みんなのレビュー >>>『刑事の血筋』


はるののさん ★★★★

弟は、ノンキャリ「高岡守」地域密着型チョットアウトロー気味。
兄は、キャリア「高岡剣」沈着冷静なのに熱い。
父の跡を継ぐ思いで警察官になった弟。父を非難していながら突然警察官になった兄。
2人の仲は、想像通り悪い。
兄は、地元津之神市へある決意をもって異動してきた。
弟は、被害者「木村正」の素性さえつかめない「殺害死体遺棄事件」を追っていた。
それは、次第に亡くなった父の汚名の謎と交錯してくる。
当たり前だが警察官も、家族と共に生活し、子供の頃の友達だっている。高岡家は、今も昔も母親の春江が密かに権力を握っているのがユーモラスだ「2人で小ちゃい高岡敬一郎」と笑う春江は流石である。
男達は、真実と向き合い、行く道を見失った時、自らの良心とともに警察官の原点にもどる。
どうするー。
父のノートに記されているのは
「成るがままか、為すがままか」
父の魂は幼い兄弟に染み込み、警察官の魂として受け継がれていく。

母親とのやりとりが暖かく、高岡家も一般の家庭となんら変わりはない。兄弟を取り巻く個性的な人達のお陰で話は奥行きを増して行く。事件と警察官の家族が裏表ではなく、交わって行く様子が表現されているのが新鮮だ。殺伐としているのに、なんだか暖かい刑事モノになっていると思うのは私だけだろうか。
 


kituneさん ★★★

同じ親の子供でも、親の仕事に対する気持ちは色々あるが、親と同じ職業に就いたとき
その気持ちは、どのようになっていくか。
親が刑事という、兄弟が、それぞれ警察組織に入って、今まで父親の仕事を批判的に見ていた兄と
好意的に見ていた弟。それぞれが、違った形で警察の中で亡き父の影を見つけて、見つめていく。
徐々に現れる父の仕事。それに複雑に絡み合う警察組織と犯罪。
兄弟それぞれが、父を思い、組織を思い、良心に従い公正中立に警察職務を全うしようとする。
一人では、出来なかったことが、兄弟であることで、出来ることもある。
父のやり残したことを、反目していた兄弟が、父への思いで融和し、やり遂げることができるのか。


レビューのご投稿、ありがとうございました。