HKT48田島芽瑠の「読メル幸せ」第1回
第1回
初めまして、HKT48の田島芽瑠です。
この度、小説丸さんで連載をさせて頂く事が決定しました?
私は小さい頃から本を読むのが大好きです。
今の子供達は、本を読みなさい! と言われる事はあっても、私のように本を読むのをやめなさい! って怒られた経験は少ないと思います。
だって、好きなテレビドラマのCMの間も、登校前に一分でも時間があったら読み始める子だったから。
学校の始業式は私にとっては天国でした。
なんてったって新しい国語の教科書がもらえるんですから。
家まで待ちきれなくて、帰り道に歩きながら教科書を読む姿は近所ではもう風物詩になるほど。
(前回の記事も読んでいただけると嬉しいです)
こうして大好きな本に関わるお仕事ができる事ほど嬉しい事はありません。
楽しみながら、頑張ります!
これからどうぞよろしくお願いします。
私がご紹介する記念すべき一冊目は…
森 絵都さんの 「カラフル」です。
この本を読んだ時に、今読めて良かったと思いました。
スゥッと惹き込まれる感じ。
あぁ、いい本だったって呟きながら本を閉じる事ができる。
学生に読んで欲しい理由が、大人に愛される作品の理由が分かりました。
ヘンテコな天使に出会い、死んだはずの[ぼく]は、自殺を図った中学三年生の少年[小林真]の魂にホームステイをする。
コミカルな始まりで、思わずクスッと笑ってしまう部分も多く楽しい作品。
と思いきや、テーマは大きく深い。
自殺、いじめ、不倫、援交などの社会問題。
思春期で反抗期の主人公。
人間関係の難しさ、生きる事の厳しさ
暗い黒い部分もしっかりと描かれています。
急に天使が現れて
知らない人になって罪を思い出せ! と言われてもわけ分からないだろうな~。
私だったら、最初は凄く楽しんじゃうとおもいます。
だって、いっぱい食べて太っても、好きなものを買っても、私じゃないんだもん。
だったら何してもいいやって、してみたかった事をして楽しんじゃう!!!
題名の通り、カラフルな本です。
どんどん色が溢れてくる。
まるで、キャンパスに筆を振り下ろして色をぐちゃぐちゃにしているみたいに
色々な人物の表情や、心情が手に取るようにわかる。
暗澹たる深い闇ばかりに目を向けてしまうと
周りはモノクロに見え、人生そのものが辛く感じてしまう。
何もかもが嫌になって、全てを投げ出したくなる。
でも、その足元に綺麗な色の花が咲いてる事に気づく事が出来れば
少しの光に目を向ける事が出来れば
途端にモノクロだった世界に色が見えてくる。
勘違いや視点の違いで人間は損をしているのかもしれない。
この本の中で一番印象的だったのが
ある女の子が真くんに言った言葉です。
「みんなとおなじ、ふつうの子だった。でも、あたしとか、みんなが勝手にあっちの世界に閉じこめちゃって……。」
自分も同じ人間なのに、あの子は強いから大丈夫とかみんなが勝手に思い込んでしまう。
その周りの雰囲気が、空気が自分を取り巻いて
自分は強いから我慢しなきゃって、言い聞かせる事に慣れてしまう。
当たり前のような日常にもSOSが隠れている。
本人すら気がつかない内に苦しくなってるかもしれない。
私も似たようなところがあるから…。
この言葉がグッときました。
深かった、すごく。
強いから大丈夫って思い込んでるから
私も人に頼るのは苦手です。
一人になっても、私から離れてるんだ! 距離を置いてるんだ! って思う方が気が楽になる。
楽な方に、生きやすい方に頑張って持っていこうとするけど
それでも苦しくなって耐えきれなくなった時
プツンと糸は切れてしまう。
もしも、真くんが本当に家族の気持ちに少しでも向き合おうと一歩踏み出していれば
違う道を見つけられたのかな。
本当の気持ちを知るのはとても怖い。
だから、なかなか勇気が出せない。
結構、難しい事だと思います。
逃げてばかりいても駄目ですよね…。
ちゃんと向き合っていかなきゃ。
過去は変えられないけど、未来を変える事は出来る。
人生に色をつけるのは、他の誰でもない
自分自身なのです。
角度次第でどんな色にも見えてくる。
本当にその通りだなって思いました。
世界はカラフルな色に満ちている。
それに気付くかどうかはあなた次第。
でも、絶対にあなたは一人じゃない。
誰だって一人では生きていけないのです。
手を伸ばしたら、そっと掴んでくれる人がいる事。
後ろから、遠いところから、見えないところで
誰かが見ていてくれている。
支えてくれている。
当たり前の事が当たり前じゃない事。
少しでも辛いと思った時は、人生のホームステイだと思って気楽に考えてみよう。
ポジティブな視野を広げてくれた。
まるで、魔法の言葉のように。
この本に出会えて良かったと心から思います。
皆さんも是非読んでみてください。
きっと、何度も読みたくなるはずです。
良い本の旅を。田島芽瑠でした。
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