衝撃で眠気もどこかへ消えたんです!
本当は別の3冊を紹介しようと考えていましたが、3日ほど前に軽い気持ちで手に取った本があまりにも衝撃的すぎて読み終えた後もしばらく頭から離れず、先に考えていた3冊がどこかへ消えてしまったのです。その衝撃を与えてくれたのが「秋吉理香子」です。
『暗黒女子』はメディア化もされ私が彼女の作品を知るきっかけになった作品です。
名門女子高で起きた事件について文学サークルのメンバーが集められ事件について証言してもらうのだが、彼女達の証言を聴けば聴くほど謎が深まるばかりでこの事件はどこへ向かうのか? 本当に完結するのか? と心配してしまう作品でした。
『ジゼル』主人公である如月花音が所属するバレエ団の創立15周年記念公演の演目がジゼルに決定する。しかしジゼルは15年前に一人のプリマが事故で命を落として以降このバレエ団では公演する事がタブーとされていた。
団員達は驚きと不安を抱えながらも公演の準備を進めます。そんな矢先に亡くなったプリマの亡霊がレッスン場で目撃されたり、不可解な事件が次々と起きます。15年前に何が起きていたのか花音は真実を知る事が出来るのか、最後まで目が離せません。
『聖母』私が一番衝撃を受けた作品です。
郊外の住宅街で幼児の遺体が発見され殺人事件として捜査が始まります。しかし一向に犯人は捕まらず、近くに住む主婦の保奈美は大切なひとり娘にも魔の手が近付いているのではと不安に陥ります。母親であれば心配になるのは当たり前ですが、彼女の不安がさらに増す出来事が起きてしまいます。捜査がどこまで進んでいるのかも分からない状況で警察にも不信感を抱いた彼女は驚くべき行動をとります。その行動も本当に衝撃なんですが、たとえ事件が解決しても安心しないで最後の最後まで気を抜かずに読んでください。すべてが繋がった時きっと最大級の衝撃を味わうはずです。巧みな文章にまんまと騙され、先入観の恐さを実感します。秋吉作品はすべての作品において必ずドンデン返しの衝撃を味わえます。しかも一度ハマったら抜け出すのが大変です。私のように、このクセになる衝撃から抜け出せなくなる人が出てくることを秘かに願ってます。