HKT48田島芽瑠の「読メル幸せ」第24回
第24回
4月になりました?
だいぶ暖かくなってきましたね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか? 元気に皆さんが過ごされている事を願います。
4月22日には私達の13枚目シングル「3-2」が発売されます?少しでも私達の歌で心が晴れやかになっていただけますように。
今日ご紹介する本は辻村深月さんの『ツナグ』です。
映画化された事もあり作品自体は知っていたのですがまだ読んだ事がなくて、最近ツナグの続編『ツナグ~想い人の心得~』が発売されたので、この機会に読んでみたいと思い購入しました!
〝使者〟(ツナグ)、それは死者との再会を叶えてくれる者。
ただ使者と言っても、死んだ人間を自分に憑依させたり、死者との会話を聴かせたりする者ではない。死者と依頼人が話す機会を設ける仲介人みたいな役目です。
後悔、決心、ただただ会いたいという気持ち…様々な想いを抱え使者の元にやってくる依頼人達。依頼人にとっても死者にとっても再会を叶えられるのは一生に一度だけ。満月の夜、皆は何を思い何を感じるのか。春のように優しく、じんわりと心に染み渡る作品です。
残す者と残される者。テーマは重く深いのに、沈む感じというか、心がどんよりするような重苦しさを感じるわけではなくて、ただ静かに問いかけられているような感覚になりました。大切な人が生きているうちにできることってなんだろう。
いつ何が起こるかなんて誰もわからない。当たり前が当たり前じゃないって事を痛感する今の時代だからこそ、読んで欲しい作品です。後悔しない人生って凄く難しいですよね。使者を使わないでいいような人生を送れたらいいな。20歳の私にはまだ経験がありませんが、これから先の未来でいつかは来る別れの時。ああすれば、こうすればって考えれば考えるほど、きっと後悔は多かれ少なかれ出てくると思う。別れはいつだって突然ですから。だからこそ、常日頃から感謝の気持ちを忘れずに生きていこうと思います。綺麗事に聞こえるかもしれないけれど、大切な事ほど当たり前のようで忘れてしまいがちなんですよね。それに気づいた時には手遅れになってしまう確率の方が高い。「親友の心得」「待ち人の心得」なんかは特にそう。誰にでもあり得る思春期のすれ違いと後悔。明日が来ればきっと笑いあえていただろうに。主人公達の気持ちに寄り添えば寄り添うほど、切なくて苦しくなる。生きている事を、今、この瞬間を大切に過ごしていこうと、この本を通じて、世間を通じて、改めて感じました。
『ツナグ』を読み終わってすぐに続編の『ツナグ~想い人の心得~』を買いに行きました! 早速今から読んでいきたいと思います。文庫ではないのですが、単行本の表紙の雰囲気が好きで迷わず購入しました。単行本って高いけど、その分雰囲気がまた全然違っていて、たまにの贅沢はいいなって思いますね。
春になると必ず深月先生の作品が読みたくなるんだよな~。不思議。私は普段本屋さんで作者欄から本を探す事はないのですが、この季節は深月先生から始めなきゃ! という謎の使命感に駆られ、今回はツナグを手に取りました。読んですぐに、今までなんで読んでなかったんだろうって思いましたね。素敵な作品に出合わせてくれた春に感謝です。
皆さんも是非読んでみてください。お家にいても本の世界は無限大です。良い本の旅を。田島芽瑠でした。
(次回は5月中旬に更新予定です)
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