◎編集者コラム◎ 『映画ノベライズ ミステリと言う勿れ』豊田美加
◎編集者コラム◎
『映画ノベライズ ミステリと言う勿れ』豊田美加
もじゃもじゃ頭の大学生、久能整が活躍する田村由美さんの人気コミック『ミステリと言う勿れ』。
現在「月刊flowers」にて絶賛連載中のこのコミックは、ミステリとしての精緻な仕掛けや謎解きのワクワク感が満載なのはもちろん、整をはじめとする登場人物たちがみな一癖も二癖もあって魅力的なのが、さすが田村由美作品! とうならされる、言わずもがなの名作です。
そんな大ヒットコミックを原作として作られたTVドラマが、フジテレビ系「月9」枠で放送されたのは2022年。主演の菅田将暉さんによる見事な〝久能整〟ぶりも話題となり、こちらも大ヒットドラマとなったのは記憶に新しいところかと思います。
そして2023年、今度は待望の映画化! 原作コミックではファンの間で「広島編」と呼ばれている、ある遺産相続事件を描いたエピソードがスクリーンで楽しめるとあって、制作発表の時からSNSを大いに沸かせておりました。
広島で開催されている美術展にやってきた久能整。街を歩く整の前に、見知らぬ女子学生が現れる。彼女は言った。
「久能整くん、力を貸して。じゃないと私、殺されるかもしれない」
そんな衝撃的な一言を聞いた整は、わけがわからないまま狩集家の遺産相続を巡る争いに巻き込まれていくのですが――。
2023年9月15日公開のこの映画、『ミステリと言う勿れ』の脚本をベースに小説化をしたのが、このたび小学館文庫から刊行される『映画ノベライズ ミステリと言う勿れ』です。
小説にしたのは、オリジナル小説のみならず、ドラマや映画のノベライズも数多く手がけている豊田美加さん。もちろん、月9で放送されたTVドラマ『ミステリと言う勿れ』のノベライズも豊田さんが手がけていらっしゃいます(『ミステリと言う勿れ』前編/後編・小学館文庫刊)。
豊田美加さんのノベライズは、単なる脚本からの変換、ではありません。原作と脚本を深く読み込み、画面を何度も何度も確認し、それぞれの魅力と味わい、そしてその本質を大切にしながらも、小説ならではのおもしろさと読み応えを最大限に加えた、ハイパーなノベライズなのです。
原作ファンの方も、原作とまだ出会われていない方も、映画を楽しみにされている方も、映画にハマってしまった方も。どなたにもお薦めできるこの小説版、ぜひお手にとっていただければと思います。
原作コミック、映画ともども、どうぞよろしくお願いいたします!
──『映画ノベライズ ミステリと言う勿れ』担当者より