◎編集者コラム◎ 『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』著/涌井 学 脚本/杉原憲明、鈴木謙一
◎編集者コラム◎
『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』著/涌井 学 脚本/杉原憲明、鈴木謙一
1998年の長野五輪。
スキージャンプ団体戦で、後に伝説となる感動の物語があったことをご存知ですか?
一定以上のご年齢の方であれば、絶対に覚えていらっしゃると思います。
その4年前の、リレハンメル五輪・スキージャンプ団体戦では、西方仁也選手、岡部孝信選手、葛西紀明選手、原田雅彦選手の4人がチームを組んでいました。2回目、西方、岡部、葛西の順にジャンプ。優秀な飛距離で、残るは原田。このままいけば金メダル……!日本国民中が息をのんで見守るなか、なんと原田選手がジャンプに失敗し、金メダルを逃してしまいます。
雪辱を誓った4人はその後、4年間練習に励み、長野五輪の年を迎えます。
ところが、長野五輪の団体戦で選ばれた4人のメンバーのなかに、原田選手と岡部選手は選ばれましたが、西方選手と葛西選手は選ばれませんでした。
肩を落とす西方選手にコーチがした提案は、「テストジャンパー」という仕事。それは、五輪当日の本番前に、選手が飛ぶジャンプ台の雪の状態に問題がないか、実際に飛んで確かめるという仕事です。
この映画と小説では、この西方選手が主人公。映画の主演は、田中圭さんです。
西方はどんな気持ちでメンバー発表を聞いたのか。
原田の選出を、素直に喜ぶことができたのか。
「テストジャンパー」という裏方の仕事を、どんな気持ちで引き受けたのか。
そして、ついに金メダルを手にした日本の選手たちと、日本中から喝采を浴びる原田選手の背中を、西方はどういう想いで見ていたのか……。
そのすべてが描かれています。
映画の試写会では、会場中が笑いに包まれるシーンもあるし、もちろん、全体的に号泣です。。涙もろい私は冗談じゃなく全編泣いていました。
西方選手の妻役・土屋太鳳さんの演技がまた、じんわり温かくて泣けますし……。
マスクにくっきり涙のあとがついてしまって、予備のマスクを持っていて本当によかったと思いました。
小説版の帯には、田中圭さんより熱いコメントもいただきました。田中圭さんに応援してもらえているなら、今日も仕事を頑張れそうな気がします。
また、小説を書いてくださったのは、数々の名映画を見事な小説作品へと昇華させてこられた涌井学さんです。行間から登場人物の複雑な心境が垣間見えますし、迫力のあるスキージャンプのシーンも、まるで映像を観ているかのような臨場感!
映画が公開されるのは5月の予定です。
それまでにまずは小説で、ぜひお楽しみください。
──『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』担当者より
『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』
著/涌井 学
脚本/杉原憲明、鈴木謙一