田島芽瑠の「読メル幸せ」第70回
第70回
2月になりました👹🫘
皆さんいかがお過ごしですか?私は、今回の冬が例年より暖かかったので急な寒さに震えている毎日です。
最近は、薬を飲んで目薬して点鼻薬して……もうこの季節がやってきたのかと、晴れた日に目を擦りながら思いました。物心ついた時から花粉症だったのでそれが当たり前の生活だけど、もしなっていなかったらどんな春や秋を過ごせていたのだろうと考えてしまいます。
花粉症の薬のCMとかをみるだけでもゾワゾワするんですよね。近頃感じるのは、周りに花粉症の方が増えたこと!友達に「メルの仲間になったわ」と言われるたびに「こちら側にいらっしゃい」と出迎えています(笑)。
「今年は例年以上の花粉が……」と毎年テレビで聞いている気がしてもう何倍やねん!って思います。来世は絶対花粉症にはなりたくないですね(笑)。花粉症の方は今年も頑張って乗り切りましょうね!
さて、今回おすすめする作品はこちら📕
五十嵐律人さんの『不可逆少年』です。
引き込まれたーーー!眠れないぐらい続きが気になって、一気読みしちゃいました。あれよあれよと展開スピードが上がり、どうなるの?どうなるの?とドキドキしました。
物語は、13歳の少女が殺人を犯すところから始まります。〝刑事未成年〟であるため法では裁かれない少女は、次々と常軌を逸した方法で人を殺害します。
ネタバレせずにどう語ろうかと頭の中でグルグル考えています。
少女の他に、少女に父親を殺された茉莉、同じく父親を殺されたスナと兄のバク、そして少女の姉であり殺されそうになった奏乃が登場します。茉莉とスナと奏乃は同じ学校で、3人とも同じクラスで元々仲がよかった。この事件をきっかけにその関係はどんどん歪さを極めていく。
この物語は茉莉視点で描かれていることが多く、茉莉の気持ちが突き刺すように伝わってきて苦しくなる。3人の結びつきが強くなればなるほど勝手に苦しくなって、でも彼等にしかわからない気持ちだと思うから申し訳なくさえ思えてきます。彼等が「自分は不幸だ」と思わない人生をこれからも送ってほしい、そう願うばかり。
どうして彼女は人を殺さないといけなかったのか……。その理由を知る話かと思いきや、そんな簡単な話ではありませんでした。
彼女が殺人を犯した理由は思ったよりもシンプルで、その奥に色んなドス黒いものが溜まっていました。知れば知るほど苦しくなる。彼女は天使か悪魔か。あの子達はこれからどうなるのか。是非見届けて欲しいです。
良い本の旅を。田島芽瑠でした。
(次回は2024年3月中旬に更新予定です)