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思い出の味 ◈ 吉森大祐
ペヤング 八〇年代から九〇年代にかけて世界最強を誇った日本の家電業界は変革の波に乗り遅れると、衰退の一途をたどった。〇一年に iPod、〇七年に iPhone が発売され、同時期にテレビの薄型化が進んで基幹部品を韓国勢に握られると、ついに日本は業界の支配力を失い、当時世界で年間百五十兆円といわれた家電市場の多くを海外勢
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危機の読書
 複数の読者から、斎藤幸平氏の独自性について語る前に、マルクス主義について簡潔に説明して欲しいという要請があった。確かに斎藤氏が21世紀に疎外論を甦らせようとしているという筆者の見方を示しても、疎外論などマルクス主義の基本概念について共通の理解がなくては議論が空中戦になってしまう。
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◇長編小説◇里見 蘭「漂白」連載第174回
「増山さんと浅見さんの間の接点について、あなたはつい先ほど検察官にこう説明しました──『被告人が住んでいた家とファミリーセブン綾瀬店は近距離に位置しています。二階にある被告人の部屋の窓からファミリーセブン綾瀬店の入り口が見える距離です。被告人はこの窓からコンビニ店を見張り、被害者を物色していたのではないかと判断されたの
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◎編集者コラム◎ 『そして陰謀が教授を潰した~青山学院春木教授事件 四十五年目の真実~』早瀬圭一
 本作とのそもそもの出会いは、2018年、週刊ポスト編集部にて私が担当していた新刊著者インタビュー連載での取材でした。親本での作品名は『老いぼれ記者魂』。元毎日新聞社会部記者で、大宅賞作家でもある著者が、青山学院大学を舞台に起きた「春木猛教授による女生徒強姦事件」の真相を追った執念のノンフィクションです。
HKT48田島芽瑠の「読メル幸せ」
新年あけましておめでとうございます🎍 本年も読メル幸せを何卒よろしくお願いします。2022年になりましたね!12歳で加入した私も22歳になりました🤣 時の流れが怖いです笑
◎編集者コラム◎ 『カルピスをつくった男 三島海雲』山川 徹
 著者の山川徹さんとは、それなりに長い付き合いです。もう十年以上前、私が週刊誌に在籍していたころから、ライターとして仕事をお願いしていました。「カルピスをつくった男 三島海雲」というテーマは、当時からお酒の席で耳にしていました。三島は、今から百年前のモンゴルを駆け抜け、カルピスのもととなる遊牧民の伝統食と出会います。
作家を作った言葉〔第1回〕佐藤 究
 私の場合、純文学でデビューしたのち、まったく売れない時期が十年以上つづいた。その大半は売れないどころか、原稿依頼すらなかった。そういう状況で何ができるのかといえば、誰にも頼まれていない小説を書くしかない。生活費を稼ぎながら、できそこないの長編を書き、できそこないの短編を書く。プロとは名ばかりの自称作家だ。
◎編集者コラム◎ 『森から来た少年』ハーラン・コーベン 訳/田口俊樹
「コーベンさん、今回はこう来ましたか! いやもうワイルドが……」「そうなんですよ、ワイルド、かっこよすぎません? 萌えキャラじゃないですか! コーベンさんってこんなことも出来るんですねえ」
#BOOK LOVER*第1回*尾崎世界観
 一九九五年、小学五年生の秋に「未成年」というドラマを見た。年上の高校生がたくさん出てきて、ロックバンドのライブシーンが流れたり、女性の裸が映ったりした。普段は明るいイメージのテレビから、なんだか得体の知れない影のようなものを感じて、ちょっと不気味だった。それでもやっぱり気になって、毎週ドラマが始まる時間になると部屋で
風 カオル『名前だけでもおぼえてください』
あわよくば読んでください 今回執筆した『名前だけでもおぼえてください』は、漫才師が主人公です。デビュー作も笑いに関する物語だったので、よほど好きなんだなと自分にあきれるばかりです。
◎編集者コラム◎ 『モーツァルトを聴く人』詩/谷川俊太郎 絵/堀内誠一
『モーツァルトを聴く人』という詩集の親本が小学館から刊行されたのは1995年、谷川さん64歳の時の詩集でした。19篇の詩のほかにパウル・クレーのカットが6点収録されていて、造本はA5判ハードカバー64ページの瀟洒な詩集。この詩集には単行本の他に別のとんでもないヴァージョンもあったのです。
◇長編小説◇白石一文「道」連載第16回
第四部 1 二〇一九年六月十七日月曜日。出社してほどなくの午前九時過ぎ、受付から連絡が入った。「本部長、おはようございます。お約束ではないそうですが、山本(やまもと)さんという方が本部長をお訪ねになっております」「山本さん?」「はい。『去年の九月に本部長に助けていただいた金髪の女の子』と伝えて貰えれば分かるとおっしゃっ
◎編集者コラム◎ 『ちえもん』松尾清貴
 寛政十年(一七九八)十月、長崎湾で実際に起こったオランダ船沈没事故。それを引き揚げたのは地元・長崎の人間ではなく、周防・徳山の廻船商・村井屋喜右衛門という人物でした。なぜ徳山の人間がわざわざ長崎でこんな前代未聞のサルベージに名乗りを上げて、しかも成功させることができたのか?その疑問から本書の企画は始まりました。
◇長編小説◇里見 蘭「漂白」連載第173回
 再主尋問での朝比奈の証言は後知恵によるこじつけだ。反対尋問で志鶴が突いた弱点を世良と協働して糊塗(こと)した。強引で見え透いているが、裁判員がそう判断するとは限らない。警察官が法廷で噓をつくはずがないという先入観があればなおのこと。「弁護人、再反対尋問は?」能城が訊ねた。「します」志鶴は立ち上がり、法壇の斜め前に進ん
ハクマン第75回
この原稿を書いているのが1月5日である、まだギリギリ正月と言えなくもないが締め切りが6日なので仕方がない。この「正月仕事をすること前提の締め切り設定」に腹を立てているようでは漫画家は務まらない。
◎編集者コラム◎ 『城下町奉行日記 熊本城の罠』『城下町事件記者 熊本・文楽の里』井川香四郎
「時代小説と旅情サスペンスがまさかのコラボ!」という、ビックリ仰天の謳い文句を引っさげて、彗星のごとく? 書店の棚に現れた「城下町・一色家」シリーズ。本シリーズは、近世の名門一族・一色家の先祖と子孫が、それぞれ存在している時代の城下町で起こった怪事件の謎解きに奔走するという、破天荒な企画となっています。
 日本語を学習し、職を得て来日する米国人青年の京都での暮らしを描く。第二回京都文学賞を満場一致で受賞した中篇は、日本語を母語としない著者によって書かれた。  この物語に用いられているのが「きみ」という二人称であることを、この本をはじめてひらくだれもが冒頭で理解し、同時にこの人称に、物語をつらぬく芯のようなものがあると直
◎編集者コラム◎ 『ぷくぷく』森沢明夫
 この本のタイトルを見てどんな小説だと思いますか? 福々しい? 浮かんでいる? 猫の肉球のよう? どれも近くて惜しい……。手にとって読んでいただければ、その意味はわかるはずですが、このタイトルは、10数本あったタイトル候補の中で、著者の森沢明夫さんがイチオシで、すんなり決まりました。