネギ塩豚カルビ丼をかき込んだ。満たされて戻ると、キラキラ女子たちがタピオカミルクティーを飲んでいる姿が。焦って口紅を塗り直しながら思う。私の女子力、こんなんでいいのか。

○月×日


第28回
佐渡島 南書店
米山 耕さん

 新潟市の北書店でハロー!ブックス(以下H!B)という佐渡島で行われるイベントを知りました。ゲスト陣の豪華さに驚き、手伝いに行って住み始め、早二年。現在はドーナツ屋をしつつ、「カフェ日和山」を共同運営しています。その店内に設置した北書店・佐藤雄一店長による出張本棚が南書店です。南佐渡と呼ばれる地域にあり、北書店の支店であることから名付けました。今年のH!Bは九月十七、十八日。山あいの廃校で開催する本のお祭り。すばらしい作家さんたちと親しくなれる、たぬきに化かされたのかと思うような夢の二日間です。

○月×日

古い一軒家を借りています。入居してまず購入したのはコーヒーミルとドリッパーでした。H!Bに来た友人を、椅子しかないがらんとした部屋の中、コーヒーでもてなしたのがこの家の最初の思い出です。近くに喫茶店のない島暮らし、コーヒーは自分で淹れるものになりました。山川直人作品の登場人物になったつもりで、台所で一人、ゴリゴリ豆を挽き、ポタポタ湯を落とし、とるるるん、とカップに注ぎます。淹れたてのコーヒーを傍らに、『シリーズ 小さな喫茶店』の物語の中へ。古い喫茶店でひととき交差する、市井の人びとの人生や機微に思いを馳せるのです。