◎編集者コラム◎ 『大正野球娘。1』神楽坂 淳
◎編集者コラム◎
『大正野球娘。1』神楽坂 淳
超絶人気コミック『鬼滅の刃』にはじまる、大正時代を舞台とした創作物が人気を博している今日この頃。
そこで、小学館時代小説文庫がオススメするのは、大正時代を背景にしたこの作品、長編時代ロマンスの『大正野球娘。』です。
本作は、男子に野球で挑む、名門女子校のモダンガール9人と女教師1人の奮闘を描いたシリーズ作品の第一巻目で、実は2008年にコミック化、翌年にはテレビアニメ化もされた、超人気女子野球小説だったりします(アニメは現在ネット配信中です)。
さてさて、時は大正十四年七月になります。
洋食屋《すず川》の一人娘で、東邦星華高等女学院に通う鈴川小梅は、ある日突然、級友の小笠原晶子に、「一緒に野球をしていただきたいの」と誘われます。
親が貿易会社を営む御令嬢の威厳についつい圧されてしまい、思わず頷いてしまう十四歳の小梅さんでありました。
どうやら、小笠原家のパーティーに出席していた、朝香中学の岩崎荘介に関係しているようで、しかも晶子と荘介は、なにやら深ーい因縁があるらしく。
小梅も晶子も、「殿方になんて、負けるわけがありませぬ!」と意気込んだのはいいけれど、「野球って、いったいなんですの?」なんて、首をかしげる始末。
そうなんです。ふたりとも、野球がどんなスポーツなのかを全然知らないのに、男子に挑戦状を叩きつけてしまったのです(汗)。
なんとか、アメリカ人で英語教師のアンナ先生から野球を教えてもらえることにはなりましたが、女学生たちに次から次へと大きな壁が立ちはだかるのでした──。
ハイカラなスポーツに悪戦苦闘する可憐な大正モガたちですが、奔り回るのは野球のグラウンドばかりではありません。
もちろん、グルメにも奔り回ります。だって、女の子だもの。
そんな賑やかな大正時代の女の子たちを、ぜひご覧くださいませ。
──『大正野球娘。1』担当者より