◎編集者コラム◎ 『タスキメシ 箱根』額賀 澪
◎編集者コラム◎
『タスキメシ 箱根』額賀 澪
2019年~2020年、変わりゆく東京五輪マラソンの情報の中で、何度「ぎゃーーー!」と叫んだことでしょうか。
この『タスキメシ 箱根』は、未曾有のコロナ禍に振り回された、まさに「TOKYO2020の悲劇」と名付けたい小説かと思います。
単行本をお持ちの方はご存知かと思いますが、この本は、ベストセラー小説『タスキメシ』の続編であり、駅伝の真骨頂を描く箱根駅伝を舞台にした物語であり、そしてそのエンディングは東京五輪のマラソンで終わるのです。神保町で、声をからして、出場選手を応援してエピローグ。
素晴らしい原稿、爽快なエンディングで締めくくった単行本は、その後、東京は酷暑のためマラソンは札幌になる、というニュースで腰を抜かし、その後、東京五輪が延期になる、と聞いては椅子から転げ落ち、大変心臓に悪い一冊となりました。
しかし!!さすが、額賀さん。今回の文庫では、そのエピローグをまったく違うものに丸ごと書き下ろして、ぶんぶんに振り回してくれた東京五輪を、最強の味方に変身させてくれました。
もはや、単行本をお持ちの方は大変レアです。是非、この文庫のエピローグと読み比べてみてください。
『タスキメシ 箱根』この小説の素晴らしさは、言うまでもありません。あの駅伝のレジェンド・柏原竜二氏から「この方は箱根駅伝経験者ですか。すごくリアルで本当に面白い」と言わしめ、今回、巻末解説を執筆して下さった筑波大学男子駅伝監督の弘山勉氏からは「大変素晴らしい。箱根駅伝の本質を書いている」と言わしめ・・・・・・・。この、弘山氏の熱い熱い解説も是非ご一読下さい。
11月終わりには、この続編となる『タスキメシ 五輪』が発売になります。まさに、今回書き下ろした本作のエピローグから始まる、熱涙物語。こちらも、是非楽しんでください!
──『タスキメシ 箱根』担当者より
『タスキメシ 箱根』
額賀 澪