HKT48田島芽瑠の「読メル幸せ」第20回
第20回
12月になりました?
あっという間に2019年が終わってしまう!!!!!
驚きを隠せません。
私、思うんですけど、年々勝手に一年が短くなってる気がする。絶対ないけど。私はそう思う。
街はイルミネーションに輝き、冬だなとしみじみ感じますね。寒いの耐えられない!冬生まれだけど!
2019年を振り返ると、濃い一年だったなと思います。
まずは、指原莉乃さんの卒業。いるのが当たり前だった、さしこちゃんが卒業してなんだか今でも不思議な気持ちです。さしこちゃんが担当していた煽りだったりを任せていただくことも増え、自分の中でグループに対しての意識や想いが変化した一年でした。
夏には初めて出演させていただいた映画「泣くな赤鬼」が公開され、来年公開予定の映画「戦国ガールと剣道ボーイ」の撮影に携わることができました。
「戦国ガールと剣道ボーイ」に出演できるようになったのは、「栄光のラビリンス」というモバイルゲームのイベントで皆さんが1位にしてくださったからです。これまでのアイドル人生でファンの皆さんと1位を獲得できたのは初めてのことで、今年一番嬉しくて幸せだった出来事でした。総選挙が今年は開催されず、選抜入りを目指して頑張っていたし、不完全燃焼感がみんなに漂っていた中でのこのイベントでした。だから、ファンの皆さんと1位を取れたことが誇りで幸せで嬉しかったな~!本当にありがとうございました。
それから、博多座で「仁義なき戦い」の舞台に出演させていただいたり…。この2年間でどんどん演技に対する思いが強くなっていき、自分の中で定まってなかった未来図が見えていくようで今は凄く楽しいです。
ずっと見えない暗闇を歩いてるような日々が続いていた事もありました。
でも皆さんのおかげで、ここまで来れたし、今は毎日の活動がとっても楽しいです。
それはいつも支えてくれてるファンの皆さんがくれた光のおかげです。
これからも、一緒に歩んでほしいし、同じ未来図を描いていけたら幸せだなって思います。
今年最後にご紹介するのは湊かなえさんの作品『絶唱』です。
『告白』『少女』『贖罪』『Nのために』『夜行観覧車』『往復書簡』『花の鎖』『境遇』『母性』『ポイズンドーター・ホーリーマザー』
湊かなえさんの作品はこれまでにも沢山読んできましたが、この作品は特別にじんわりと温かさが広がるような優しさを感じました。
トンガ王国という南洋の島を舞台にした4作が収録されている短編集です。
4人の主人公達は、それぞれ誰にも言えない思いを、秘密を抱えこの島にたどり着きます。ある人は自分を取り戻す為、ある人は約束を果たす為、ある人は大切な事を見つける為に。視点を変えながら、阪神淡路大震災について描かれており、とても心に残る物語でした。交差していくストーリーだけど、どこか共通点があり、最後の絶唱という物語までつながっていく。
正直、読み終わった後はズーンと残るものがありました。
自分にとっての「心の拠り所」ってどこだろう。
必要とされる場所、自分の居場所、ただいまと言える場所があるって幸せな事なのだと改めて感じました。
毎日の生活に幸せはいっぱいあるばすなのに、「最近、幸せを感じることはありました?」ってインタビューされたとしてどれだけの人が即答できるのだろうか。
「なんか最近楽しいことあった?」って言われても、「えーなんだろ…」って私は考えてしまう。辛い事とか苦しい事はいつだって引き出しの手前にあるのに、楽しい事とかってどんどん引き出しの奥に追いやってしまってるのかもしれません。
私は、アイドルという職業になって、沢山の方に支えられている事を実感しています。
この本を読み進めながら、垣間見える人としての優しさや温かさを感じ、どんな事も当たり前にならずに感謝できる人間でありたいと思いました。
トンガ王国を調べてみたら、作品に描かれているような素敵な景色が広がっていて、湊かなえさんはやはり描写がピカイチだと思いました。ものすごくトンガに行きたくなった。
イヤミスではない、私小説とも感じられるような生々しさのあるこれまでにない、湊かなえ作品。
本当に4編どれも、感動に溢れています。
絶対に読んで欲しい作品。
ぜひ、この機会に手に取ってみてください。
2019年も「読メル幸せ」を愛してくださりありがとうございました!
連載が始まって、1年と8ヶ月。読んでくださっている皆様を始め、支えてくださってる小学館さん本当にありがとうございます。連載があるってとても幸せな事で、有難く思っています。これからも長く愛される連載になるよう、私も頑張っていきたいと思います。2020年もよろしくお願いします。
それでは良い本の旅を、田島芽瑠でした。
(次回は新年1月中旬に更新予定です)
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