◎編集者コラム◎ 『小説 映画  空母いぶき』大石直紀

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『小説 映画  空母いぶき』大石直紀


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 かわぐちかいじさんの『空母いぶき』といえば、『ビッグコミック』で2014年から現在もつづく超人気連載です。2017年度には小学館漫画賞(一般向け部門)を受賞し、2019年4月までに刊行された単行本の累計部数は500万部を突破、私の在籍する文芸編集室にもたくさんの愛読者がいます。軍事的な描写はリアリティー満点ですし、時には現実の時代背景や出来事などを踏まえて読めるのもおもしろいですからね。

 そんな傑作コミックが映画化されるというのです、しかも実写版で!

 昨秋、初めてその話を聞いてから半年あまり、いよいよ映画「空母いぶき」が全国公開される2019年5月24日が近づいてきました。

 映画には、航空自衛隊の元エースパイロットの肩書きを持つ《いぶき》艦長・秋津竜太役に西島秀俊さん、海上自衛隊生え抜きの《いぶき》副長兼航海長・新波歳也役に佐々木蔵之介さんをはじめ、豪華な俳優陣が名をつらねます(くわしくは映画公式サイトでどうぞ)。さらに劇場のスクリーンには、航空機搭載型護衛艦《いぶき》はもちろんのこと、第5護衛隊群を構成するイージスミサイル艦《あしたか》《いそかぜ》、汎用護衛艦《はつゆき》《しらゆき》、潜水艦《はやしお》といった"大物"が大迫力の実写で映し出されているのです。

 それほどの大作映画を前にして、このノベライズ作品『小説 映画 空母いぶき』になにができるのか? 文章だけで表現できることはなんなのか?

 ご安心ください。

 著者の大石直紀さんは、そのあたりにも深く配慮して執筆されています。小説で読むからこそわかる詳細、たのしめる要素が、『小説 映画 空母いぶき』にはたっぷりと詰まっています。作中で登場人物が口にしたひと言にはどんな思いがこめられているのか、スクリーンに一瞬映ったミサイルにはどういった意図があったのかなどなど、"読みどころ"は随所にさりげなく散りばめられています。くわしくは本作を読んでいただきたいのですが、ともかく、映画を見る前でも、見た後でも、ぜひチェックしていただきたい一冊に仕上がりました。

──『小説 映画  空母いぶき』担当者より

『小説映画空母いぶき』書影

あまりに恐ろしい近未来/ジェイミー・バートレット 著・秋山勝 訳『操られる民主主義 デジタル・テクノロジーはいかにして社会を破壊するか』
出口治明の「死ぬまで勉強」 第12回 ゲスト:吉田直紀(宇宙物理学者)「宇宙の謎解きはやめられない!」(前編)