田島芽瑠の「読メル幸せ」第74回
第74回
6月になりました。
蒸し暑いじめじめとした日々が続きますね。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
最近の私は毎日7時間睡眠をとるように心掛けています。朝、まずはベッドの中で体を伸ばして徐々に体を目覚めさせ、起き上がったらラジオ体操とストレッチをして時たま筋トレをして・・・無理なく毎日続けられる範囲で体を動かすようにしているんです。それが終わると朝ごはん。豆乳で作ったプロテインを飲み、手作りアサイーボウルやヨーグルトボウルを食べ、ゴールドキウイを丸かじりして、本格的に1日の始まりです。ザ・健康生活。あの短時間で全身をストレッチできるラジオ体操の素晴らしさを実感しています😂
6月は雨も多く、なんだか体が重いなーだるいなーなんて日もあると思うので、そんな時はぜひラジオ体操をしてみてください📻とっても気持ちいいですよ☺️
さて、今回ご紹介する本はこちら!
山本甲士さんの『ひなた商店街』です。
売れないアクション俳優〝近江貴仁〟のお話。役者をやめ、佐賀にある実家に帰省するところから始まります。
親戚が営むおでん屋〝こひなた〟で働き始めることになるのですが、もう5店舗しか残っていないシャッター商店街にあるこのお店もいつなくなってしまうかわからない・・・。そんな中、地元のテレビ局が取材をさせてほしいと〝こひなた〟にやってきます。「インパクトのある演出がほしい」とお願いされ、近江貴仁はなんと忍者の格好でロケに挑むことになりました。これがきっかけで商店街の快進撃が始まる!という物語です。
どんどん活気を取り戻していく商店街に、これは最後まで見届けないかん!と謎の正義感が働きました(笑)。舞台が佐賀ということもあり、方言が私の出身地福岡に近くてなんだかホッとする懐かしい気持ちに。結構しっかり方言で描かれているので、他の県の方が読むとどう感じるのか気になります!
商店街の温かい雰囲気が大好きで、読んでいてとてもほっこりしました。ただその中にも登場人物たちの発想力やまだまだ頑張ろうという熱意が感じられて、こういった〝地元を、商店を大切に〟というような文化、まだまだ残ってほしいなと思いました。途中でまさか落語が聞けるなんて。活字で読む落語は新鮮で面白かったです☺️
そして最後の展開は、おお、そうなるんだ!と微笑んじゃった。
素敵な登場人物が沢山いるのですが、中でも好きだったのは貴仁のお父さん。
ツンデレなお父さんが息子に活を入れに〝こひなた〟へ来るのですが、そこから息子の為に頑張る父の姿に思わずウルッとしちゃいました。なんとも不器用な親子なのですがそれだけに愛おしくて、さらにその間にいるお母さんも素敵なんです。
そういえばもうすぐ父の日だな、何を贈ろうかな・・・なんて読みながらふと考えていました。昨年は色んな国のビールを贈ったのですが、そのビールの蓋と瓶を今でも大切に保管してくれていて😂いつ使うねんって思うけど、喜んでくれたんだなと感じて嬉しいですね。
そんな風に家族のことを思い出させてくれる作品でもあります。
人と人との絆が奇跡を起こす。この作品を読んでいて人との絆の大切さをより感じました。お洒落なカフェも綺麗な建物も大好きだけど、やっぱり商店街が落ち着く。小さい頃から馴染みがあって、駄菓子屋さんやお蕎麦屋さん、パン屋さんの美味しい匂いや畳と線香の匂い。ワクワクが止まらない場所でした。
私もひなた商店街に行きたいな〜。幸せな気持ちになる時間をくれる、素敵な物語でした。
良い本の旅を。田島芽瑠でした。
(次回は2024年7月中旬に更新予定です)