HKT48田島芽瑠の「読メル幸せ」第23回

HKT48の田島芽瑠の読メル幸せ

第23回


3月になりました🌸
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
なかなか外に出にくい状況ですし、自分の身のためにも必要最低限の外出になりますね。かといって、家にひきこもってばかりだとそれはそれでおかしくなりそうです。
そんな時にTwitterであるツイートを見て、ハッとさせられたんです。そのツイートは、「外に行かなくても本があれば旅に出られるよ」といった内容でした。
確かに! 本の素晴らしいところはどこへでも行けるところなんです。ページを開けば、自分自身が旅に行ける。本というパスポートを握りしめ、想像という機体に乗り、物語のスイッチを押せば私達に色々な世界を見せてくれる。素敵ですよね✨改めて本の素晴らしさを感じたツイートでした。

今日はそんな日々の中で出合った、これはどの世代が読んでも夢中になるだろうと確信した本をご紹介させてください。
黒田小暑さん作『まったく、青くない』という本です。

まったく、青くない

この本を読みながら、私は気が付いたら泣いていました。
そんな私に自分自身が一番驚きました。
涙が出る時って大体「あ、泣いちゃう」って、よーいスタートのよーいがあるじゃないですか。それにも気付かずに、自然と涙が出たことなんて人生で初めてかもしれません。誰かが死んじゃうとかそんな話でもないし、そもそも悲しい話じゃない。だからといってクライマックスにかけて、花火大会の最後みたいに派手な感動があるわけでもない。泣きながらも気持ちは高揚感に溢れてて、その熱を持ったまま文章を書き始めました。私は読了後は余韻に浸りたいタイプなので、すぐに文章を書き始めることはあまりないんですよ。いつもなら、ちょっと一息ついて感想を書き始めます。でも、今回はすぐに書かなきゃと本能的に感じて、最後の方はもう片手に携帯を持ちながら読んでいました。そんな力がこの本にはあるんです。

まったく、青くない

ギンマという一人の少年と、彼に魅了された男子2人と女子1人の4人の物語。混ざり合って、絡まり合って、ぶつかり合い何度も何度も躓きながら、大人と子供の間の今しかないこの瞬間を彼らはどう過ごして行くのか? 彼らの成長を見届けるキラキラして眩しい青春物語です。あ! 今ただの青春物語かって思ったでしょう? 無駄に眩しいだけの、リアルさにかける現実味の薄れた、こんな人生だったらよかったのにって憧れだけの感情が生まれる青春物語。それを青春物語と言うのならば、これは青春とは言わないだろう。まったく青くない。でも私は、これこそが本当の青春なんだとこの本を通して思いました。

苦しくて、辛くて、それでも前に必死に進もうとして、もがいて、ぶつかって、わからなくなって、悩んで、逃げて、でも向き合って。泥だらけになってがむしゃらに汗流しながらそれでも一歩一歩進み続ける。その、思い出したくもないようなかっこ悪さが、かっこ悪い日々が青春なのだ。

私の青春はHKT48です。アイドルってキラキラしてて楽しそうに見えるでしょ? 実際はそんな甘いもんじゃない。自分でもどうなりたいのかこれからの未来図が分からなくて、暗闇の中をひたすら歩いてるだけの毎日が嫌で逃げ出したくもなった。周りの友達は進路を決め、大学に進み、私は置いていかれてるような気がして、焦って、焦って、でも焦ったところで何も生まれなくて、そんな自分に苛立って余計にわからなくなって…。ずっと悩んでた。やっと光が見えた頃には2年が経っていた。傍から見たら、無駄な2年間かもしれない。でも私は、この2年間が大事だったんだと今では思う。この2年があったからこそ私は進めた。私は自分が好きになれた。毎日が自分らしく生きていられてる気がして、私は今がとっても楽しい。あの頃の私は、幸せになれないと思ってた。自分が可哀想だと思った。味方なんていないと思った。私っていつもこうだよねってネガティヴな事ばかり考えていた。でも、違う。そうさせてたのは自分自身だったんだって気づいた。自分で自分を苦しめていたの。今を悩んでる中高生に言いたい。焦ってる君に言いたい。人生に無駄な時間なんてないから安心してって。いつか、その日々が大事だったってことに気づくから。どんな日々も自分を作り上げてくれる材料だから。大丈夫だよって。
無駄みたいなそんな日々が、私達を大人にしてくれる。切なくて、苦しくて、笑いたくて、泣きたくなる。この本は、そんなリアルな青春が詰まってるんだ。

若い世代はもちろんだけど、大人の皆様にも是非読んでほしい! 自分のあの頃を思い出しながら、明日も頑張るかーってふっと力を抜きながら感じられると思います。

眩しいから青春なんじゃない。
汗水流して泥臭く必死に生きるから青春なんだ。これは努力し続けるから青春でもないんだよ。休憩してもいい、自分の進む道を迷いながら悩みながら何度も何度も立ち止まって一歩一歩進んでいくことが大事なの。自分は進んでないって止まってるって思うこともあると思うけど、進んでない人間なんかいない。何か、どんだけ小さくても毎日一歩は進んでいるから。そんな自分を褒めてあげることを忘れないで。そしたらきっと辛いだけの、苦しいだけの毎日に光が少しずつ見えてくるから。自分の一番の味方は自分自身なのだから。ゆっくり歩こう。

あの頃の自分がこの本に出会えたらきっと号泣してたと思う。大人になった今読んだからこそ、静かに溢れたのだろうけど。

熱く語ってしまいましたが…この本には私が思う青春が詰まっていました。そして作者と登場人物達の魂を強く感じる作品でした。彼達の魂を是非感じてほしい。読んで後悔はさせません。過去の自分に、あの頃の自分にもオススメしたい一冊。是非。

まったく、青くない

良い本の旅を。田島芽瑠でした。

(次回は4月中旬に更新予定です)

 
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◎編集者コラム◎ 『ハーフムーン街の殺人』著/アレックス・リーヴ 訳/満園真木
◎編集者コラム◎ 『死ぬがよく候〈五〉 雲』坂岡 真