◎編集者コラム◎ 『姉上は麗しの名医』馳月基矢
◎編集者コラム◎
『姉上は麗しの名医』馳月基矢
おかげさまをもちまして、小学館時代小説文庫が創刊されて、今月で3か月目に突入しました!
今日までつつがなく刊行継続できましたのも、ひとえに読者のみなさまのご声援あってのことと、編集部一同、心より感謝申し上げます。誠にありがとうございます!!
その3か月目のラインナップに堂々とタイトルを連ねるのは、「第一回日本おいしい小説大賞」隠し玉の新人作家が描くこの作品、『姉上は麗しの名医』です。
著者の馳月基矢さんは、「ハツコイ・ウェーブ!」(当時の筆名は、氷月あや)で、見事最終選考に残った期待の星。
惜しくも受賞は逃してしまいましたが、その筆力は選考委員のみなさまより、「筆力ある作者だ」「いい味を出している」「世界観もよくまとまっていました」と、高く評価されています。
ちなみに選考委員は、『あかね空』で直木賞を受賞した山本一力先生、「鴨川食堂」シリーズで大人気の柏井壽先生、京都造形芸術大学の小山薫堂先生といった豪華な顔ぶれ。
優しくも厳しい三先生のご高評を受け、実力で幸運を手に入れた馳月さんのデビュー作の内容はと言いますと──
剣術道場の若先生こと瓜生清太郎、町奉行所の定廻り同心・藤代彦馬のイケメンふたりが、野良犬連続殺人? 事件と町医者猛毒誤飲死事件との関係性を巡って、江戸の町を東奔西走。
ある時は、ふたりの武器である甘いマスクを駆使して、近所のおばあさんに聞き込みを。またある時は、得意の剣術で、面妖な刺客を相手に大立ち回り。さらにまたある時は、持ち前の変装術で無謀な探索に乗り出します。
ところが、ひょんなことから、清太郎の姉で、名医でもある真澄が誘拐の憂き目に!
あぁ、なんということでしょう。
才色兼備の姉が自慢の清太郎は気が気でなくなるし、どうやら真澄にホの字の彦馬も落ち着かないしで。
はてさて、イケメン侍のふたりはどうやって、ふたつの難事件を解決に導くのでしょうか?
ページをめくる手が止まらない、抜群の面白時代小説をぜひ。おすすめの一冊です。