みんなのレビュー >>>『空は逃げない』
なつさん ★★★★★
とてもリアルな青春小説で、彼らの過ごした日々が鮮やかに彩られていました。
二人の佐藤リンタロウと絵怜奈の三人が過去と現在を交錯しながら展開して行くこの話は、自分が挫折や失敗をしたときに大切にしたいと思える言葉に多く出会いますす。
そして、壁にぶつかって立ち止まることしかできないとき、再び歩き出す力を与えてくれる強く優しい小説です。
空に近づこうとした三人は、やがて別の道を歩むことになるけれど、青春の日々を過ごした仲間たちは、たとえどこにいてもしっかり繋がっていることを教えてくれました。
本当にこの本に出会えてよかったです。
keisukeさん ★★★★
万能感と無能感を両方経験した大人に染みるところが大きいとは思うけど、それを味わう前の10代に読んでほしい。
まつちよさん ★★★★★
誰もがどこかに生きづらさを抱えながらも、そのことと向き合おうとしています。この三人のそんな心の有り様をもとめる姿に、最後のページまでめくる手が止まりませんでした。
マオさん ★★★★
最初の導入が「棒高跳びの参考書?」と思うような感じだったので「正直つまらないかな?」と思ってしまいました。
ですが読み進んでいくうちに、不思議な誤解(?)をしていっているようで、少し謎めいたストーリー&書き方なので、続きが気になって気になって、気付いたら1日で読みきってしまいました。
青春小説というよりは、少し推理小説なのかな?と感じたのは私だけでしょうか?
読み終わった後にもう1度読み返したくなりました。
そして、読み終わったら人と話したい!と思うストーリーです。
謎めいた書き方というのが、現在と過去を交互に描く手法なので、メモを取りながら読んで理解を深めた方が楽しめると思います。
棒高跳びについて全く知識が無かった私ですが、この小説を読んで棒高跳びに興味が沸きました。
粉奈弥生さん ★★★★
「サッ」「シュッ」とポールを使って跳ぶときの音や彼らの息遣いが聞こえてくる作品だった。
10代の頃はやりたいことはできる、夢は叶うものだと思っていたが、大人になって自分の体が言うことを聞かなくなったり、環境が邪魔をしたりして、全員がやりたかったことや夢を叶えることができるとは限らないと知った。思うようにはいかないと。
これを挫折と表現し、それに執着して生きていく人生も選択できるが、この作品の登場人物たちは挫折を武器に変えていった。
友人だと思っていた人、当たり前のようにあった環境、それらがちょっとしたことで逃げて行ってしまうことはある。全てのものが自分から遠いところに行ってしまったような感覚を知った時もあったが、本書のタイトル通り空は必ずそこにあり、空は逃げない。
逃げない空に力をもらってみてもいいのだろう。
saosaoさん ★★★★
興奮、挫折、努力、仲間、夢、希望…決して甘さだけではない青春小説。
過去と現在が交互に描かれおり
部活の出来事や3人それぞれの心情もわかりやすく読めます!
いじめ、けが、挫折、葛藤…
誰しもが経験したことがあるかもしれません。
乗り越えた先に、あなたはどんな空が見えましたか?
てっすぃ~さん ★★★★★
この小説に出会えて良かったと心から思いました。胸にスッと染み渡るそれは爽やかな風を浴びた時に似た感覚で。読み進めながらこんなにも応援したくなった作品は久しぶりです。
棒高跳びを題材にした作品は珍しいでしょう。実際、自分も棒高跳びの知識はほぼないに等しく、跳んだ時の感覚を想像したこともありませんでした。しかし、この物語を読んで、一瞬でも空と一体になれるのかな、その瞬間はどんな感覚なのかな、と興味が俄然わき上がりました。晴天もあれば曇天も雨天もある。でも空は確かにそこにある。どんなときも。読後、タイトルの意味を知りふわっと温かい余韻に包まれています。何度でも言います。この作品に出会えて心から良かったです!
杉ちゃんさん ★★★★
青春小説でよくある男性二人に女性一人という設定に「これ、三角関係で揉めて、読んでいてしんどくなるやつかな」と少し身構えながら読みました。
ところが、そういうイザコザは一切なく最後まで楽しく読めました。
カメラマンになったリンタロウが、A太郎なのかB太郎なのかという謎が気になり、早く先が知りたくなりました。
僕にとっての竹ポールはなんなのかと考えたのですが、自分にはありませんでした。悲しい!
たんちゃんさん ★★★★★
大学陸上部所属の
2人のリンタロウと
芸術学部の絵怜奈。
3人の想いが7年前と現在
交互に語られる物語。
それぞれ、心に抱えた挫折を
ある事がきっかけで
乗り越えて行く。
大学の頃に見ていた『空』とは
違う新しい『空』を見つけた3人。
『空は逃げない』
とても心地よい物語でした。
レビューのご投稿、ありがとうございました。