◎編集者コラム◎『あのコの、トリコ。』豊田美加  原作/白石ユキ  脚本/浅野妙子

 ◎編集者コラム◎

『あのコの、トリコ。』豊田美加  原作/白石ユキ  脚本/浅野妙子


『あのコの、トリコ。』豊田美加  原作/白石ユキ  脚本/浅野妙子 

 ノベライズ『あのコの、トリコ。』の編集作業は、先行試写を観るところから始まりました。まだ公開されていない、ファン待望の映画を一足先に観て堪能できるのは、ノベライズをつくるときの醍醐味の一つ。ときには舞台挨拶で、役者や監督の想いを伺えることもあります。

 映画「あのコの、トリコ。」では、最近CMなどで目にしない日はない人気女優・新木優子さんと、「美しすぎるイケメン」とも言われ、映画やドラマで引っ張りだこの吉沢亮さんが、女優を夢見る高校生・雫と、幼なじみの雫に一途に恋する地味なメガネ男子・頼(より)を演じています。特に主人公の頼は、冴えない男子高校生ですが、雫の付き人をすることになったことで、思いがけず自分も芸能界へ足を踏み入れることになります。今までメガネで隠されていた魅力が、偶然出会う芸能事務所社長や映画監督に認められ、どんどん開花していく。いわゆる「ギャップ萌え」に、登場人物たちだけでなく、観客(であるいい年の大人たちさえ)も気づけばキュンキュンしてしまう、見事な演技です。

 映画と脚本をもとに、著者に原稿を書いてもらうのですが、ノベライズの難しいところといえば、映画をそのまま小説にしただけでは、登場人物の心の機微や物語の緩急を伝えられにくいところ。映画では音響効果や俳優たちのかすかな表情の変化、息遣いなどの名演で気持ちの変化が伝わってきますが、小説ではそうはいきません。そこで、豊田さんと考えました。雫のことを好きな頼と昴、という三角関係に、映画にも登場する華というライバルの女の子を小説ではもっとたくさん登場させて、雫と頼の恋心をもっとこじらせさせては!?

 そんないきさつから、脚本家の浅野妙子さんにもご了承いただき、小説でしか読めないオリジナルシーンが入ることになりました。もちろんこれは読んでのお楽しみ。映画「あのコの、トリコ。」は10月5日より全国公開! ノベライズはもう書店に並んでいます。映画を観る前に、まずは小説で「あのコの、トリコ。」の世界を楽しまれてみては?

──『あのコの、トリコ。』担当者より

『あのコの、トリコ。』豊田美加  原作/白石ユキ  脚本/浅野妙子 

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