船戸与一

週末は書店へ行こう!
《スターリングラードにおけるソ連軍の勝利。この一語を得るために失った人命は、ソ連軍が一一〇万人、市民二〇万人。(中略)
枢軸軍は七二万人を失った。総勢二〇〇万人超の死。これは第一次世界大戦で最大の要塞攻防戦、ヴェルダンの戦いを遥かにしのぐものだった。》「第四章 ヴォルガの向こうに我らの土地なし」より
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 神生島(かみおじま)は日本の本土から離れた島である。本土(本書では「くが」と呼ばれる)では「ゴイッシン」が起きたという噂だが、島の人々には関わりのないことだ。そこに、「くが」から一ノ屋松造、通称イチマツが帰ってきた。5年前に島を出ていき、一ノ屋の家系は滅びると言われていたところに帰還してきたのだ。