志川節子

今月のイチオシ本【歴史・時代小説】
 直木賞候補になった『春はそこまで 風待ち小路の人々』など市井人情ものの時代小説で人気を集める志川節子の新作は、〝日本の博物館の父〟と呼ばれる田中芳男を主人公にしており、初の歴史小説に挑んで新境地を開いたといえる。信州飯田城下の医師の家に生まれ、子供の頃から植物や鉱物を集めるのが好きだった芳男は、兄を早くに亡くし、