八女深海『カミガカリ 不自然言語処理殺人事件』

八女深海『カミガカリ 不自然言語処理殺人事件』

※赤字部分がAI生成された文章です


AIのべりすと」は、文章を途中まで入力してボタンを押すと、続きをAIが出力してくれる夢のようなWebサービスです。

 僕のデビュー作『カミガカリ 不自然言語処理殺人事件』の一部も、「AIのべりすと」を利用して書かれました。

 今回は実際に「AIのべりすと」を利用して、拙作の紹介エッセイを書いてみようと思います。

≪『カミガカリ』は未解決殺人事件の犯人の名前を告げる神・シラツカサナギと、その犯行の過程を立証すべく奔走する主人公を描いた作品です。

 サナギが全国の殺人事件・行方不明者などのビッグデータを取り込んで、連続殺人事件とその犯人を告げるシーンに「AIのべりすと」が使用されています。

 この作品の読みどころは、何と言っても≫

 よし。ここまで入力して「続きの文を書く」ボタンを押すと――

 誰!?!? 連続殺人事件を扱うミステリらしからぬ名前が並んでいる!

 美麗なイラストで表紙を飾っているシラツカサナギさんはどこにいったの!?

 身長3m弱で無性別で白髪白装束の上位存在という、作者のフェティシズムの結晶のような存在がないことにされてしまった。

 他にも性別不明の無法関西人こと霧島月光館や、令和のコンプラギリギリ美少女の七篠ナツメなど、個性的なキャラクターが目白押しなのに。

 まあいいや。

 流石の「AIのべりすと」先生も、自身が関わった作品の読みどころを語るのは気恥ずかしいのかもしれない。

 では逆に、僕が執筆中に大変だった部分について書いてもらおうかな。

 こら! 何てことを言うんだ!! 僕がまるでサイコパスみたいじゃないか! 執筆中、特に苦労したのは、まさにきみのそういう突飛な発言だよ!

 出力された『不自然』な連続殺人事件とその犯人の辻褄合わせに作者は脳を絞り、主人公は翻弄される。紙の上でのAIと人類のバトルも、恐らく読みどころのひとつだろう。

 ところで、バトルというのなら、一体どちらが勝ったのか?

 泥仕合の末、反則技で僕の勝ち――と、作者としては答えたい。

 ……そんな勝ち方をしたから、「AIのべりすと」先生の恨みを買ったのかもしれないが。

 だからといってサイコパス扱いされるとは心外だ。いつかもっと立派な書き手になって完全勝利して、偉人扱いさせてやる。

 シンギュラリティが来るその日まで、半導体洗って待ってろよ!

 


八女深海(やめ・しんかい)
京都府京都市生まれ。同志社大学卒。2022年、AI文章生成サービスを利用した文学賞・第1回「AIのべりすと文学賞」に「カミガカリ 不自然言語処理連続殺人事件」を投稿し小学館賞を受賞。2024年、同作を改題・加筆修正しデビューする。

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『カミガカリ 不自然言語処理殺人事件
著/八女深海

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