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思い出の味 ◈ 大沼紀子
 四十歳を過ぎたあたりから、時おり無性に五平餅を食べたいと思うようになった。五平餅というのは中部地方の山間部に伝わる郷土料理だ。中部地方の山間部は広い。そのため五平餅は、地域ごとに少しずつ姿を変える。草鞋型の胡麻だれや、円形の味噌だれ、団子型の胡桃だれ、なんてのもある。
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HKT48田島芽瑠の「読メル幸せ」
4月になりました🌸 桜が散り、新年度が始まり、あっという間に夏が来る。今年の春はなんだかすごくあっという間に感じました。皆さんにとってはどんな春でしたか?
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今月のイチオシ本【警察小説】
 芸能界の事件を捜査する警察小説は数あれど、本書のように芸能そのものにまで突っ込んだ作品は稀少ではないか。警視庁捜査一課殺人犯捜査七係の伴奏は上司の命で、向こう一ヵ月ほど別捜査に当たることに。沖縄県警の手伝いをしろというのだ。上京してきた刑事、渡真利猛は一九年前、人気ロックバンド・メアリーのギタリスト、
 どなたとは申しませんが、ある直木賞作家が、こうおっしゃいました。人生で大事なものは、健康、愛情、学問、それもこの順番で大事なのだと。読者諸兄姉もこの見解に否やはありますまい。さて、江戸時代の庶民はどう病を克服していたのか。また、患者を診る医者は、どんな心構えで医療を行っていたのか。
◇長編小説◇里見 蘭「漂白」連載第135回
「はい。弁護人は今、問題となった証拠に違法収集証拠排除法則を適用しようとしていますが、まさしく弁護人が示したように、憲法及び刑訴法は特別に規定を設けて自白の証拠能力に厳しい規制――自白法則――を設定していることを考えると、自白の証拠能力はその範囲で否定するのが法の趣旨であると解するのが自然であって、それを超えて違法収集
◎編集者コラム◎ 『刑事仙道 見取り捜査 京都御朱印巡り殺人事件』赤木京太郎
 ここ数年、文庫ビジネスの土台となっている、文庫書き下ろし警察小説は、超絶レッドオーシャンなジャンルに間違いありません。競合が激しいだけに、作風の細分化もさまざま。王道ストレートを地でいく小説もあれば、覇道変化球で押しまくる小説もあって、大袈裟ではなく、群雄割拠の様相を呈していると言っていいでしょう。
ハクマン57回
今年になってから、毎月本を出しているような気がするが、本当に毎月出ており、なんだったらひと月に2冊出てるし、さらに今月も出る。おそらく買う方も疲れていると思うが、俺が一番疲れているのだから、我慢して最後まで買って欲しい。
豊田章男が愛したテストドライバー
 トヨタで数多のクルマづくりに携わった〝伝説のテストドライバー〟成瀬弘さんが不慮の事故で亡くなった。享年67。成瀬さんは、豊田章男社長の「運転の師」と呼ばれていた──。ノンフィクション作家の稲泉連さんから、新聞で偶然目にしたという、そんな話を聞いたのは約10年前のこと。
危機の読書
 現代に生きるわれわれにとって、いずれかの民族に所属することは、当たり前のように思える。これが当たり前でないことに気付くことが重要とアーネスト・ゲルナーは指摘する。〈人は一つの鼻と二つの耳とを持つように、ナショナリティを持たねばならない。それらのうちの個々のものを欠くことは考えられないわけではなく、実際に時折起ることではあるが、それは何らかの災難の結果起るものであり、またそれ自体が一種の災難なのである...
◎編集者コラム◎ 『殺した夫が帰ってきました』桜井美奈
 編集者コラムをご覧いただきありがとうございます。小学館文庫2021年4月刊『殺した夫が帰ってきました』の編集を担当しましたA田と申します。季節は4月。少し前までの寒さが嘘のように、すっかり暖かくなってきました。
◎編集者コラム◎ 『私はスカーレット Ⅳ』林 真理子
「田中みな実ちゃんって現代のスカーレットよね」林真理子さんがそう呟いたのは、2年ほど前、『私はスカーレット』第1巻が出版されて間もない取材の席でのこと。途端に「……確かに!!」と、その場にいた全員が激しく頷いたのです。「とにかく美しい!でもその裏でめっちゃ努力してるんですよね」
◇長編小説◇里見 蘭「漂白」連載第134回
「漂白」目次  公判前整理手続はたんに公判の期日等を決めたり調整したりするだけの場ではない。刑事裁判において最も重要な証拠の採用を巡り検察側と弁護側との攻防は始まっている。能城のようにこれ
◎編集者コラム◎ 『東京輪舞』月村了衛
 2010年の小説家デビュー以来、文学賞を次々と受賞。いま最も注目を集める作家のひとりである月村了衛さんが、「自分にとって特別な作品」と語るのが『東京輪舞』です。
佐藤 究さん『テスカトリポカ』
 2004年に群像新人文学賞優秀作に入選してデビュー。その後16年に『QJKJQ』で江戸川乱歩賞、18年に『Ank: a mirroring ape』で大藪春彦賞と吉川英治文学新人賞を受賞。読者を圧倒する作品世界で注目される佐藤究さんが3年半ぶりに新作を上梓。『テスカトリポカ』もまた話題必至の衝撃作だ。
丸山正樹『ワンダフル・ライフ』
 聴覚障害を題材にした社会派ミステリー「デフ・ヴォイス」シリーズで知られる丸山正樹が、作家デビュー一〇年の節目となるタイミングで渾身の勝負作『ワンダフル・ライフ』を発表した。四組の男女からなる物語の内側に、自身の実人生をも取り込んだ本作は、ミステリーの要素が盛り込まれながらも人間ドラマとしてかつてない高みに到達している
「推してけ! 推してけ!」特別編 ◆『臨床の砦』(夏川草介・著)
評者・知念実希人(作家・医師) 現役医師がコロナ禍の地域医療をリアルに描いたドキュメント小説 二〇二〇年の初め、数か月後に予定されているオリンピックを待ち望んでいた日本の「日常」は誰も気づかないうちにゆっくりと、しかし確実に侵食されはじめていた。中国の武漢で報告された原因不明の肺炎の原因は、一月には新型のコロナウイルスによる感染症であると判明し、
辻堂ホームズ子育て事件簿
2021年3月×日 「子育てエッセイの依頼とか、来ないんですか?」2020年2月。産後2週間健診で、助産師さんから突如、そんなことを言われた。私が出産したのは規模がそこそこ大きい病院で…
武田綾乃「おはようおかえり 京は猫日和」 第4回「思い出の京の味」
昔からジェットコースターが苦手だった。高いところから急降下する時の、あのふわっとする感じが好きじゃない。でも、屋内のジェットコースターは好きだ。「武田の乗れるやつと乗れないやつの基準ってなんなん?」と友人に聞かれた時には、「落ちた時に死にそうなやつは乗れない」と答えた。