みんなのレビュー >>>『とまり木』
粉奈弥生さん ★★★★
大きな声では言えないが「死にたい」と思ったことがある。
死にたい思いが大きくなっていくのに比例して、自分だけが何者でもなく、友人や自分の周りの人々全てが何かを得ていると強く感じていた。
しかし、この作品に出てくる登場人物全員が心に傷を抱えていた。華やかな容姿が浮かんだ人も順風満帆に思えた人も皆、何かしらの傷を抱えていた。登場人物たちがそれでも生きていた。
傷を抱えているのは自分だけではなかった。
生きていくためには自分の力で一歩を踏み出さなければいけないときの方が多いのだろうけど、生きていれば想像もできないような出会いがあり、その出会いから力を借りてみてもいいのかもしれない。その出会いは生きていなければないものだ。
読み終えて心の片隅にあった「死にたい」が「生きる」に変換されていた。
たんちゃんさん ★★★★★
周防柳さん2冊目でした。
幼い頃、両親を亡くしてから
不幸が続いていた伊津子と
イジメにあっている少女、美羽。
それぞれの場所で
生きることに疲れた2人は
命を絶つことにする。
2人に起こる出来事は
辛くて悲しかった。
同時に『 ある場所』での
出来事は穏やかな気持ちになった。
『 ある場所』で気付いた
『 生きる』と言うこと。
生きていれば
いいことも悪いこともある。
でも見方さえ変えれば
もう一度、頑張れるかもしれない。
そんな気持ちにさせてくれる
素敵な作品でした。
読めて良かったです。
saosaoさん ★★★★
カバーに書かれたあらすじをみた時、“いじめ、虐待、セクハラ…”ちょっと恐くて読めないかもっとなかなかページを開くことができませんでした。
けれど、読み初めてしまったらページをめくる手がとまることなく読み進められてました。
IとMのつらい過去は読んでいて辛いな…って思ったし、まさかの出会いたくない2人が「ある場所」で出会うことになるとは…。
辛くてもいいこと、いい未来は必ずくる。「生きよう」「頑張ろう」と思った人に読んで欲しい一冊でした。
レビューのご投稿、ありがとうございました。