今日のメシ本 昼ごはん
ソースは「たらこ」をチョイス
お昼は貴重な読書タイムである。本を読む時間や買うお金を捻出するためにも、食べるものは手軽に安く済ませられるものがいい。そのうえ、おいしければ言うことはない。
以前はコンビニで弁当などを買うことが多かったが、いまは週1~2回スーパーに足を延ばして買い物をしている。
ただ、当店の事務所には、電子レンジとポットはあるがガスがない。そこで重宝しているのが、レンジで麺類をゆでることができる調理器。便利なものだ。
○月×日
今日はうどん。ゆでうどんはお値打ちなので出番が多い。スキマ時間をつないで、松崎有理『架空論文投稿計画』(光文社)を一気に読了する。研究と論文をめぐるユーモアとサスペンス。おもしろい本を読むと、その本を軸にしたフェアを作りたくなる。キーワードが連鎖して浮かび、あれこれ選んで発注すると、あっという間に棚1段分くらいにはなる。こういう本に出会うことは、読書の醍醐味のひとつだろう。
○月×日
今日は近所のとんかつ・かつ丼チェーン店でカツカレー。たまった仕事を少しでも減らすべく気合を入れる。店に戻って、食後のコーヒーを飲みながら、山本おさむ『赤狩り』1巻(小学館)を読む。いまこの漫画を推すことには意図がにじむだろうかと思いつつ、追加を発注する。もちろん関連書も調べる。当分、平台からは外せない。
○月×日
定休日で仕事も休み。夜は幹事を務める名古屋書店員懇親会。今回で7周年。書店・出版関係者や作家さんが、名古屋に限らず東西から毎回30~50名集まってくださる。ありがたいことだ。
○月×日
今日はパスタ。あえるだけのソースを2~3種常備している。お供は、小坂俊史『新婚よそじのメシ事情』(竹書房)。長いひとり暮らしを経て同業者(漫画家)と結婚した著者の“食”事情を描いたショート漫画。2年ちょっと前に同業者(書店員)と結婚した私にとっては、あれこれ共感するところが多い。特にそういう描写が目立つわけでもないのにとても仲がよさそうに見えるという点でも好ましい作品だった。
(「STORY BOX」2018年2月号掲載)