◎編集者コラム◎ 『陽だまり翔馬平学記 独眼龍の夢』早見 俊

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『陽だまり翔馬平学記 独眼龍の夢』早見 俊


陽だまり翔馬平学記

 いったん読みはじめたら、やめられない、止まらないシリーズ「陽だまり翔馬平学記」、2ヶ月連続刊行の第2弾が、ついに発売となりました。

 1巻目の『姫の守り人』では、「反清復明」を悲願に、時の政権に抵抗を続けた鄭成功が題材。日本では、人形浄瑠璃や歌舞伎で演じられる「国性爺合戦」(近松門左衛門)で有名な実在した歴史上の人物です。

 今巻で題材となるのは、『独眼龍の夢』というタイトルの通り、東北の覇者・伊達政宗なのですが、なんと、政宗自身が筆を執った密書が事件のきっかけとなります。

 当時、政宗の家臣だった支倉常長が慶長遣欧使節団を率いて、スペイン・イタリアに渡航した際、携えて行ったという、秘中の秘の書簡。

 徳川幕府を震撼させるその内容は、読んでのお楽しみですが、やはり悪巧みの材料にすべく、触手を伸ばす人たちがいました。

 もちろん、極悪老中の「知恵伊豆」こと松平信綱、そして彼の腹臣・朽木誠一郎のふたり。

 翔馬は彼らの陰謀を阻止すべく、東奔西走しますが、天草四郎の生まれ変わりを名乗る男が立ちはだかります──。

 ひょっとして、20年前に勃発した島原の乱で、キリスト教徒を根こそぎ殺戮した総大将の信綱が関係しているのでしょうか?

 公家の姫・由布を警固しながら、極悪コンビを相手に孤軍奮闘する翔馬ですが、思いも寄らない罠が訪れてしまいます。

 いったい翔馬はどうやって絶体絶命の危機を乗り切るのでしょう?

 ぜひ手に取って、確かめて下さい。

 ちなみに、江戸中を恐怖に陥れるこの密書を海外へ持ち運んだ支倉常長は、驚くことに、ローマ市から公民権を贈られたばかりか、貴族にも列せられたと伝えられています。

 また、このとき支倉に随行した日本人の数名はスペインに留まったと云われ、現在ではその子孫600名ほどがハポン姓を名乗り、現地に暮らしているそう。

 しかも、ハポンはスペイン語で「日本」という意味ですので、さらに驚きます。

 そんな、スペインとイタリアに思いを馳せながら読むのも一興かもしれません。

──『陽だまり翔馬平学記 独眼龍の夢』担当者より
 
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