◎編集者コラム◎ 『偶然屋2 闇に揺れるツインテール』七尾与史
◎編集者コラム◎
『偶然屋2 闇に揺れるツインテール』七尾与史
「あなたの身に起こった出来事、本当に偶然でしょうか…」
最近、こんな文言が書かれたオビの本を、書店で偶然、目にしたという方はいらっしゃいますか? これは2016年に発売された『偶然屋』(文庫は2018年発売)という作品です。
「そんな前の本がなんで今頃?」と思うかもしれませんが、今年、BOOK COMPASSさんやBOOK EXPRESSさん、八重洲ブックセンターさんといった書店が大きく展開してくれたところ、売れているんです!(八重洲ブックセンター本店ではなんと3月~6月の文庫売上第1位!!)
これって偶然でしょうか? いえいえ、担当編集者としては「必然です!」と声を大にして言わせて頂きたい。だって、本当に面白いんです、この作品。未読の方は、ぜひ読んでみてください。
で、今回ご紹介する『偶然屋2 闇に揺れるツインテール』はその名の通り、『偶然屋』の続編です。
舞台となるのは錦糸町。この街の雑居ビルに「オフィス油炭」はあります。社員は確率に異常にこだわる社長の油炭、司法試験浪人中(もう諦めた?)のアクシデントディレクター・水氷里美、そして、戦闘能力の超高い女子中学生・クロエの3人。彼らのもとに舞い込む依頼、それは「偶然の演出」。つまり彼らこそが「偶然屋」なのです。
今作でも早速、「人気アニメ映画とまったく同じシチュエーションで、一目惚れした女性と〝偶然〟すれ違いたい」という男性クライアントからの依頼が。この難易度高めのミッションを彼らは一体どうやってクリアするのでしょうか……。
著者の七尾与史さんは『死亡フラグが立ちました!』や『ドS刑事』シリーズなどのヒット作があるミステリー作家で、ユーモアミステリーの名手として知られています。
『偶然屋』『偶然屋2』でも至る所にクスッと笑えるシーンが満載ですが、油断してはいけません。このシリーズ、実はとっても怖いんです。今作では人気キャラクターのクロエの壮絶な過去が明らかになるとともに、無人島での惨劇が……。おっと! これ以上は読んでのお楽しみ。
最後に。既にお気づきかもしれませんが、あなたがこの記事を読んでしまったことも、これから書店で『偶然屋2』を手に取ってしまうことも、実は偶然屋によって仕組まれたことなのです。
──『偶然屋2 闇に揺れるツインテール』担当者より
『偶然屋2 闇に揺れるツインテール』
七尾与史