本の販売もする調剤薬局が大阪でオープン!「ページ薬局」、店主が想いを綴る
「ページ薬局」は、今年6月1日、大阪は豊中の蛍池にてオープンしました。最大の特徴は何と言っても本の販売も行う調剤薬局という点です。開局してからまだ半年も経っていませんが、出版、薬局、それぞれの業界だけではなく、新聞社からの取材をいくつも受けました。
「なぜ薬局と本屋を掛け合わせたのですか?」
ほとんどの方に聞かれるのがこの質問です。本屋をやりたかったから、簡潔に答えるとこのようになります。当初は薬局との掛け算ではなく、本屋を開業するか、開業できなくとも何か本屋をサポートするような関わり方ができないか、と考えていました。色々と学ぶうちに書店経営の厳しさを知り、その中で薬局に本を置くアイデアが生まれ、急展開したというのが大まかな経緯です。
ページ薬局では1000冊ほどの本を在庫しています。ジャンルは児童書、絵本、文芸書、エッセイ、ビジネス書、料理やお金、旅行やアウトドアといった実用書など多岐にわたります。また、お客さんからの取り寄せ依頼や図書カードの利用にも対応しており、来られた方々からは想像以上に本屋になっているとの声を多数いただきました。
私の習慣の一つとして、週に一度はどこかの本屋に足を運ぶようにしていて、6年が経ちました。ネットでも起こり得るのですが目に留まってつい本を手に取る、本との偶然の出合いは圧倒的に本屋の方が多いと感じています。数年前、たまたま購入した『えんぴつの約束』が今の自分の行動に大きく影響を与えました。本を読んだ後、実際に小さな約束を守ってくれる方に出会い、些細な口約束でも守るべきだとの考えが自分の中で定着しました。今では「また会おう」といった内容でも守るよう心掛けています。本との出合いにより行動、価値観、ひいては人生が変わったのはきっと私だけではないはずです。
「普段本屋に行かない人に、偶然の出合いを提供する」
ページ薬局のコンセプトです。本屋によく通う、本好きのお客さんにお越しいただくのも有難いことですが、薬局の利用者である患者さんが待ち時間に本をふと手に取ってくださる、そんな場面をイメージしました。気になった本をパラパラとめくったり、親子で来られた方が絵本の読み聞かせをしたり。本との出合いを楽しんでもらえる場所として役に立ちたい、そう強く願っています。
地元の方々にも徐々に知ってもらえて、多い日には10冊以上本が売れる日もでてきました。「本とのご縁」のきっかけとなれるよう、これからも精進していきたいと思います。
――ページ薬局・店主より
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