優しくて温かい地域密着ご当地作品
『コハルノートへおかえり』(石井颯良著)は、
香りが漂ってきそうな、読むと癒される作品ですよ。
『コハルノートへおかえり』(石井颯良著)。
女子高生の小梅はある日親友と喧嘩をしてしまいます。雨の中最悪な気持ちで歩いているとマリア様のような優しい男性、澄礼に出会いお店でハーブティを出してもらいます。
そのお店はハーブとアロマのお店でした。香りに関わる出来事を元気一杯の小梅がお店を手伝いながら前向きに澄礼たちと解決していくお話です。
が! なんと言っても少女漫画のように胸がキュンキュンする描写にドキドキいたします。香りが漂ってきそうな読むと癒される作品ですよ。こちらの舞台は川越です。ご存知無い方もコハルノートを読んでハーブのお店を探してみたくなるかもしれません。
『最後の晩ごはん ふるさととだし巻き卵』(椹野道流著)。
イケメン俳優だった海里がスキャンダルに巻き込まれて地元神戸に帰省するのですが家族から家に上げてもらえずボロボロになっているところへ定食屋の店主、夏神に拾われます。料理番組も担当していた海里ですが本当の料理を今までしてこなかったと夏神の元で居候しながら腕を磨くのですが……。
ここからが椹野道流先生の面白いところです、なんと幽霊や付喪神が出てきます。そして眼鏡がしゃべります。これを聞いただけではなんのことか分かりませんが美味しくて暖かくてホロリとしてしまいます。芦屋が舞台のこの作品。シリーズを追うごとに色々なお店が出てきます。実際にあるので是非お近くの方行かれてみてはいかがですか?
『横浜元町コレクターズ・カフェ』(柳瀬みちる著)。
大学生の結人は横浜に呪いを解きに訪れていた。幼い頃に夢と同時に呪いをうけたレストランを探すためだ。結人の夢は絵本作家。しかしその夢は未だに叶っていない。見つけた場所はレストランではなく喫茶店で色々なコレクターが集まる不思議なお店だった。店長の佳野も博識でお店の常連さんのいざこざも鮮やかに解決する。そんな中、結人に呪いをかけた人物は佳野が働いていたシェフだったことが分かる……何年も待ち続ける佳野に結人がとった行動とは……。
主人公結人は越谷から再び横浜に戻ってくるのですが、なぜ越谷なのかと引っかかっていたのですが、最後なるほどと思います。絵本を読みながらチャイを飲みたくなる作品です。