◎編集者コラム◎ 『大正野球娘。2 土と埃にまみれます』神楽坂 淳
◎編集者コラム◎
『大正野球娘。2 土と埃にまみれます』神楽坂 淳
「女子野球アニメの金字塔」との呼び声高いアニメ版がネット配信されてからというもの、Twitter上で大いに盛り上がっている今日この頃の「大正野球娘。」。
池端隆史監督もTwitterアカウントを開設され、当時の制作秘話をツイート。ファンにとっては、嬉しい悲鳴が上がりっぱなし状態となっているようです。
そんな、本作の背中を押してくれる好調な流れに乗って、シリーズ第二巻『土と埃にまみれます』が発売となりました。
名門女子校の可憐でたおやかな大正モガたち(モダンガール)が、「敵のホームグラウンドである野球で、男子に真っ向勝負を挑む」この作品、一見すると単なるスポ根女子小説なのですが、実は結構大きくて深いテーマを扱っていたりするのです。
どんなテーマかというと、ことのきっかけとなった次のセリフ、
「女は家庭に入るべきで、学歴もいらなければ社会に出る必要もない」
に集約されているのですが、このセリフが、上から目線の男から女性のフィアンセに向けて口にされたとなれば、もちろん、女性の矜持が許さないはず。
もうお分かりですね。そうなんです、テーマはズバリ、「男尊女卑は許せない!」。
だからこそ、ヒロインの小梅をはじめとする級友は、婚約者から馬鹿にされた晶子のために、「男子がすなる野球で仇をとろう」と、女子の意地をかけて、無謀とも思えるチャレンジをするのです。
ああ、なんて健気なのでしょう。
でも、健気だけでは、体力に優れる男子には勝てっこありません。
大正モガたちは、一体どんな作戦を実行して、天狗になっている男子の鼻をへし折るのでしょうか? 気になりますね。
でもそれは、本作を読んでのお楽しみ。